研修講師ってやつ

Life is a journey #16

研修講師ってやつ

Contributed by Daijiro Inaba

Trip / 2022.12.23

メガバンク、人材系コンサルファーム、教育系ベンチャー、スポーツチームで仕事してきた葉山在住のDaijiro36歳の「生きる」を考える旅。どこまでもオープンに、幸せなこともしんどいこともモヤモヤすることも恥ずかしいことも晒しながら、旅を綴ります。

#16

この数年でめっきり朝型になった。最近では毎朝5時すぎに起きて、愛犬との海散歩から一日が始まる。



朝焼けをバックにきれいに舞う@葉山の朝さんぽ



今回は人生で300回くらい実施してきた研修の中で、この数年オンライン開催となってから得た教訓をまとめてみた。いつもよりすこーし、真面目くさいけどお許しあれ。



スカイツリーと朝日。朝焼けがきれい。



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1.教訓化の教え
2.実施前の教訓
3.実施中の教訓(研修冒頭)
4.研修講師ってやつ
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1.教訓化の教え
教訓化については、銀行を卒業してすぐに務めたコンサルの先輩たちから教わった。当時は毎月1回、その一か月で起きたことを教訓化して資料作成して、先輩たちにプレゼンする機会を持たせてもらっていた。

経験学習モデルのイメージ図(D.A.Kolb)



正直、目の前の仕事で終われ続けている当時の自分自身には何の意味があるのか理解できなかったし、地獄のような場だった。新しい取り組みに挑戦していなかったり、経験を棚卸できていなかったり、内省が表面的だったりすると、自分自身の経験を教訓化できない。そんな状態でプレゼンしようものなら、四方八方からひたすらにダメ出しをされる場だった。体力的にも精神的にもすごく辛かったけど、今思えば成長の場だった。挑戦して、棚卸して、内省して、教訓化する習慣が少しずつ持てるようになってきた気がする。



なにかを見つめる愛犬つきみ@葉山



今回はフィードバックしてくれる上司はいないけど、『オンライン研修』の教訓を綴りたいと思う。事務的なところは割愛。拘りたいところだけ思いを込めて。


2.実施前の教訓
①画面オンの依頼
ここは拘りたい。画面オンがないと進行の難易度が上がる。場のメリハリがつけづらいし、双方向のコミュニケーション実現のために何か追加でツールを使う必要が出てくる。そうすると受ける側もしんどい。みんな自由にゆるく受講したい気持ちもあるだろうし、人によっては他の仕事を進めたいかもしれない。それが行われると、わざわざ受講者に時間を取ってもらったにもかかわらず、目的達成が遠ざかる。ここはお互いの目的達成のために事前に思いを共有したいところ。

②1スライド1フォト
オンライン研修ならではの資料作りのポイント。写真使うなら画質云々抜きに1ページに1写真をドカンと。もし複数写真使う場合は、見出しだけそのままで複数枚に分けて話したほうがいい。小さな写真とか貼ってしまうと見づらいし、複数貼ってあると受講者の注意が散漫になる。これは受講者側で何度か体験して、強く感じたこと。

③グループ分けしておく
10人以上で研修する場合は事前に2-3のグループに分けておく。ツールによっては事前に割り振りを終えておく。



愛犬つきみ@楚々葉山




2.実施中の教訓(研修冒頭編)
研修冒頭はいつも、「最初が勝負だ」と自分に言い聞かせて、2-3時間前から準備する。オンラインだと特に途中からの巻き返しがきかない。やっぱり、最初が勝負だ。

①挨拶は超元気に。超笑顔で。返ってきたら超感謝する
第一印象が命とよく言われるけど、画面の中だけでそれを表現しないといけない。それってなかなかハード。どうにか小さな画面の中でもよい第一印象を持ってもらえるように、いつも以上に元気に、笑顔で。もし相手が挨拶を返してくれなかったら、相手が返してくれるのをちょいと待つ。マイクオンにして返してくれたら超感謝を伝える。そしたらその後もリアクションしてくれる気がするし、少なくともリアクションがOKアクションだってことは伝わる。

②顔出しをお願いする
顔出しがマストでない場合、冒頭で全力でお願いする。ここでオープンしなければ二度とオープンされるチャンスは来ない。



絵画みたいな葉山の海 やっぱ雲があると、きれい



③共通目標を共有する。
参加する全員ですごく重要なプロジェクトに取り組むわけだから、それに見合うストレッチな目標を言語化しておかないと会社にも受講者にも失礼。誰だってよく分からない時間に投下することはしたくない。から、ワクワクする共通目標を言語化して伝える。

④OKアクション、NGアクション、休憩時間のペースを共有する
オンライン研修って一度始まったら参加者も講師もスタッフも全員一つのチームで、どうにか目的を達成しようっていう場だけど、受講するスペースも多様だし、周囲に人いるし、画面以外のところは相手に見えないから、誘惑だらけ。だからこそ、これはOK、これはやめてほしい、って話を先に伝える。あと、誘惑に屈していい時間を予め伝えるようにしている。どれだけ長くても1.5時間に1回は10分休憩取る。終日研修だったら、昼休みは1時間とる。昼休みに入る時間の目途も先に伝える。これを初っ端から約束しておけば、誘惑に負けそうな人も仕事に追われている人も安心して研修に参加できる。



愛犬つきみ@BeforeSunset



⑤グループワークの目的を明確に
対面の研修と違って、グループワークのファシリテーションを一度間違えると、収拾がつかなくなる。グループワークごとの目的を明確に、時間も役割も明確に伝える。僕はいつも冒頭でグループごとに1人リーダーを決めさせてもらって、リーダーに求めることも伝える。その人たちを頼りながら進行する。



朝日を見るようになってから、夕日の見え方が変わった気がする。きれいだ




4.研修講師ってやつ
研修講師の仕事をするなんて、社会人になったばかりの僕は夢にも思っていなかった。研修嫌いだったし。研修って本質的じゃなくないか?って周囲の声もあるし、研修が充実している会社に入りたいって人もいるけど。意見は分かれて当然だと思う。研修講師にも当たりはずれはもちろんあるし、その講師の力量だけじゃなくて一緒に参加した仲間とか裏方のスタッフにも当日の研修の質は左右されるし。



フットサルうらやましがり犬



研修はどこまで行っても手段でしかないと思うし、研修することが人の幸せにつながらないなら、なくなってもいいと思う。
でも、研修講師ってゆう仕事は、最高に恵まれた仕事だと思う。研修講師をするようになってから、勉強することが楽しくなった。学んだことを仕事の現場で実践することも楽しくなった。アウトプットの場があるおかげで、学びのサイクルが回りだした。改めて幸せなことだなって心から思う。
ある尊敬する経営者は言ってた。「教育は人生を面白がるためにあるものだ」って。
学ぶことが面白がることにつながるなら、研修講師の仕事って、その学びを面白くすることができるってことだよね。めちゃめちゃハッピーな仕事だ。



Daijiro9歳。巨漢。



自分自身が学びのサイクルが回っていくのも、面白いをつくれる可能性があることも幸せだけど、常に受講者からフィードバックを受けられるこの仕事が結局好きなんだな。これからも全力でやっていこうと思う!
Life is a journey!



Photo by るいす(SEVENRICH)@渋谷




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