Between the waves #56
Be here now
Contributed by Miki Takatori
Trip / 2023.01.06
#56
初めてウルワツの波を見た2017年、崖の上から見る波は当時の私にはあまりにも大きすぎてまるで別世界。いつかあの波でサーフィンしたいなーと思い続けていた。
それから5年後、バリにプチ移住し毎日毎日飽きることなく波パラダイスでサーフィン。
1人でウルワツにパドルアウトして、サイズのある波に乗る準備ができたのは最近のこと。
初心者でもインストラクターとパドルアウトする人は多くいるけど、私の中でウルワツだけは絶対に妥協したくない場所だった。
海への入り口。崖を降りて洞窟の隙間からパドルアウト。日差しと海の色で神秘的な空間。
一つの通過点として、ここでのサーフィンをずっと目標にしてきた。
数日通って慣れた後、大きすぎずそれでもパワーのある日。
いつものように沖に出て待っているとどんどん良い波が割れる。テイクオフも早くてどの波もバレルになる。
周りのサーファーがそれに乗っていくのを見ながら、1本良い波に乗れたら最高。そんなモチベーションで待っていた。
世界的に有名なサーフスポットだけあって、点在するブレイクに100人は海の中にいるのが当たり前。多分バリで一番混んでいる場所なんじゃないかと思う。
セットが来初めて、「あ、これ行けるかもしれない」
80%くらいの気持ちでテイクオフすると意外と大きくて波の壁に沿って進み続ける感覚。
「もしかしたら、これもバレルになるかも・・・」その期待と予想は当たって、クリスタルブルーのチューブが出てきた。
サーフビデオや写真では何回も見てきたけど、自分の目で初めて見る、だけどずっと夢に描いてきた光景が目の前に広がってその瞬間から笑顔がこぼれ落ちた。
乗り終えるとその先にいたサーファーたちが「今の最高だったよ!Yew!」と言ってくれて高揚感、興奮が止まずアドレナリンがさらに湧いてきた。
海から上がると、その一連を写真に納めてくれたフォトグラファーから記念すべき写真をもらって、その写真と共にサーファー友達にメッセージしまくった(笑)
帰りのバイクの運転中、ずっとこの光景が忘れられず、そして夕陽が綺麗すぎて嬉し涙が出てきた。
まさに「Only surfers know this feeling」そのもの。この瞬間にいることで得られる自然とのコネクション。
今世界で起こっていることも、将来のことも、心配事もこのフィーリングには絶対に勝てない。常にこの感覚を持っていたら、世界中の人がこれを感じることが出来たらこの世に争いなんて存在しないと思う。
だって今、まさにこのモーメントが私たちに与えてくれるものが偉大すぎるから。
そんなことを感じながら、寝るまで興奮冷めやらず。
今日もありがとう!自然と感謝の想いが湧いてくる私のアニバーサリー。
家に着くと目の前には優しい色の雲
Miki
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Miki Takatori
1996年福岡生まれ。旅のマストアイテムであるサーフボード、ビキニ、ウクレレをスーツケースに入れ海沿いの街を旅する。現在はオーストラリア人パートナーとバリの小さなサーフタウンに住みフリーランス通訳・翻訳・ライターとして生活している。サンセット、サーフィン後のお昼寝、抹茶をこよなく愛する。