正月の楽しみ

To Me, Somewhere in the World #60

正月の楽しみ

Contributed by Yoko

Trip / 2023.01.04

「世界一周がしたくて、思い切って会社をやめた」
未知なモノすべて知らないことを知りたい、欲望に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#60

明日どこで過ごすか、今日考えるような日々。正月も迷ったけれど、せっかくなので雪のない長野でそのまま過ごすことにした。


雪のない善光寺。


去年の長野は11月末早々に雪が降り、年末年始も雪国らしい景色。一方の今年は、今のところほとんど雪が降っていない。雪のない雪国で過ごせる正月は、なんだか贅沢な気分だった。SNSで友人や知り合いや芸能人の「ご報告」を見ながら、年の瀬を感じるなどした。


京都。


1年で最も好きな3日間はいつ、と聞かれたら断然1月1〜3日だ。なぜなら駅伝があるから。

物心ついたころから駅伝が好きで、例年3が日は家族で見ていた。出られるものなら出たかったくらい好きな大会。最初は2日3日開催の箱根駅伝にしか興味がなかったものの、卒業した選手が1日開催のニューイヤー駅伝の選手になり、世界に出ていく選手になり、時を経てコーチや監督になり……となると、各校各選手の様々な背景が見えてきて、見る駅伝がさらに楽しくなっていった。

そして世界陸上やオリンピックを見て、箱根駅伝以外の大学駅伝も見ていたら、高校駅伝も気になり、女子駅伝も見たくなり……と、見る大会の幅はどんどん増えていくのであった。個人的には、のちにバスケットボールでも同じ現象が起きることになる。背景を知り、つながりを知ると、物事は何でも楽しい。

好きと得意が講じて、学生時代は陸上部(駅伝部)に所属。本物の駅伝大会に出場できた時は感慨深いものがあった。遠い昔の記憶ではあるけれど、自分に与えられた区間を走るために、その何倍もの距離を時間をかけて走った練習の記憶も相まって、見る駅伝は裏側込みでよりリアルなものになった。


友人にもらった、だるま。


さて、雪がないとはいえ、しっかり寒い長野。まあまあ寒がりな人間なので、家でもヒートテックとウルトラライトダウンをフル装備しているが、さらに秋口からはこたつを追加。基本的にはそこから動かない。特に年末年始は自分の「好き」がテレビに詰まっているので、言わずもがな、テレビの前のこたつからほとんど動かなかった……。


美味しすぎた。


それでも駅伝の決着が着く頃には、たまたまお誘いいただいていた友人の家へ向かい、思いがけず立派な正月料理をいただいた。おせちにお雑煮。お雑煮は各地方の色が出ると言うが、結局は作り手次第ではないだろうか。そしていただいた料理はどれも美味しくて、持つべきものは料理上手な友人……と改めて思うのであった。そういえば、料理上手な友人が多い。ありがたい。

そんなこんなで、いつも以上にゆっくり過ごした年末年始。日付が変わる瞬間、ファミレスでアルバイトをしていたり、友人と外で乾杯していたり、テレビを見ていたり、神社にいたり、海外にいたり、いろんな過ごし方をして来たけれど、今年は今年で、よかった。

さて、社会復帰しなければ。今年もゆるく楽しく頑張っていきましょう。


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