Errands

Couch Surfing Club #31
西海岸ロードトリップ編

Errands

Contributed by Yui Horiuchi

Trip / 2023.03.02

海外へ何度行ったって、旅慣れなんてない。旅で出会う全ての人にフランクに接し、トラブルだって味方につける。着飾らず等身大で、自分のペースで旅を楽しむアーティストYui Horiuchiさんが、サンフランシスコからポートランドまでの旅の記録。

#31

オレゴン北上を1週間後に控えてそろそろ旅支度をといった朝。

「そろそろ水も買わないとだよね」
飲料水はフィルターを通した美味しい水を買いにArcataまで定期的に水を補充し行っている友人。
巷で有名なブリュワーが強力なフィルターを使って浄水している水屋さんがあり、とことんカリフォルニアのクラフトビールカルチャーへの恩恵を受けていた。
確かにこの水を飲むと他の水は飲めなくなる。

「あとは犬のシャンプーと餌を買って、できたらペットベッドも新しいの買いたいな」

とりあえず優先的に水と餌はなくなるものだから今日のうちに買いに行くことにした。

まず午前中のアクティビティの一つとして昨晩持ち帰ったBBQの残りを全てオーブンプレートに並べて、温め直した。



豪勢な朝食だ。
手抜きも手抜き、でも二日目になっても美味しいBBQである。

友人は午前中のうちにゴルフに行きたい模様。
わたしは残しておいたラスイチのカップケーキを食後のデザートに独り占めできると内心しめしめと思っていたけど、そんなことはお首にも出さずに一旦友人を見送った。



取っておいたピンクシャンパンという名のカップケーキ。
うん、ファンシー◎

流石に少し自分も体を動かしたくなって、犬に
「wanna go walk?」
と聞くと飛び上がって喜んだ。
出かける気満々。

自分たちが徒歩でゴルフ場に到着するまで45分程度。
友人が半コース終える時間を逆算してみるとちょうど良さそうだったので、例のごとくフル装備でわたしも歩きに行くことにした。

ゴルフ場までの道のりは終盤は歩道もなく、4車線程ある大通りでは横断歩道もなかったので若干焦ったけど、こういう時は大型犬と歩いていると心強い。
とはいえ見晴らしが良くてどこからか銃で狙われたら一発でアウトだし、襲撃者が車だったらすぐに逃げられてしまいそうだ、なんて、少し危ない道を選んでしまったと思った。が、後には引けない。
海外滞在中に地元の土地勘なくGoogleマップ任せに徒歩の経路を検索するとたまに危険地区や高速道路に連れていかれるので注意が必要だ。
少しナーバスになりながらも車が切れるのを待って、親切なドライバーさんたちが道を譲ってくれたのを前後左右目視で確認してから犬のリードを引いてドライバーさんたちにありがとうと軽く手をあげながら足早に交差点を横断していった。

ふう、最終関門通過。
あと万が一の時に人が来そうなガソリンスタンドや路駐している消防車やパトカーには目の端に入れておくようにした。
どことなく歩道や信号のない道は不安になる。

危険な交差点を抜けたらすぐにある住宅街の脇道を知っていたので、一転して子供たちの遊び声が聞こえる安心できる通りに出た。
住宅街の前の通路を挟んでもうゴルフ場の敷地が広がっている。
友人っぽい人影がないかチラチラとプレイ中の人々の様子を伺っていたけど、団体客やカートなしのお客さんばかり。
敷地の無断侵入・横断禁止と書いてあるけど時々敷地に入る通路や橋があったので友人さえ見つけられたら途中から一緒にコースを回ることできるのになあ、と思いつつチャンスはなく諦めてちゃんと正面のエントランスへと向かった。

エントランスの真逆側からアプローチしていたので少しまだ歩く、途中からはスタッフ用の駐車スペースがエントランスに直結しているのを見つけたので少しだけショートカットさせてもらうことにした。
ようやくゴルフ場のエントランスから入場しデッキとベンチを見つけて友人が帰ってくるのを待つことにする。



フリスビーを使ったディスクゴルフもできる敷地で彼からレッスンを受けている彼女がきちんとグリーンの上で正座をしていた。かわいいなあ。



犬はバッチリ日当たりのいいスポットを抑えてゴロン。
ベッドが大好きなので滅多に硬い床やアスファルトには寝ない子が地べたに寝っ転がっているのが珍しかった。
多少芝が生えてるから若干ふわふわ感があったのかもしれない。

まだかなぁってしばらく待ってるうちにカートを押して受付に帰ってきた友人に口笛で合図する。
顔を上げてこちらに気付き、驚いた表情と両手を上げて、ここで何してるの!っていうジェスチャーを向こうの方でしていた。
驚かそうと思って何も言わずに出てきたのでびっくりしただろう。
犬ももちろん匂いに気づいてすでに立ち上がっていた、すぐにリードを外してあげて友人の元へと駆け寄っていく様子を眺めていた。

ようやく話せる距離にきた友人が
「ここで何してるの!?歩いてきたの?遠くなかった?」
「45分くらいだったかな、良い散歩だったよ。来る途中コースにいないかなと思って探してたんだけど、全然見つけられなくてカート返却の時には最終的にエントランスには絶対立ち寄ると思って待ってたんだ、でも今反対側からカート押してきてたね」
「へえすごいじゃん、めっちゃびっくりしたよ。今日は前半コースしか空いてなかったから前回と反対側のコースにいたんだよ」
「それでか!」
車にそのまま向かい家に戻る途中でペットショップに立ち寄り7歳かそれ以上の大型犬の健康管理向けって書いてあるエサを買う。
確か25kg入り。



馬用の干し草も餌として売られていた。



わたしも店内をチラ見して親友の愛猫にお土産を買った。
喜んでくれるといいな。


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