This is Japan, but

To Me, Somewhere in the World #66

This is Japan, but

Contributed by Yoko

Trip / 2023.02.15

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#66


長野・野沢温泉は自分が日本にいることを忘れかけるほどに、外国人が多かった。まさに気分は「自分が外国人」。その噂は聞いていたし、長野市にいたとて駅周りはスキーを抱えた外国人が増えてきたので実感してはいたのだけれど。本当にその場所に行ってみたら「マジか」が止まらないほど、マジのマジでザ・外国だった。面白すぎ。


野沢温泉・麻釜。


旅と旅の短いインターバル、野沢温泉に短期間滞在している友人のことを思い出す。長野に帰宅後すぐ、次に行ける日は下手したらない、と気づいたので次の日の宿泊予約を即とった。セーフ。次の日、仕事を抱えつつ鈍行に飛び乗ると、あれよあれよという間に雪深くなり。なんなら雪も降ってきて、寒さにやや絶望するのであった。ギリギリの理性でブーツを履いてこれた自分に拍手。


もはや秘境の飯山駅。


飯山で乗り換え、一人段違いに軽装(スキーのたぐいはなし、ウェアも着ていない変な人)で野沢温泉までのバスに乗る。乗る人乗る人外国人で、この時点ですっかり外国人気分。


里武士。


着いてすぐに飛び込んだカウンターバーの相席相手も全員外国人。ビールを飲みながら、どこかの外国を思い出すなどした。


雪〜〜〜。


宿で友人と合流。開口一番「寒いんだけど……」と必死の訴えと共に参上した私に爆笑する彼女。やや久しぶりに会う年下の友人は、雪国で過ごしていた学生時代の後輩。今思い出してみれば二つ下の子だった。だから敬語なのかと今一人で納得。さておき、寒さに強い彼女と弱い私で早速温泉めぐりに向かう。


チーズ入り温泉まんじゅう。



十王堂の湯の温度が一番マシらしい。


しかし温泉の温度がアツすぎる。そして入っている人がほぼ外国人でまた驚く(ヨクハイレルネ……という意味を含む)。なかでも一番温度がマシだという場所で熱さの洗礼を受けつつ湯につかり、でも次の場所の湯はもっと熱くて、たしかに最初はマシだったのだなと実感するなどした。何が言いたいかって、つまり野沢温泉のお湯はマジで熱い。




縁で食べたおでんとホッケ。


雪が降りしきる中、すれ違う人はみな外国人の温泉地を少し歩いてからおでん屋さんにイン。当日のスペシャルメニューのホッケは、元道産子二人が驚くほど美味しかった。しかしながらこの県、海ないんだけど。と思ったことは置いておく。食べて飲んで、速攻で宿に帰る。寒いから。




ゲストハウス嘉登屋(かどや)。


宿にいても、その後帰って来る人はみんな外国人。ダイニングで話している人も外国人。とりあえず基本の会話が英語になる。ルール説明から大変なカードゲームにも参加してみたけれど、あれはあれで何だか楽しかった。


朝ごはん。


朝。セルフサービスで用意しているという朝食にみんな大満足。prettyでcoolな朝タイムもそこそこに、みんなスキーウェアをまとって朝から出て行った。こちらはスキーをする気が1ミリもないためゆっくり見送り……(笑)。人のいなくなったドミトリーでテレビ会議をしているアメリカ人の兄ちゃんを横目に、自分の荷物だけ引き取ってそそくさと帰路へ。バスターミナルまで友人に送ってもらい、お別れ。帰りは長野駅までの直行バスに乗ってみた。ここでも乗っている人がみんな外国人、は続く。


オリンピックの記憶。


長野の白馬、北海道のニセコでは外国人観光客の復活具合はめざましく、外国のあれこれで溢れかえっていると聞いていたが、野沢温泉も凄かった。自分が旅せずとも、文化を受け入れるだけでそこが外国のようになる不思議。ともかく賑わっているスキー場付き温泉地は、ウィンタースポーツをせずとも愉快なマチだった。


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