「意外と」幸せ

To Me, Somewhere in the World #68

「意外と」幸せ

Contributed by Yoko

Trip / 2023.03.01

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#68


福岡経由でバンコクへ。そこから夜行バスとフェリーでタオ島まで。


カオサンロードの人混みにびっくり。



チュンポンから船でタオ島へ。



初めての場所で長居するのはカケに近いが、ゆっくりたっぷり欧米人のように1週間くらい過ごす予定。だが日本を出てから24時間以上をかけてたどり着いた島で、今は何をするわけでもなく過ごしている。

ダイビングが有名らしい島だけれど、海にはまだ足すらつけていない。眺めているだけ。
誰もがバイクに乗っているけれど、乗っていない。歩いて行ける範囲しか行かない。
旅の目的だったはずのコワーキングスペースも、外から眺めただけで結局利用していない。
好んで食べるものと言えば、ガパオライスばかり。



毎日ガパオ。



マッサージ後のティータイム。



それでも、毎朝、海まで散歩して、朝ごはんを買って、宿で仕事をして、昼寝をして、ランチを食べて、休憩して、タイ古式マッサージを受けて、散歩して、好きなだけ眠る……という好きなことだらけのルーティンに幸せを感じたのだった。唯一悩まされることと言えば、次の旅の行程が決まらないことくらい(笑)で、今も難儀中……。とにかく、着いた日は「長居しすぎな日程だったかな」と若干不安に思ったけれど、余白がありすぎる余白生活も、今回は結構心地が良い。



港そば。



今の時期だからなのか、タオ島は暑すぎない。真夏の宮古島のように5分と持たない外歩き、とはならない。暑いけれど30度にみたないくらいなので、炎天下の散歩もそれほど苦ではないのだ。日傘を持ってきたけれど誰も差していないので、何だか気恥ずかしくて、徒歩だと片道15分くらいまでの目的地が今の限界だけれど。案外アップダウンの激しい道のりを進むことになったが、海沿いを歩くのはいつでも気持ちが良い。湘南を思い出す。あとマイアミ。



サイリー・ビーチ。



そんな日々を過ごしながら、「意外と」幸せだな、と思った。海に入らない、バイクに乗らない、高級リゾートホテルに泊まっているわけでもない、英語がスペシャルに話せるわけでもないから誰かとものすごく親密になれるわけでもない。そんな過ごし方をしている今が。でも「意外と」って何なんだろう、とも。誰も自分の幸せを決めていないはずなのに、自分が選んだ今なのに、「意外」も何もない、というか。比較するものでもないのに。そんな思考を不思議に思う。



海。



さらさら流れる朝焼けと夕焼けが映える海を見ながら、今日も1日を過ごす予定。


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