Tempelhofer Feld

Flohmarkt am Wochenende!! #3

Tempelhofer Feld

Contributed by Kyogo Hidaka

Trip / 2023.03.20

日本から飛び出したくて2週間後に行くと決めたドイツ・ベルリンの街。肌で感じた現地の“mood”、そこには自分が知らずに求めていた“余白と自由”があった。フォトグラファー・Kyogo Hidakaさんが今でも大切に持ち続けている、あの頃の色褪せない記憶たち。

#3


空港跡地で部屋探し?

空が抜けていて、だだっ広く大きいこの州立公園は元々空港があった場所で、当時のターミナルや滑走路、小型の飛行機なんかがそのまま残っている。
ターミナルや飛行機の中は残念ながら入ることはできなかったが、滑走路はそのまま開放されていて、まっすぐ伸びた一本道が夕方になると沈んでいく太陽で真っ赤に染まる空と地面の景色がとても綺麗だった。
そこには、午前中からランニングをする人や自転車を漕ぐ人が訪れ、午後になると仲間とスケボーをする若者や周りの芝でスポーツやピクニックをする人たちで賑わっている。







僕も休日に友達とピクニックやBBQをしたり、サマータイム中はよく日暮れまでの長い日中の時間にサンドイッチを持参して、読書や音楽を聴きながら、ただひたすらにのんびりするのに利用していた。

時には、訪れる人たちのスナップを撮ったり、声をかけてポートレートを撮影させてもらったりもしていた。









初めにこの場所を知ることになったのは、日本人でベルリンに長い間在住されている方から「僕の周りのクリエイターの人たちを集めて一緒にBBQをするからおいでよ」と誘われたのがきっかけだった。その先輩は元々日本にいる共通の知り合いの人から「何かあった時は頼ればいいよ」と教えてもらった人だった。

僕はその時、語学学校の寮に住んでいて今月で学校に通うのも最後となり、来月から寮を出て新しく住む家を探している最中だった。ただベルリンでの空き部屋探しは中々見つからず、初めは条件をつけて探していたが、何件か内見した所もうまく進まなくて、かなり難航していた。そんな中、寮を出る期日が残り1週間となり新しい家を決められそうにもなく、内心かなり焦っていたので、その先輩に家が見つかるまでの間泊めてもらえないか電話をしてみたところだった。
部屋も見つかるかもとは言われていたけど、BBQには全く乗り気になれず、当日は家がなくなる3日前で目の前の肉よりも最悪野宿になったらこの場所は使えるな、とかそんなことを考えていたと思う。

夜も深くなり、みんなも僕も酔いが回ってきた頃、1人ずつ話しかけて部屋がなくて困ってるとか一緒に住みたいとか色々言ってまわっていたら、フォトグラファーのノーマンが話を聞いてくれることになった。彼に説明するとちょうど空いている部屋があるから明日にでも見に来るといいよと言ってもらえた。会話中ずっと笑っていたので正直半信半疑だったが、次の日ノーマンの家に行くと内見のことをちゃんと覚えていて、2人で少し話した後、手作りパスタをご馳走してくれた。その時無事に家が決まったことに本当に安心したのを覚えている。







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