あれ、思ってたのと違う

Between the waves #70

あれ、思ってたのと違う

Contributed by Miki Takatori

Trip / 2023.03.31

ひとつの場所に留まることが苦手で、さまざまな国を転々と旅してきた高取美樹さん。それぞれの場所で、暮らすように旅を続ける彼女が切り取る、何気なく、そして特別な瞬間。

#70

物事は順調にいかないこともある。

これまでに何回も直面した現象。

“あれ、思ってたのと違う”

でもこの現象は決して悪いことではないと思う。


憧れの場所

憧れの仕事

憧れのあの人

行ってみないと、やってみないと、関わってみないとわからない。

何もわからない。

憧れを追った先にあった感情がどんな感情でも、それは貴重な経験となり、人生の財産となる。


上手くいった経験は自信につながり、上手くいかなくてもそこから学ぶことはたくさん。

思い返すと私の人生はこんな繰り返しがたくさんあった。

子供の頃、外国といえばアメリカというイメージで将来は絶対アメリカに住みたいと夢見ていた。

実際に1年ほど住んでみると、もっといい国があるんじゃないかと思った。

ずっと憧れていた中東航空会社での客室乗務員の仕事。

20代最初の頃はこの仕事を30歳くらいまでやる予定だった。

だけど実際に働いてみると「あれ、思ってたのと違った」なんて場面は日常茶飯事。



月に5、6カ国違う国に飛んでいた20代前半


その後住んだオーストラリアに去年戻ってきて、またここを拠点にするつもりだった。

それが数年経ってさまざまなことが変化し(私自身も変わって)

「あ、ここに住むのはなんか違うかも」と思ったり。

今回に至っては予定を切り上げて別の場所に移動することを決めた。


一度は移住を決意したオーストラリア


憧れているだけではわからなかったことを肌で感じて、その経験は自分の選択を明確にしてくれた。

憧れを少しずつ手繰り寄せて、理想に少しずつ近づいていければ私の人生は大成功だと思っている。

むしろその過程が一番おもしろい。

Miki


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