寄り道and寄り道で

To Me, Somewhere in the World #71

寄り道and寄り道で

Contributed by Yoko

Trip / 2023.03.22

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#71


長野から札幌へ、いつもの用事で向かう。いつもは東京経由で行くことがほとんどなのだが(松本から札幌への飛行機は便数が少なくて高い)、飛行機が取れず。そこで新潟に用事を作り、新潟発で札幌へ向かうことに。と思ったら、新潟発も満席で取れず。恐るべし、春休みパワー。


新日本海フェリー・新潟港。


しばし思案して、乗りたかったフェリーがあったことを思い出し、調べてみると。ちょうど行く夜の22:30に出発する船を発見。ということで、長野から高速バスで3.5時間かけて新潟へ、新潟から夜行の船で6時間半かけて秋田へ、秋田から札幌まで飛行機で45分(!)という1日がかりの行程が完成したのであった。全くの謎行程である。


新潟駅前。


久しぶりの新潟。最近どの都市でも都市名を模したモニュメントがあって複雑な気持ちになる。さておき、チェックインだけ済ませるべく昼間のフェリーターミナルへ向かう。新潟や秋田は経由地だからなのか、思ったより港は小さかった。コインロッカーに荷物を預け、来た道を半分ほど歩いたところで忘れ物を思い出し、来た道をまた戻る。暑かったこの日はすでにこのあたりで「今日、終わった」という気分だった。


思わぬ場所でルーローハン。



万代自習室。


都会を感じる街中に戻り、ランチを済ませてからコワーキングスペースへ。人体模型のある独特な場所だったが、ブランケットありフリードリンクあり、花粉症発病中にはありたがいのど飴まであり、いたれりつくせりだった。

夜は友人と合流し、フェリーまでのやや短い時間を共に過ごしてもらう。小学校からの友人は……信じられないくらい長い付き合いになっていて驚く。出会った時から今に至るまでずっとベタベタしているわけではなくとも、出会った時期が早ければ早いほど、深まる絆はあるような気がする。


ゆうかり/ツーリストB.



じゅうぶん快適すぎる……。



2回目の出会いは船内。買いました。


友人と別れ、一目散にフェリーに向かったものの、想像以上に静かな港。広い船内で迷いながらも自分の寝台に辿り着くと、24人くらい入れる場所に5人くらいしかいない。思った以上にのびのび使わせてもらえた。何より心配だったのは「朝5時にフェリーを出ていけるか」だったのだが、眠りが浅くあまり寝られなかったので問題なし。実際のところ、朝何回か見回りに来て「下船可能ですよ」と起こしに来てくれたので、爆睡していても大丈夫そう。たぶん。乗る人もいるので、降りてくれないと困るみたい。


おにぎりセット。


港につくと、朝4:30〜8:30というなかなかシビアな時間に開店しているカフェが。おにぎりセットを注文してみたら、爆弾おにぎりレベルの大きさで驚いた。美味しい。ただ大きさがすごい。そんなこんなで秋田駅までのバスを待ち、乗り、秋田空港までのバスを待ち、乗った。この微妙な待ち時間が寒すぎて、ダウンを着ていないことを心底後悔するなど。




秋田空港のラウンジ。


たどり着いた秋田空港は、記憶とは違って(改装されたのかもしれない)とても新しく綺麗で驚いた。胡蝶蘭が並んだままの新しいラウンジは快適すぎて、作業がはかどった。こうしてようやく新千歳へ……。「フライト時間は45分です」と言われ、一人吹き出しかけたのだが、そういえば秋田はだいぶ北にあるんだった。移動し続けていると距離感がバグるらしい。


最近牛乳が好き。札幌で。


こんな寄り道and寄り道な行き方もあったりする。ただ、あまりに眠気が来るのでそれほどおすすめできない。ちょっとだけ、面白い。



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