Couch Surfing Club -西海岸ロードトリップ編- #40
Busy Animals
Contributed by Yui Horiuchi
Trip / 2023.05.04
#40
ついに出発の日。
早朝5時に一度ベッドから起きてガレージに向かった。
洗濯機が置いてあるからだ。
洗濯機の中に前日間に合わなかった洗濯物を入れ、洗剤を目分量で回し入れる。
蓋をしてスタートボタンを押し、スマートバンドのタイマーを1時間でセットした。
またベッドに戻って、窓の外にふと目をやると動く物陰。
目を凝らして見てみる。
猫のような、黒っぽい、灰色っぽくもある。
目が慣れてきて、庭を詮索中の生き物に三日月のか細い光が届くと、白いV字がはっきりと見えた。
スカンクがいた。
匂いは確かに数日前からしていたけれど、本体のスカンクは初めて見た。
かなり遠くにいても匂いで分かる、スカンクのスプレー。
ごま油のような少し香ばしい匂いだとわたしは思ったけど、スプレーが直撃したらやばいらしい。
乾燥機を待っている間ネットでスカンクの匂いを検索した。
夜中に散歩をしている猫などにかけれるとずっと匂いが取れず、匂いを中和させるのにトマトジュースで洗うといいなんて書いてあった。
1時間経過したことをバンドのアラームで確認し、体温のこもっているブランケットから這い出てまたガレージに向かった。
洗濯物を取り出し、乾燥機に入れた。
乾燥機に入れる静電気防止のドライヤーシートを入れる。
昨日ブランケットを洗っていたMOREのつまみをNORMALに変えてスタートボタンを押した。
またベッドに戻り、目線が窓の外に行く。
今度は友人の飼い犬がおトイレの最中だった。
さすがに目が覚めてしまったので、起きてきていた友人にキッチンでおはようと言葉を交わしてハーブティーを作った。
キッチンの窓の外ではお隣に遊びにきている犬のヌードルがこちらのフロントヤードを徘徊している。
髪をようやく切りにいき、さっぱりした顔で戻ってきた友人に
「今日の朝は動物たちがすごい賑やかだったよ」
「へえ、どう賑やかだったの?」
今朝の窓から見た情景を友人に伝えた。
乾燥機のスピンの音が止まり、一度扉をあけて洗濯物の中に手を突っ込む。
どこか乾き残りがないか確認だ。
全部よく乾いているようなので、乾燥機から洋服を取り出しバスケットにいれた。
バスタオルが3枚くらい入っていて、量の増している洗濯物を一度ベッドの上に全て広げて、パッキングと片付けを同時に進めていく。
出発まであと2時間程度、パッキングを一通り終えて、リビングのソファにお土産やベディング、着替えや仕事道具をまとめておいた。
キムチのお好み焼きを冷凍保存用に包みながらつまみ食いをした。
飲み残していたコンブチャも道中飲みたいから持っていこう、なんて考えながら。
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Yui Horiuchi
東京を拠点に活動するアーティスト。幼少期をワシントンD.C.で過ごし、現在は雑誌のイラストや大型作品まで幅広く手掛ける。2015年に発表した「FROM BEHIND」は代表作。自然の中にある女性の後ろ姿を水彩画で描いた。自然に存在する美や豊かな色彩を主題にする彼女の作品は海外でも評価されている。