
Vive les vacances ! ~Time to spare Heart to spare~ #18
Drunk night in Marseille
Contributed by Mizuki
Trip / 2023.04.19
バカンスを生きがいにし、「暮らし」や「人生」に豊かさを求めるフランス人の生活を表す言葉。そんなフランスに留学中の大学生Mizukiさんが、現地から仕事やお金に執着せず、日々の生活をどう楽しむか、豊かな暮らしを送るヒントをシェア。
#18
マルセイユ2日目。
旅行中の滞在先は中心街から歩いて10分くらいのエアビ(Airbnb)で、完璧のロケーションだった。でも、部屋の中はというと、色々ツッコミどころが…。水道水の勢いが強すぎてシンクに水が溢れてしまったり、シャワーの取手が壊れていたり。また、鍵が古いのかトイレの鍵を閉めると、中から友達がしばらく出て来られなくなったという恐ろしいエピソードも。
でも「これもなんかフランス?マルセイユ?っぽいよね!」と言って、みんなで笑い合った。(フランスは古いものを大切にする文化だから、余程のことがない限りそのままでok!そのワイルドさがまたマルセイユっぽい。)
旅の初めから小さなハプニングの連続だが、それもなんか「旅行」らしい。
朝は早速街に出て Petite-déjeuner(朝食)を食べに行った。

クレープ +ショコラショ(ココア)+フレッシュジュース
朝食の後は市内観光。

Vieux Port
マルセイユに来て欠かせないのが Vieux Port (旧港) 。マルセイユ観光の中心地で、船がずらりと並ぶ港の景色が広がっている。そして、高台に見えるのが マルセイユを象徴する La Basillique Notre Dame de la Garde(ノートルダム寺院)。教会からはマルセイユの景色を一望することができる。

ノートルダム寺院からの景色

街の色に合わせてみんなで水色コーデ!
次に訪れたのが Le Panier(ル・パニエ)。「アート地区」とも呼ばれ、中でもストリートアートが有名でカラフルな街並みが特徴。高校時代、友達とそこまで写真を撮りに行ったのを覚えている。

街のあちこちにあるストリートアート

パニエで見つけた素敵な古着屋さん

アートを楽しんだ後は、港町マルセイユならではのシーフドを堪能。

ムール貝フリット
バケツいっぱいに入ったムール貝をひたすら食べるのがフランス流。

レストランのテラスからの景色
その時ある友達からメッセージが届いた。
「Mizuki 今マルセイユなの?!」と。
彼女は留学先の高校で仲の良かった友達。SNSで私がマルセイユにいることを知り、連絡してきてくれたのだ。夜はお互い特別な予定がなかったので、メロディーとレアも連れて彼女に会いに行くことにした。

ブロンドヘアーが素敵なシリエル。
約4年ぶりの再会だった。コロナ禍でしばらくフランスには帰れず、連絡も頻繁には出来ていなかったが、またこのような形で高校時代の旧友と再会することが出来た。
話をしていくと、私がいた高校時代の思い出は鮮明に覚えていると言ってくれた。もちろん私にとっては忘れようのない一年だったが、彼女にとっても記憶に残る一年だったと思うと感慨深い。共通の友達の話をしたり、「あの時〜だったよね」と、高校時代の思い出を一緒に振り返った。4年前に教えた日本語も完璧に覚えていた!
その後彼女は、マルセイユの学生内で人気だと言われているバーに連れて行ってくれた。普通のバーとは違って、クラブミュージックが流れていて、バー兼ダンスクラブのような場所。座ってお酒を楽しむのもよし、音楽を楽しんだり踊るのもよし、というようなコンセプトのバー。
その賑やかな雰囲気と音楽でつい調子に乗ってしまった私たちは、なんとバケツのような容器に入った大量のモヒートを注文し、それをみんなでシェアした。(一番お得だったの…)
想像はつくだろうが、案の定みんなDRUNK。
なんとか宿泊先には戻ることができたが、ここである事件が。
アパートに着いて、真っ先にトイレに向かったメロディーが中から出られなくなったのだ。
デジャブなシチュエーション。トイレに閉め出し。今朝レアにも同じことが起きた。「もう中から鍵をかけるのはやめよう!」と皆で決めていたのだが、酔っていた彼女はそんなことは完全に忘れていた。
外からどうすることもできないレアと私は「Try again!」とドアの前で叫ぶ。
でもメロディーは「I can not!」と。
しばらくこれが続いたのだが、ついにメロディーが返事をしなくなった。
心配になった私たちは「Mel? Mel?」何度も彼女を呼んだ。それでも応答がない。
レアと私はパニック。酔っている場合ではなかった。
「万が一のことがあったらどうしよう」と、私たちは消防を呼ぶことにした。
フランスで消防を呼ぶ場合は112。でもそれが確かでなかった私たちは、焦りながらもすぐにインターネットで番号を確認し、消防を呼んだ。カタコトのフランス語で。
少しすると、消防士6人くらいが眠そうな顔をして部屋の前に立っていた。(夜中の二時くらいだった)
彼らをトイレの前まで連れて行くと彼らは「Madame! madame! (マダム) 」とドアを叩いた。
すると「Oui(はい)」と返事が聞こえた。
彼女は無事だった!!!
でも問題は鍵。
声を上げながら鍵を回すように指示する消防士。(ドアをブチ破る以外、外からできるのはそれだけ)
そしてしばらくすると「カチャッ」と音がした。
その瞬間、消防士たちは声を上げるのをやめ、部屋が一気に静まり返った。
すると、消防沙汰になっていたことを知らなかった彼女は、気まずそうな顔をして出てきた。
彼女が無事なことを確認すると、消防士たちは帰っていった。
その後直ぐに3人でハグをした。「本当に無事で良かった!」と。
そしてもう鍵は閉めないことを約束した。あと、バケツのモヒートも。(あの日以降モヒートは飲んでいない。いや、もう飲めないというのが正直なところ。)
初めて消防を呼んだ日。しかもフランスで。(日本でもしたことがなかった)
でも本当に無事で良かった。
明日は旅行の最終日。何事もありませんように。
À bientôt!
続く
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Mizuki
東京の大学に通う21歳。純ジャパフレンチガール。生まれも育ちも日本、フランス語経験もゼロだったが、16歳でフランスへ留学。大学生となった今、再びフランスに留学中。慌ただしい日本の生活とは異なり、時間がゆったり流れる「バカンス大国」=フランスならではのライフスタイル、人生の楽しみ方、について留学体験と共に発信中。趣味は食べること、ダンス、ボクササイズ、ワイン(詳しくなりたい)。









































































































































