神戸紀行

Peep inside head #9

神戸紀行

Contributed by Haruka

Trip / 2023.05.02

父からもらった相棒のコンパクトカメラと共に日々を送る、東京都在住のHaruka Yamageさん。彼女自身が100個の目標を1つずつ着実に、コツコツと成し遂げていく過程を綴る。

#9

恐らくわたしの人生最大の敵、それは飛行機に乗ること…。
小さい頃に見た飛行機事故のドキュメンタリーがあまりにも衝撃的で、一生飛行機に乗らずに生きていこうと心に誓っていた。でも、飛行機に乗らずに行動できる世界はあまりにも狭くて、いつかは克服しなければならない敵だった。せっかく乗るならばとびっきり楽しみな目的を作ろうと思い、今回の旅の目的地は大好きな街、神戸に決めた。

出発日の1ヶ月くらい前から私の検索履歴は、「飛行機事故 確率」「飛行機事故 起こったらどうする」「飛行機 怖い」と、とにかくネガティブなワードで埋め尽くされていた(笑)
しかし、実際に乗ってみると驚くほどあっけなくて、この10年余りわたしは何に恐れていたんだろうと呆れてしまうほどだった。



そんなこんなで、わたしは人生最大の敵を克服して神戸に到着した。日本に着いたらお出汁の匂い、韓国に着いたらニンニクの匂い、中国に着いたら八角の匂い…。その土地特有の匂いがするというのはよく耳にする話だったのでワクワクしていたのだけど、残念なことに神戸の匂いはなかった。でも、もしあるとするのなら「パンの匂いがするはず!」というほど、神戸には美味しいパン屋さんがたくさんある。今回の旅の一番の目的は美味しいパンを食べること。空港に着いたその足で向かったのは、フロインドリーブというパン屋さんだ。



三ノ宮駅から山の方へずーっと歩いた場所にある、教会の建物がそのままレストランになったお店だ。中に入るとステンドグラスがすごく綺麗で落ち着いた雰囲気。わたしの勝手なイメージなのだが、神戸の人々にはとても落ち着いた時間が流れていて、おっとりしている。それも相まってか、厳かな印象とはまた一味違う、神戸の穏やかな雰囲気で満ちていた。
サンドイッチがとても評判のお店で、わたしたちは本日のおすすめのペッパーチキンとベジタブルチェダーをシェアすることにした。一口食べると、それがもう衝撃的な程に美味しいのだ。サンドイッチの概念が変わるほどに! 買うために行列ができるのも納得がいく美味しいパンにこれでもかというほど具材が挟まれている。神戸を訪れた際は是非このサンドイッチを楽しんで欲しい!

2日目のお昼は、神戸といったらなんといっても洋食だろうということになり、またしても三ノ宮に向かった。三ノ宮には古くから続く洋食屋さんや喫茶店が沢山あり、楽しみが尽きない街なのだ。その中でも、今回は「欧風料理もん」に行くことに決めた。「欧風料理もん」は生田神社に程近い現代的な通りにぽつんと現れる古い扉のお店。とにかく雰囲気に驚くと聞いていたのだが、想像を遥かに超えた。まるでタイムスリップしたような雰囲気なのだ!床も階段も壁も椅子も…。全てが温かい木で出来ていて、とても温かい空間だった。





色々な洋食があるのだが、その中でもお店の女将さん一押しのとんかつ定食を頼んだ。一枚のとんかつが切ってあるパターンが一般的だが、ここのとんかつは一口サイズが一つ一つ揚げてあるタイプだった。「衣サクサク中ジューシー」というよくあるキャッチコピーがぴったりなとんかつだった。ほんのりカレーのような風味と酸味のある野菜の付け合わせがなんとも絶妙で、ぺろりと完食してしまった。神戸を訪れたら毎回行こうと決めた!


続く!



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