Travelling is my Life #3
怒涛のインド旅での脱出
Contributed by Asuka Naka
Trip / 2023.04.26
#3
インド二日目はペアで首都のデリーを観光した。前日の夜、おみくじでワクワクしながらペアを決め、次の日はそれぞれ好きなようにデリーの街へと繰り出した。私のバディは数個年上、大学生のハイテンションお兄さんだった。当時高校生で根暗だった私はそのテンションについていけるか不安だった。しかし結果はそのテンションに助けられた。
朝、バディと待ち合わせをして、とりあえず換金が必要な私は道端に立つインド人にどこでインドルピーに換金できるか聞くことにした。そして旅行会社のようなところへ連れて行かれ、無事換金はできたものの、よくわからないままトゥクトゥクにバディと乗せられていた。どうやら私たちの観光案内を引き受けたいらしい。そして連れて行かれたところはまた違う旅行会社。私たちは換金をしたかっただけなのだが、どこだかわからないところに来てしまった。これがインド旅。とにかくここを出ようとなんとか意思疎通をして、その旅行会社からは脱出することができた。そして私たちは適当に観光できそうなところを巡った。私のバディは地球の歩き方を暗記してきていたのでとりあえず指示に従って鉄道やらトゥクトゥクやら、いろんな乗り物を駆使しデリーを駆け巡った。たまたま行った名前もわからないようなところがとっても綺麗な建物だったり、逆に有名そうなところの建物がよくわからなかったりと、とにかく楽しかった。
しかし私にとって一番楽しかったのはアイドル気分になれたことだ。外国人があまり街中にいないからなのか、気づけば大人数で周りを囲まれていた。最初は「財布や貴重品などを盗まれるのでは?」とドキドキしていたが、どうやら純粋にもの珍しいから写真が撮りたいらしい。そしてデリー観光は気がつけば撮影会へと変わっていった。いくら撮っても次々と人が並んでくるので、バディがなんとか手を引っ張ってくれて逃げ出すことができた。少しでも立ち止まるとすぐに人が集まってきて写真会になってしまうので、なるべく早歩きでどこでもないどこかへ向かった。知らない街で人気者になれるのは悪い気はしないが、彼らの目に私がどう映っていたのだろうといまだに疑問に思う。
歩き続けると、商店街のようなお店が立ち並ぶ、人がごった返した通りに出てきた。さすが人口の多いインドの首都デリー。インド人にすぐに埋もれてしまう。歩くのに必死でどんなお店が立ち並んでいたのかまでは記憶していないが、山のように積もった靴がレジャーシートに置かれていた光景は覚えている。多くのインド人はきっとこの山から靴を買って履いているんだろうか。ショッピングモールで買い物をするのも好きだが、私も自分のサイズがあるならば、その山から自分の履きたい靴を探してみたいなんて思ったりもした。
私はやっとの思いで入った布屋さんで象柄のスカーフを買った。やはりそこでしか手に入らないようなものを買うのはドキドキする。ハイブランドや流行にのったデザインのものを買うのも達成感はあるが、私はやはりユニーク性が高いものに魅力を感じる。自分の個性を表現してくれるものに出会った時に買うのが私流ショッピング。だからこのような商店街などは何か自分のために作られたものが潜んでいるのではないかととてもワクワクする。
観光や買い物が一通り終わって、夜はみんなで集まってレストラン。その日その日にみんなで振り返って話し込んだからこそきっと今もこうして3年前の出来事を綴ることができているのだろう。
毎日がサプライズだらけのインド旅はまだまだ続く。
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Asuka Naka
湘南出身、イギリス在住。アメリカ高校留学を経験し、イギリスの大学に進学。高校生から旅人デビュー。現在はヨーロッパを拠点に旅する真面目大学生。海外生活、旅をトピックにシェア。