Cave Junction

Couch Surfing Club -西海岸ロードトリップ編- #42

Cave Junction

Contributed by Yui Horiuchi

Trip / 2023.05.18

海外へ何度行ったって、旅慣れなんてない。旅で出会う全ての人にフランクに接し、トラブルだって味方につける。着飾らず等身大で、自分のペースで旅を楽しむアーティストYui Horiuchiさんが、サンフランシスコからポートランドまでの旅の記録。

#42

デルノルト郡のカラマスで友人が子供のころによく遊びにきたというTREES OF MYSTERYを通り過ぎる。
入り口では巨大な彫像が子供たちを待ち受けていて、巨人はしゃべることもできるらしい。
モニターとマイクが繋がっていて、来場者を楽しませているようだ。
写真の巨人がPaul Bunyan、その隣がBlue Ox。



クレセントシティーで海岸線に別れを告げ、内陸部のルート199へ。
いよいよオレゴン州へ入境だ。
カラマス山脈沿いを北上していく。



途中、お昼ごはんの時間になりミートショップに立ち寄った。
古い探鉱の残る街でその名もCave Junctionと呼ばれている街だ。
現在も探鉱の跡地は鍾乳洞になり観光スポットになっているらしい。
お店の隣の建物には洞窟の歴史が伝わる壁画が描かれていた。



ミートショップと聞いて、街のお肉屋さんを想像していたのでびっくりした。
なぜならそこはまるで巨大な倉庫、車の工場とか、それくらいの外観だったからだ。
養豚場や畜産業が盛んな国にいるんだから、お肉屋さんももちろんあるわけだけど、あまりの規模の違いに驚いてしまった。
自分のキャパシティや潜在的に感じている価値観をアメリカに来ると今でも容易に打ち壊されることがある。
特に人混みを抜けた市街地にくるとそういう規格違いの景色にでくわすことが多いようにも思う。

倉庫の一階はスーパーよりは大きいだろう、ズラーっと並ぶ肉だけのショーケース。
敷地をめいっぱい使ってありとあらゆる肉製品を扱っていた。
塊肉はもちろん、ソーセージ、ハム、できたてのサラミなど、肉の市場と言った方がイメージがしやすいかもしれない。
どうやらお店のスペシャリティは燻製肉らしい。

食堂も併設されていて、パティオや店内のイートインスペースも賑わっていた。
毎週金曜にはライブも開催されているという。

「今はあんまり食べすぎたくないかな」

夕飯を友人の地元街で有名なピザ屋に行くと決めていたので、今はお腹いっぱいにはなりたくないという。
軽く済ませられそうな軽食を見繕う。



サラミを3種類、ケトルチップス、コカコーラを買った。
出来立てのサラミは、ハラペーニョチェダー、ハムチーズ、ドライテリヤキ。
どれも味が想像できそうで、なかなかできない。
ルート199に戻り、車内で

「どのサラミから食べようか、ハラペーニョ辛すぎるかな」
「じゃハラペーニョ先に食べるから他の二種類食べてみてよ」
「わかった、でもハムとテリヤキも迷うね、一番スタンダードっぽいのにしてみようかな」

サラミは食べたことあったけど、お店で吊られているものを計り売りしてもらったのは初めだ。
新鮮そうなのは見た目ももちろん、持ってしっとりやわやかいことに気がついて、食べる前に思わず写真を撮った。



人生で一番美味しいサラミだったのは間違いない、普段なら少量で満足しそうなものなのに、気がついたら4本目を食べ終えていた。


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