The Long Winding Road

Couch Surfing Club -西海岸ロードトリップ編- #43

The Long Winding Road

Contributed by Yui Horiuchi

Trip / 2023.05.25

海外へ何度行ったって、旅慣れなんてない。旅で出会う全ての人にフランクに接し、トラブルだって味方につける。着飾らず等身大で、自分のペースで旅を楽しむアーティストYui Horiuchiさんが、サンフランシスコからポートランドまでの旅の記録。

#43

曲がりくねった山道を抜けて広大な平野が視界に広がってくる。
オレゴン州、ローズバーグを通過中だ。



遠くにDiamond Lakeの標識が見えて友人がBeatlesのLucy in the sky with diamondをBGMにチョイス。
「Lucy in the sky with diamond!」と大合唱しながらその標識も通過した。



次の町はユージーン、わたしの従兄弟家族も一時期住んでいた街だ。
昔一度訪れたことがあったので、通過しがてら街の様子を垣間見るのを楽しみにしていたのだが、次の一時中継地のコーバリスまで車に乗っている間、気持ちよく眠りこけてしまっていた。

カリフォルニアに戻る時にはちゃんと起きていたい。



コーバリスに到着、友人の実家にてポートランドへの行き帰りに途中滞在の予定だ。
地元で有名なピザ屋、American Dream Pizzaは外せないらしい、今夜食べに行こう。
旅の疲れもたまっているので、寄り道せずに友人宅へ直行した。
おうちに到着、写真では見ていたけどここでもまた想像以上の大きな家に驚いてしまった。
車を車道に止め、荷下ろししている間に向かいのお庭では鹿が2頭散策中。
そんな中、お家の家主のおじさんはカンナビスの鉢植えを玄関先にリプラント中で

「やあ、久しぶりだね、今回はどれくらい滞在していくの?」

などと友人と話していた。

一通り荷物を部屋に運んだところで家のツアーをしてくれた。
5ベッドルーム、屋根裏と地下室があり、ワインセラーやパティオ、家とは思えないお店のようなキッチンはダイニングやリビングルームより大きかった。
もともとデフォルトで大きいアメリカのオーブンが一台でも大きいのに二台も備え付けてあり、駐車場にはエクストラの冷蔵庫が二台あった。

地下でわたしが滞在予定のゲストルームに案内してもらい、腰の位置より高いベッドに一旦着替えなどを置いて裏庭に案内してもらう。
ここに来ても、また驚かされてしまった。

友人の実家のあるエリアは街の中でもいわゆる普通の住宅地だが、40年以上住んでいる間にご両親が少しずつ手を加え、定年退職をした10年ほど前から徐々にお家をアップグレードしていったらしい。
裏庭には10人くらい入れるジャグジーやホームジムがあり、その先にわたしにとっては夢のような景色が広がっていた。



納谷に立ち寄り剪定鋏を取り出し、まず左手にりんごの木とプルーンの木。
導線に従って棚田状の裏庭を下っていくと右手に小さいけれど十分すぎるパンプキンパッチがあった。
数段のステップを降りたところ一面にチェリートマト、赤、オレンジ、黄色など色とりどりの大きなトマト、大きく育ったズッキーニ、アーティチョーク、いちご、ラズベリー、アスパラガス、いちじく、マメ科の植物に洋梨の木、ハーブやペッパーの数々、家庭菜園と呼ぶには立派すぎる景色が広がっていた。



これでも十分過ぎるのに、さらに温室があり、最終的にはバスケットボールのフープが設置されたスペースまであった。
庭いじりのレベルを超えていた裏庭では友人の姪っ子や甥っ子が楽しく遊んでる様子を容易に想像できた。
わたしもこんな夢のようなお家に訪れただけで興奮するのだから、滞在ともなればさらにエキサイトしてしまった。

裏庭を散策しながら食べ頃の野菜を見て『明日何食べようかな』なんて考えてしまう。


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