小さな日常の出来事

Flohmarkt am Wochenende!! #6

小さな日常の出来事

Photo & Text: Kyogo Hidaka

Trip / 2023.05.15

日本から飛び出したくて2週間後に行くと決めたドイツ・ベルリンの街。肌で感じた現地の“mood”、そこには自分が知らずに求めていた“余白と自由”があった。フォトグラファー・Kyogo Hidakaさんが今でも大切に持ち続けている、あの頃の色褪せない記憶たち。

#6


洗濯機の上にはいつも本が置いてある。
定期的に本の種類は変わっていて、どれも少し湿気で湿って、うねっている。



風呂とトイレと洗面台、洗濯機がある場所は同じ一部屋になっていて、同居人がたまに籠っていることがある。風呂に入りながら洗濯を回し、用を足しながら洗濯が終わるまで読書をする、順番は中を見たことがないのでわからないが、休日の自分時間の過ごし方として心も身体も綺麗になって心地が良い気持ちはわからなくもない。



それらが部屋の中で行われていることを想像すると、自分がトイレに行きたくてもなかなかノックができず特に引っ越した当初はそのまま出かけて外で済ますことがよくあった。





僕の目の前に日本猿がいる。
珍しくけっこう長い時間立ち止まって見ている。ちなみに日本でも動物園には行ったことはあるが、そんなにじっくり1つの檻に釘付けになったことはない。



その日はベルリン動物園に来ていた。ドイツ初の動物園で世界最大級らしく、園内はかなり広く様々な動物に出会えた。そこで見たどの動物もドイツで育ったからか、顔つきも体格も日本で見た動物とは違った。トラやライオンの肉食獣、シマウマやゾウやキリンの草食獣も違って見えた。彼らも“ドイツ人”なのだと感じたのを覚えている。



猿のエリアには日本猿もいて、彼らからはどこか懐かしさを感じ、互いにゆっくり、じっくり、見つめ合った。





REWE, EDEKA, ALDI ベルリンにあるスーパーマーケットたち。
どのスーパーのロゴも色味や配色がポップで好きだ。



あの頃、外食は頻繁に行くことができなかったので自炊は基本になっていた。家にいる時はほぼ毎朝サンドイッチを作って食べていて、中の具材を買い出しのときにいつも少しアレンジするのが楽しみだった。



向こうで買うジャガイモは驚くほど安い。大量に入っている。一度買ったら1ヶ月くらい保った。チーズの種類も豊富だ。厚めにスライスされたチーズが何枚も重なってパックに入れられていて好きだった。当時のことがきっかけで今もよくサンドイッチを作っている。










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