Don’t Think, Just Try! ~Natural wine~

Vive les vacances ! ~Time to spare Heart to spare~ #20

Don’t Think, Just Try! ~Natural wine~

Contributed by Mizuki

Trip / 2023.05.10

Vive les vacation!=“バカンス万歳!”
バカンスを生きがいにし、「暮らし」や「人生」に豊かさを求めるフランス人の生活を表す言葉。そんなフランスに留学中の大学生Mizukiさんが、現地から仕事やお金に執着せず、日々の生活をどう楽しむか、豊かな暮らしを送るヒントをシェア。


#20


私は最近あるものに没頭している!

それは Vin naturel(ヴァンナチュレル=ナチュラルワイン)。日本語では「自然派ワイン」とも訳される。

プロではないので「ナチュラルワインって何?」と聞かれてもそれを完全に定義することは出来ない。でも私が知っている範囲では、オーガニックフードと同じように、有機栽培されたブドウを使って、化学肥料や薬品なども一切使わずに醸造されるワインのこと。

実はフランスに来る前からナチュラルワインには目をつけていて、日本でも何度か試したことがあった。でも、ラベルがかわいい、軽くて飲みやすい、たくさん飲んでも次の日頭が痛くならないとか、そんな理由で。興味があると言っても、お酒を飲める歳になってまだ2年ほど。だから正直ナチュラルか否に関わらず、ワインの知識は全くないと言っても過言ではない。

また、学生でワイン初心者の私にとっては「ワイン」は高級で、敷居の高さみたいなものを感じてしまう。だからそれを学ぶこと自体のハードルの高ささえも感じてしまう。例えば、レストランでワインを注文したり、ワインショップに行く時は、何となく気が張ってしまう自分がいる。

でもそれを覆してくれたのが Natural wine day。大まかには、プロのセレクトしたナチュラルワインをテイスティングできるイベントで、リヨン市内のワインショップやバーなどを含める9店舗が参加していた。たったの1ユーロ(入場料)払えば、自由にワインを試飲することができて、用意されていたのはもちろん「自然派ワイン」のみ。

どうしてこのイベントを知ったか?
イベント前日の夜、何故かなかなか眠りにつけなかった私は、Instagram をひたすらスクローリングしていた。その時たまたま目に止まったのがそのイベントの広告で、一日限りの開催と記載してあった。面白いことに、つい最近「ナチュラルワイン」についての雑誌を読み終えたばかりだった。またイベント会場も私が普段通っているジムの近くでなんだか運命を感じた。「これは行くしかないな!」と。

まず会場の入り口で試飲用の小さなグラスを受け取る。そしてそのグラスを片手に
会場を動き回りながら興味のあるワインをテイスティングするスタイル。小さなブースに別れたショップが並んでいて、各ブース約4〜5本、セレクトされた「自然派ワイン」が並べられていた。

「ワイン」と言えばスーツを身に纏って正装したギャルソン(ウェイター)がサーブするイメージだが、このイベントではジーンズなど、皆カジュアルな格好をしていた。また、それぞれブースには別れていたものの、店を超えてスタッフ同士でもワインを楽しんでいる姿がとても印象的だった。




会場の雰囲気


言葉で説明するのは難しいが、その雰囲気を表現するのなら Chill(チル)?? が当てはまるかもしれない。いい意味ラフ、そしてリラックスした雰囲気が漂っていて、あまりワインが詳しくない私でさえも入って行きやすかった。ナチュラルワインを取り扱っているだけあって、働いている人からもその人達の「ナチュラルさ」のようなものを感じた。

この日はそんな「ナチュラルワインコミュニティー」の一員になった気分でワインのテイスティングをさせてもらった。


ラベルのデザインに惹かれて一番最初に訪れたブース。






このように様々な種類のワインをテイスティングすることができた。多分20種類以上のワインを試した!(笑)

素人的なコメントになってしまうが、とにかくどのワインも軽くて飲みやすいのが印象的だった。喉を軽くスッと通っていく感じ。

味はもちろんだが、ナチュラルワインにパッションを持った人たちと会話をしながら試飲する、そんなスタイルがとても新鮮で楽しかった。産地や醸造法など、それぞれのワインの特徴をわかりやすく説明してくれた。

あるブースで接客してくれたスタッフとの会話が特に印象に残っている。見た目からして私と同じくらいの年代の若い男性で、「ウチの店には来たことある?」みたいな感じで最初からフレンドリーに話しかけて来てくれた。そんな話しやすい雰囲気もあって、自分はワインを飲み始めたばかりのビギナーで、まだワインには詳しくないと正直に伝えてみた。すると、「そんなのは当たり前だよ!最初は自分もそうだった」と言ってくれた。また、勉強するというより、まず実際に飲んでみる。そして自分のテイストやお気に入りを見つける。それがナチュラルワインを知るための近道だということも教えてくれた。「まずは自分のお気に入りを見つけてみな!」と。

ナチュラルワインは同じ品種のブドウを使っていても「生産者」によって味が全く異なると聞いたことがある。「ナチュラルワイン」と呼ばれることもあり、従来の伝統的な方法ではなく、自由な発想でワイン造りをしている生産者が多い。その結果、ワインのテイストも十人十色になる。だからまずは飲んで試すしかない。

そう聞くと、ワインに精通するまでは長い道のりな気がしてしまう。でも彼が言っていたように、まずは自分の「お気に入り」を見つけることから始めたい。

早速だったが、このイベントを通して3つの「お気に入り」を見つけた。どうしても忘れたくない味だったので3本とも購入してしまった。


特に珍しいのが一番左の「オレンジワイン」


ワインの種類は様々で一概には言えないが、ナチュラルワインは比較的リーズナブルな価格で手に入ると思う。少なくともこのイベントでセレクトされていたワインは一本10〜15ユーロが平均で、それもプロの選ぶいいワイン。金銭的にも親しみやすいのがナチュラルワインのいいところだと思う。

留学中に開けてしまうか、これらワインと一緒に帰国するかは迷うが、どちらにしろ素敵な思い出、又はお土産になること間違いなし。



一癖あるラベルデザインもナチュラルワインならでは。自由で遊び心のあるデザインが魅力的。ワインを飲み干した後はあえてボトルを取っておいて「インテリア」の一部として楽しむのもいいかもしれない?

自分の直感とか、気分とか、アート的センスとか。何よりも楽しむことが「ナチュラルワイン」を選ぶ、知る上で大切なのかな。深く考えるよりも。

そんなことを思わせてくれたイベントだった。


À bientôt!



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