やるか やられるか

Everybody has a gift #1

やるか やられるか

Contributed by ERI

Trip / 2023.05.26

『人生は、ひとまず、一度きりらしい。』
アーティストERIが、現状を脱却するために訪れたアメリカの地。ノープランで過ごした1.5ヶ月間の1人旅の様子をお届け。そこで見つけた答え「Everybody has a gift」、自分自身にも、自分の興味にも正直でいていいんだ!!



さて。今回のテーマ やるか やられるか


アメリカに3年ぶりに来た私は、すっかりドキドキしていた。
コロナが噂され始めた2020年の2月。
まさかそれが最後の海外旅行になるとは思わなかった。

3年って長い。人も成長して感性も変化するくらいの期間なのだ。
そんな中で私はこの3年間でいろいろな仕事をした。
みんなの目に止まるような広告の仕事もさせてもらった。
これでいいんだと感じていた。
でも、2020年夏頃から、ふと気づいた。

私、今楽しい?

絵が仕事のツールになっていない?
もちろんそれは素晴らしいことだ。自分の特技を生かして仕事ができる。
なんて素敵な仕事なんだろう。



でも
情熱がなくなっていた。
生活が単調になっていた。

これで人生が今終わったら、私はこの世界でもっと爆発したかったと地縛霊になってしまいそうだ。
そしたら絵の具に触るのが怖くなって、半年ほど制作ができなくなってしまった。


もういいんではないか?
そろそろ国外に出てもいいよね。
ある日、突然ロサンゼルス行きの飛行機をとった。
しかも変更不可のチケット。
1ヶ月と2週間。
帰りたくても帰れない、修行を自分に課すことにした。


アメリカという国はあいも変わらず自由だった。
前回3年前に訪れたときは、自由な国でいいな!!
という感想で終わってしまったけれど、今回は自由に対する表と裏をみた。

表は、自由な感性で他人からも変に干渉されることなく、努力が称賛される。
裏は、自由な反面、自己責任ということ。

だから、自分の意見に確信を持っていたり、逆に他人のいうことにも柔軟に理解しようとする人によく出会った。

私はアメリカに来る前まで、人見知りが発症してしまっていた。
なんだか、人が怖かったのだ。

自分の絵に対して自信が持てなかったのだ。
というより、自分に自信がなかった。自分に何も武器が無いように感じていた。
絵は私と一心同体だから。

でも、こっちに来てよく学んだ。
多くの人は、自分に自信がある。
よく考えたら当たり前のことだ。
自分が好きで作り出した物に対して自信を持って当たり前だ。
だって、好きはいちばんのエネルギーだから。

ここは、『やるか やられるか』の国。
だったら自分が人を楽しませ驚かせ、やってやる!
やらなかったら行動した人を眺めてやられるだけになる。
多分そんなことも考えてないんだろうな。
楽しい! がきっと根元にあるから。

ただ、サバイバル要素が強めな社会だと感じた。
私はというと、アメリカに来るまでの半年間は、やられっぱなしだった。
自分の"好き"に自信が持てず、周りの人の活躍を眺め、しょぼくれていた。
ここの人たちに気づかせてもらった。
あなたはあなたで素晴らしいということ。
そして、あなたオリジナルの感想を持つことがさらに素晴らしいということ!


仕事道具



滞在中の癒し



オレンジ色が揃った




アーカイブはこちらから
過去の連載はこちらから

Tag

Writer