
Travelling is my Life #6
怒涛のインド旅、史上最高の夜
Contributed by Asuka Naka
Trip / 2023.06.07
#6
ジャイサルメールの醍醐味は砂漠。ということで私たちは砂漠へ向かった。日が暮れる前に2台の車へ乗り込んだ。そして砂漠に着くと、ラクダ使いのインド人に誘導されるがままに、一人一頭のラクダに乗った。


タイでゾウの背中に乗った事はあったが、ラクダは人生初。想像の5倍ほど怖かった。高所恐怖症の私にはとても高く感じた、そしてとても揺れるため体幹が必要で30分ぐらいしたころからは、もう落ちてしまうのではないかというくらいに私の身体は限界を感じていた。なんとかラクダの上で耐え抜いて、1時間くらい経ったところで降ろされた。ラクダの関節はとても柔らかいのか、前足と後ろ足の膝を順番に曲げて座るようだが、上に乗っている身としては恐ろしいほど揺れた。



そんなこんなで今夜の宿泊場所に到着。といってもとくに周りには何もなく、ただ砂漠が広がるのみ。だがその景色に感動した。同じ地球上にいるとは思えないほどに綺麗であった。インド人の同行してくれたガイド3人がラクダに乗り競争して、無邪気に笑いながらこちらへ走ってくる風景をいまだに忘れられない。こんなにも純粋な笑顔をいつぶりに見ただろうか。そして私はいつ誰にこんな笑顔を見せられただろうか、と自分の生き方を考えさせられた。
彼らは日が暮れるにつれて現地ジャイサルメールで作られたと思われる太鼓のような楽器で演奏してくれた。綺麗な景色の広がる中での演奏会は、日々携帯から流れる音楽とは違った感動をくれた。そして旅の終わりに近づいていることもあり、私たちはメンバー同士の第一印象や旅の感想を輪になって話した。きっと同じ日本人であってもインドに来なければ絶対に出会うことのなかったであろう人たち。たったの1週間であっても友達以上に助け合って、思い合ったような気がした。そんな彼らが私に対してかけてくれた言葉にも、数個しか歳年の変わらないはずの彼らの言語力にも、感動して涙を堪えていたことを記憶している。そしてその時私は旅を引率してくれたゆきんこにもっと早く会いたかったと伝えた。彼女と出会っていなければ、3年後である今の私は全くの別人であっただろう。彼女は現在もインドに住んでいて永遠の私の憧れである。
私たちは寝床についた。この夜の寝床は果てしなく広がる星空の下。砂漠に布を敷いて旅メンバーで川の字になって寝た。横になって空を眺めているといくつかの流れ星が見えた。きっとその時の私は何かを必死に願ったと思う。こんなにもはっきり流星を見たのは初めてだったのでとても嬉しくて、目を瞑ってもなかなか眠りにつけなかった。毎日この夜空を見て眠りにつけたなら、どんなに幸せだろうとこの時代に生まれてきたことを無意味にも後悔した。

史上最高の夜は終わり、目が覚めた。異様な腹痛に起こされた。そして私はインドで一番綺麗と言われるトイレ、砂漠のど真ん中で用を足した。それからは何をすることも出来なかった。そういえば、昨日から体調を崩して顔色の悪いメンバーと同じストリートフードを数日前に食べた私。旅の終盤についに来たかと言わんばかりであった。砂漠からの帰路は到底ラクダにまたがることなど出来ない。私たちは激しく揺れる車の荷台に乗ってジャイサルメールの街に戻った。体調不良となった私たちは薬局へ向かった。現地の病気は現地の薬で。それが今でも私の旅のモットーだ。錠剤の薬と水に溶かす粉薬を買った私だが、インドのウイルスは相当に手強く体調万全にはならなかった。そして病人メンバーはインド最終日を寝たきりで過ごすことになった。

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Asuka Naka
湘南出身、イギリス在住。アメリカ高校留学を経験し、イギリスの大学に進学。高校生から旅人デビュー。現在はヨーロッパを拠点に旅する真面目大学生。海外生活、旅をトピックにシェア。











































































