煙越しに見るトルコの街 vol.5

Fillin The Gap

煙越しに見るトルコの街 vol.5

Contributed by Haruki Takakura

Trip / 2023.06.16

学業の終わりと就職の始まり。何者でもない、この「スキマ期間」に経験した旅をHaruki Takakuraさんが綴る連載『Fillin The Gap』。今回からは番外編としてトルコでの旅日記をお届け。いろんな視点から見るトルコの街には面白い発見がたくさん。


世界三大料理



どこもかしこもスモーカー。
それが良くも悪くもトルコの文化である。街の至る所にオレンジのフィルターが散乱している。

店の準備をしながらタバコを吸うおじいさんを観察していると、「あ、吸い終わった。」と思ってもすぐに次の一本に手を伸ばしていた。きっと、吸い終わりと吸い始めがワンセットになっているのだろう。彼の生活をLo-Fi音楽が流れるvlogにでもしようモノなら、永遠と繰り返されるルーティンに沼る人が続出するだろう。

トルコ。それはアジアとヨーロッパの文化が入り乱れるメルティングポットである。

トルコに到着して最初に飛び込んできたのは、レンガ造りの街並みから伝わるヨーロピアンな雰囲気。それから、タクシーやバザールなどで現地の人と触れ合っていくうちに、アジアチックな雰囲気が印象を上塗りしていく。特にバザールでの押し売りにぼったくりなんかは、フレンドリーさも含めて、東南アジアで体験したソレととても似ている。カタコトの日本語で「トモダチプライス!!」なんて言葉を吹っかけてくる。

「イツトモダチニナッテン!」と日本語で返事をするのが、関西人である僕にとってのオチである。もちろんその頃には、彼らは次の客に「ユーアーマイフレンド!」と話しかけている。
ちなみに、僕はしっかりとバザールに寄付をした側の人間である。



そんな文化チャンプルーのトルコ料理は、中華料理とフレンチ料理とともに世界三大料理の一つとされている。

ヨーロッパとアジアの中心に位置するトルコには、世界各地から集まる旅人や商人が立ち寄る交易路の中心として、圧倒的な地理的強みがある。特に「世界各地から珍しいスパイスや材料が集まる」「各地からの商人や旅人へのおもてなしのこだわり」が発達したことが、トルコ料理を発達させた主な理由だと言われている。

たしかに今回の旅でも、ペッパー系のスパイスや様々なハーブを使った香り豊かな料理が印象に残っていたし、やけに豪勢に見えるカラフルな料理も目にしてきた。そういった複雑な味やカラフルな見た目がトルコの三大料理入りをサポートしたのかもしれない。

。。。

いろいろなトルコ料理を食べて思った。
ダントツ美味しかったの、茶一色のケバブなんですけど!!!



この記事を書くにあたって、かなりの量のトルコ料理が三大料理と呼ばれている理由を調べた。記事にも取り入れて、それが僕の体験ともマッチしていたんだ! なんて文章を書きたかった。が、結局後半に差し掛かった所で、ダントツ美味しかった茶一色のケバブが脳みそをジャックした。

もちろん炭火焼きという伝統的な焼き方を守っているとか、多少のスパイスを用いているとかは経験したにせよ、世界三大料理となるほどの理由は実体験の中には見つけられなかった。

世界三大炊き込みごはんが「日本の松茸ご飯」「インドのビリヤニ」「スペインのパエリア」であることを考えると、世界三大系はとりあえず、地理的に中東あたりから一つ、アジアから一つ、ヨーロッパから一つ的なノリで選んだのではないかとも思えてくる。

タダイマ、真面目なリサーチがどこまで役に立ったのかわからないモヤモヤ感に苛まれております。



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