無駄な1日?充実した1日。

To Me, Somewhere in the World #96

無駄な1日?充実した1日。

Contributed by Yoko

Trip / 2023.09.20

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。日本国内の旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#96

道東・釧路から札幌までの移動日。青春18切符で帯広まで行って、帯広からは高速バスで札幌まで行こうと思っていたけれど、直前で、青春18切符でも特急に乗れるワープ区間があることに気づく。それに乗れば、結局一日がかりになってしまうけれどとってもお得……。乗車時間の長さで悩んだけれど、じゃあ、と覚悟を決めて、和商市場で勝手丼を食べてから、10時過ぎの電車で出発した。


前回の旅の残り1回分を使用。


帯広までは海沿いを通る気持ちのよい線路。浦幌や池田、幕別を通り、行きたい場所や行ったことのある場所に思いを馳せる。ここまで約3時間。帯広を1駅だけ過ぎて、柏林台で降りる。割と大きい帯広駅の隣の駅なのに、無人駅でびっくりした。行ってみたかったお店を目指して、バックパックを背負ったまま10分くらいひたすら歩く。この日は9月初旬だったけれど、汗をかく程度には暑かった。


カフェミント。



SLOW living.


セレクトショップのような、小奇麗なお店に到着。雑貨や食品をみていると、喫茶メニューにミントを発見。カフェミントをいただくことにした。お店の一角がお茶を飲めるスペースになっていて、そこで小休止。休みつつ商品のラインナップをあらためて見たけれど、どれもなかなか素敵だった。木彫りの熊もあった。買うか悩んだ。自分用ではなく、推し用に買うかどうかを(木彫りの熊が好きらしい)。


豚丼のぶたはげ。


すぐに引き返して帯広駅へ。駅の豚丼屋でいつものサイズの豚丼を食べる。豚丼は帯広の名物なので有名店がたくさんあるのだが、なんだかんだここの味が好きだ。しかし、札幌近郊の北広島にもあるというオチつきである。何だか勿体無い気持ち。


夕方の新夕張駅。


帯広から新得へ、新得から特急に乗って新夕張へ。この区間は2時間。新夕張では2時間の待ち時間があったので道の駅で何か食べようと思っていたが、想像以上に閑散としていて寂しかった。平日の夕方なのでラインナップも少ない。土日はもっと活気があるのかもしれないが、少し拍子抜け。大人しく駅構内で待つことに。この時点で釧路でも帯広でも新得でも見かけたメンバーが何人かいて、きっと青春18切符仲間なんだろうなと思う。話さずとも変な連帯感が生まれる、謎の時間を過ごす。


1日の締めにAPIAのわかさいもに寄った。


最後は新夕張から札幌まで2時間の旅。千歳を過ぎると新千歳空港から札幌までのルートと完全に同じなので「ああ帰ってきた」という気持ちになる。結局、10時過ぎに釧路を出発して札幌に着いたのは21時前……まあまあハードな移動日だったが、休憩や観光も挟みつつ、青春18切符1日分(約2,400円)で移動できたので満足。誰かから見れば無駄な一日、誰にとっても貴重な一日、私にとっては充実した一日だった。たまの電車旅はいい。


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  • Yoko

    長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。