アメリカンハイスクール登校初日 vol.2

Beginning of my new Life #6

アメリカンハイスクール登校初日 vol.2

Contributed by Asuka Naka

Trip / 2023.11.08

『とにかく旅をするのが好き!』高校生の時に初めて訪れたインドがトラベラーへのきっかけだった。多くの国を旅する好奇心旺盛な彼女だからこそ感じる面白さと発見。出会いと出来事を振り返りながら綴るAsuka Nakaさんの旅日記。

今回からは番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け。



1限目のバンドの授業が始まると先生が授業の説明を始める。どうやら私の想像していた軽音系のバンドではなくオーケストラバンドだったらしい。しかも経験者のみの少しレベルの高いクラス。
オーケストラに使われる楽器は小学生の時、音楽の授業で使ったことのあるパーカッション以外は全くもっての初心者だ。弾ける楽器を一人一人に聞いていく先生。私はギターくらいしか経験者として弾けないと伝えた。すると「じゃあベースギターでも大丈夫だよ!」と普段は例外であろう楽器を承諾してくれた。

まさにアメリカらしい、枠にとらわれない回答が返ってきてとても嬉しかった。すると斜め前に座っていたブロンドヘアに少しピンクの入ったヘアスタイルをする子が「じゃあ私もベースやろうかな」という感じで、私たち2人はオーケストラバンドでベースギターを弾くことになった。そして手を挙げてベースを引き受けてくれたこの子にはとても救われた。初日に「何か困ったことがあれば連絡して!」と連絡先も教えてくれ、私にとってはヒーローであった。

先生が楽譜を配る。初日はできる人だけでの音合わせが始まる。楽譜を読むのは小学生の時に習っていたピアノ以来だ。その時の習いごとが今になって役に立つとは思ってもいなかった。小学生の時の知識を何とか絞り出しながら授業についていくことになった。



今日の1日は長い。二限目の数学の授業へ向かう。校舎内で約2000人の生徒が同時に移動するのは日本の満員電車並みだが、違いといえば少しでもかすったら「my bad」と声をかけてくれること。きっとラッシュ時の電車でもそう一言二言お互いを気遣える言葉を掛け合えたなら、もう少し住みやすくなるのではないかとか思う。

校舎一階の反対側にある教室へやってきた。若い女の先生が担当の20〜25人ほどのクラス。ほとんどの生徒は1〜2個下みたいだ。アメリカでは多くのクラスで学年がミックスされている。一個上の先輩が絶対である日本の学校とはかけ離れているシステムだ。
最初の数学のクラスはとても簡単だった。比率や図形などで、数や図で表されているものは問題なさそうだが、英語でかかれた問題だと数学の専門用語の英単語を多く知らない私は少し苦労した。

ついにランチタイムがやってきた。アメリカの高校のランチタイムといえば、ハイスクールミュージカルのようなものを想像してしまう。そして現実にもそれと同じような形態でみんながカフェテリアに集まりピザなどを買う生徒もいればランチのサンドウィッチなどを持ってくる子もいる。私は前日の夜にホストマザーがご飯を詰めてくれていたので、作ってくれたご飯をいただく。当時はほとんどホストマザーが用意してくれていたけど、たまにサンドウィッチを作り、フルーツと持っていくのが私の定番だった。
問題はどこで誰と食べるか。ウロウロしていると、交換留学生で集まった日にいた韓国人の子がいた。その子は一つ上のホストシスターがいた。その集団に入れてもらうことができ、私は初めてのランチタイムを乗り越えることができた。その集団の多くの子はフィリピンにバックグラウンドがある子だった。同じアメリカ人でも世界中の色んな所からのルーツがあるんだなぁと日本との違いに圧巻された。





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