Everybody has a gift #9
弱虫の回
Contributed by ERI
Trip / 2024.03.08
アーティストERIが、現状を脱却するために訪れたアメリカの地。ノープランで過ごした1,5ヶ月間の1人旅の様子をお届け。そこで見つけた答え「Everybody has a gift」、自分自身にも、自分の興味にも正直でいていいんだ!!
親友のシュンゴ。
そいつは私の大好きなやつ。
いつもふざけてて、サーフィン好き。
かと思えば服装ガッチリ決めて遊びに行ったり、仕事したり。
面白いやつ。
いつも0か100なのだ。
シュンゴとの付き合いは長い。
私が困り果てていたアメリカ修行を救ってくれたのは、シュンゴでした。
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食において、
なかなか自分のマインドとアメリカ独自のものが合わず、
まさかのアメリカに来て痩せてしまった私。
脳みその端っこにいたけど、
修行のために思い出すのをやめていた言葉。
それは。
醤油。
しょうゆ だ
皆さんのキッチンにもあると思います。
新生活が始まって最初に買う調味料って
醤油なんじゃないでしょうか(?)。
今の私は、日本食を何も持ち合わせていない。
そう。
アメリカに来て心が追い込まれすぎて(追い込みすぎて)
ついに母国の味を思い出してしまったのだ。
醤油を一滴舌に垂らしたい・・・。
醤油味のついているものが食べたい・・・。
安心したい。
今までの自分から離れるために、
日本食と距離をとっていたこの数週間。
最初は楽しかった。
久々のピザだったりタコスだったり。
アメリカに住む人のスタンダードな味を体験し、日常を体験していた。
が、問題は、ここでの暮らしに慣れてきた時。
私は基本的に、フレンドリーに見えて、緊張しいだ。
自分でもわかっている(笑)。
信じられないかもしれないが、すごく繊細だ。
これもわかっている。
だが、安心したものが近くに無いと、人より先に心が爆発する。
これは今回でしっかり学んだ。
暮らしには慣れてきた。
でも、慣れはしたけれど、
まだこの国を愛せていない。
愛している環境に身を置きたい私はこの事実に気づいた。
つまりは、まだこの国での生活にかなり緊張している。
ついに限界を迎えようとした時に、再会した人物がいる。
それが冒頭に書いたシュンゴだ。
彼はアメリカに留学に来ている。
約1年ぶりに再会した私たちは、これまでの人生、アメリカでの人生を語り合った。
お互いに相当苦しんでいたようだ。
私は日本で頑張ってみたけど、殻を破るのにはもっと大きな変化を必要として、アメリカに来た。
シュンゴには別の理由があって渡米したのかもしれない。
けどお互いに、一人の時間を作り、
自分の中の自分と会話するために異国に来たことだけはわかる。
そんなシュンゴが私の終わった顔を見て、仲のいい人がいる日本食レストランに連れて行ってくれた。
私は久々の 醤油 に涙を流してしまった。
釜飯だ。。
お出汁だ。。。
一回、救われた。
つづく:)
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ERI
藤沢生まれ、横浜育ち。物心ついた頃には、絵の具で遊んでいた。アーティスト活動のため脱サラ。モノにあふれる現代に疑問を持ち、着飾らない自然体でいるスタイルの美しさを表現している。好きなものは、サーフィンとみかん。