Yo, little Megumi

Alles Gute #12

Yo, little Megumi

Contributed by meg

Trip / 2024.04.08

悩み事が尽きない日々をリスタートするため選んだ街は、ドイツ・ケルン。自分でもまだ分からない「何か」を求めて、ときめく音の鳴る方へ進もう。「もうワクワクすることしかしたくない!」と心に決めたmegさんが綴るドイツ留学日記。

#12


Tiagoと過ごすこの日は、まず美術館からスタート。
月の最初の木曜日は、Köln市内の公立美術館が無料で見られる“Erste Donnerstag”。この日に合わせてワークショップが行われたり、館内にDJブースやBARスペースが特設されたりと、軽い感じで遊びに行けるのがいい。
この日行ったのは「Wallraf Richartz Museum」。



中世の絵画を多く取り扱っている美術館で、クラシックな宗教絵画を見られる他に、モネやゴッホなどの印象派、新印象派の作品も見ることができる美術館で、かなり見応えのある作品が多い。


ベビーカーを押したお母さん2人が展覧室を通っていく。美術館はこれくらいカジュアルでいい。




Tiagoがこの絵画を見ながら、羊がイエスのモチーフであることを教えてくれた。
中央にいる羊がイエスで左が母マリア、右が父聖ヨセフ。羊として描かれたイエスが自分の身体から血を出し、その血をコップに注いでいる。
イエスが十字架にかけられる前は、他の動物達が生贄になって人間の罪を贖っていたらしいんだけど、それは完全に罪を贖うことにはならず、毎年行う必要があったんだって。でもイエスが汚れのない子羊の様な尊い血を捧げたことによって、償いは完全に完了したそうだ。
でもこの子羊がイエスだと思ったらシュールに感じてしまうのは私だけか?

宗教絵画のテーマにポカン? となることが多い私。学校で宗教について学んでいる周りの友達はこのテーマにピンとくるみたいで、特別授業が開講されそれはそれで楽しい。それと同時に日本と他の国の宗教教育の差を感じる……。


イエスの描写をまじまじ見る私。


一番大きいフロアには、大きな祭壇画の前に祈る場所が用意されていた。
Tiagoはそこでひざまずいて、祈る様子を見せてくれる。手を握って祈っていたことが気になって、合わせるのじゃだめなの? と私が聞くと、「手を握っている方が長時間の祈りに耐えられるからね」と返される。理由って意外とシンプルだったりするよね。

ゆっくりと美術館を堪能したら、街の家電屋さんへ。
Tiagoは用事がなくても家電屋さんに行って色々とチェックするのが好きらしい。




ドイツのカーゲーム装置(家用)がいろんな種類があって驚いた。本格的!


カフェに移動してダラダラと世間話。そこでブラジルの保険の話になった。ブラジルの保険は建前では無料で医療サービスを受けられることになっているけど、実際は機能していないらしい。
風邪っぽいな? と思って診察をしてもらおうと公的な病院にいくと平気で3、4時間は待たされて、診察の予約ができるのは4ヶ月、5ヶ月先。亡くなってから予約日の手紙が送られてくるようなこともあるらしい。
だから、貧乏でなければプライベートの保険に入って、私立病院で診察を受けるのがベターなんだって。
ドイツで歯の治療を受けるとなると、虫歯で詰め物をしようとしたら800€くらいとられてしまう。歯の神経治療とかになるともっと高い。そして、虫歯は自己責任という考え方だからか、ドイツ人の歯のお手入れ意識はすごく高いように思う。ホストマザーも電動歯ブラシにフロス、歯医者でしか見たことない口の中に入れる小さい鏡まで持っているし、ドラックストアにいけば数十種類の歯磨き粉やら何やらデンタルケア商品が置かれている。



帰り、お腹が空いたのでスーパーでSchweinemett(生の豚肉)を食べた。塩っ気がきいていて中々いける。ねぎとろみたいな味だ。これが街中のスーパーで1.4€で売られているんだからすごいよね。衛生管理とか大丈夫なのか? とか思いつつ、基本ルールに厳しいのに、変に緩いところがあるのがこの国の面白いところだ。



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