Mis Pato aventuras #4
再会
Contributed by Ayaka Suita
Trip / 2024.04.19
#4
マンションの窓からは、広いメキシコシティの景色が見える。
いつも遠くにある山が見えるときは、空気が綺麗な日。
朝日がシティの街を照らして、街全体が金色に光り輝く。そんな時、facebookのメッセンジャーの通知が来た。
「Lumi(ルミ)」
誰だろう? 見覚えのない名前から1通のメッセージがあった。
メッセージには
「こんにちは! メキシコいつまでいるんですか?」と書いてある。
10年ぶりのメッセージだった。
Lumiという存在がなかなか思い出せないまま、とりあえず「久しぶりー!! ずっといるよ」と返信してみた。
するとすぐにメッセージが返ってきた。
「わたしもメキシコにいるから会おうよ!」
まだ思い出せない(笑)。
「いいよ! 会おう」
メッセージを受け取った日、彼女の写真を見ながら、どこで出逢ったのかをずっと考えていた。
(※真ん中:Lumi)
「あ!分かった!」
私が京都のホテルでアルバイトをしていたとき、何回かシフトが同じでfacebookを交換していた彼女だ。彼女は日本とアルゼンチンのハーフで今はメキシコに移住して13年になるという。
メッセージのやりとりをしてから数週間後、早速カフェで彼女と会うことになった。
なぜか昔からずっと会っていたような不思議な感覚だった。
お互いなぜメキシコにいるのか、今なにをしているのか近況報告をした。
「あやちゃんはこれからメキシコで何をするの?」
私は最近考えていることを話した。
「今はスペイン語が全く話せないから、これから勉強をして、3年後ぐらいにブランドを作りたいんだ。メキシコの民族と、ものづくりをしたり、一緒に商品開発したり。でも今は何から始めたらいいか分からないから、これから情報収集しようと思ってる」
「えー! 面白そうだね!」
私は話しを続けた。
「最近メキシコシティのクリエイターに会って話を聞いているけどオアハカっていう場所が面白いらしいの。インスタグラムでいろいろ調べているんだけど、自然染色で染めたラグって素敵じゃない? ちょっと見に行ってみたいんだ」
すると、Lumiが
「え! 興味ある! 私も行きたい! 仕事のスケジュールを確認して行けるように調整するから、また実際に行くとき教えてよ。私、通訳とか手伝うよ」
私は心の中で喜びのあまり叫んだ。
この瞬間、決まったのだ。オアハカに行くしかない。
これはもう行けということだと確信した。
Lumiと別れてから、スケジュールを確認した。来週から2週間、オアハカに行こう。
(ちなみにメキシコシティ→オアハカまでは飛行機で約1時間半、バスだと8〜10時間)
大学生の時バックパッカーで旅をしていた時に感じた、何が始まるか想像ができないこの感覚。
久しぶりの感覚だった。
泊まる宿や行く場所も決めずに、その日の気分や出逢いに身を任せて進んでいく。
これだ。
この感覚がたまらなく好きで、これから宝探しに行くような気持ちだった。
オアハカには何があるのだろうか。
どんな民族が住んでいるのだろうか。
何を食べて、どんな言葉を話すのだろうか。
オアハカでどんなことが待ち受けているのだろうか。
【つづく】
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Ayaka Suita
1991年生まれ奈良県出身。メキシコオアハカ在住。オアハカ先住民の色彩感覚に魅了され、現在民族とインテリアブランドづくりに奮闘中。先住民が作ったチョコシェイクが大好物。