As I Like It #22
ぬくぬくday
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2024.05.20
#22
ブライトンでは着々と夏が近づいてきている。
そんな気候に合わせて、私たちもビーチに行くことがすっかり多くなった。海の近くで暮らしたことが一度もない私にとっては、夏に海の近くに住めるなんて、これ以上の幸せはない。海が近いからブライトンを選んだ、と言っても過言ではないほど。
もちろん山の緑も大好きだけど、今年は海を全身で感じて楽しみたいな。
そんな私は今日も天気がいいからとビーチへ出かけた。天気があまり良くないイメージのイギリスも、夏は晴れの日が多い。
だからこの季節は自然と外へ出かけたくなる(反対に冬は雨が多くて寒いから引きこもりがち)。
ブライトンといえばの景色。
この日は最高の天気だったからかビーチも大賑わい。水色と白のストライプ柄のビーチチェアでお昼寝する人たち。ビールとピザを片手にお喋りするカップル。カモメに小石を投げつける女の子。わざと日焼けしてビキニの線をつける女の子たち(友達に聞くと線がついているのが自慢になるみたい)。
色んな人を見ているだけで楽しい!
みんな“今”という瞬間を心から味わっているように見えた。
この写真はすぐ近くに座っていたおばあちゃんがとても可愛らしく思わず撮ってしまった写真。
水色の素敵なワンピースを着て、快晴の今日という日に色味までばっちりコーディネートされた姿が、なんとも上品でキュートだった。イギリスでは歳を取ってもお洒落な格好をして楽しんでいる人をよく見かける。そこもイギリスのお気に入りなところ。
ビーチで日光浴を終えて横の通りを歩いていると、顔にぴしゃりと何かが当たった。よく見てみるとシャボン玉があちこちでふわりふわりと風に乗って泳いでいる。太陽に照らされて虹色に輝く大きなシャボン玉はとってもきれい。
大きなシャボン玉が当たったせいか、顔が少しベタついたけどそんなの全く気にならない。
この女性なんてもっとベタついているはずだ
そういえば冬にシャボン玉をしている人は見ないな……と考えながら家に帰った。
ゆっくりと家でNetflixを観ていると、近所に住む友達から「暇してる?」と連絡が来た。
この子にはいつも私が暇していると思われている気がする。だけど「もちろん」と返信する私も私だ。
それからその友達のお家にお邪魔することになって、近いからとすぐに徒歩で向かった。
友達はLGBTの男性とシェアハウスをしていて、その彼がとっても優しい。今日はデートの約束があるらしく、家を留守にしていた。
お家は見てわかる通りのロマンチックっぷり
手入れが行き届いたガーデンは、お花に囲まれていてテラス席も2つほどあった。驚くことに小川のようなものもあって、宮殿にいるかのような気分になる。
友達は「あっ」と言って急いで家の中に何かを取りに行ったかと思うと、レタスを1枚手にして戻ってきた。お庭に2羽いるニワトリにご飯をあげておいて、とシェアメイトに言われていたらしい。
ニワトリにはかわいい名前が付いていたけれど、忘れてしまった。聞くと毎朝卵を産むみたいで、朝もしっかり「コケコッコー」と鳴くんだって。エサをあげている隙に2羽とも檻から出てしまい、2人で庭中を追いかけまわって大変だった。30分近くは格闘したかな?
汗だくになりながら無事に2羽とも捕まえた私たちは近くのスーパーに直行して、アイスクリームとビールを買ってきた。
2人で乾杯してホラー映画を観ることに
もちろんアイスクリームも一緒に
大好きなBEN&JERRYSのアイスをお供にするなんて最高じゃないか。濃厚なバニラアイスの中に大きなクッキーがごろごろと入っている。スプーンを入れると必ずクッキーに当たるくらい、クッキーがいっぱい入っているから本当に好き。
私たちが思っていたよりもホラー映画にびびって、すっかり涼んだ後は清々しい気分で家に帰った。
だからみんな夏にホラーを観るのか。と謎に腑に落ちたのはいいものの、怖くて何度も後ろを振り返る帰り道。
こんな夏の1日もいいなぁ。まだまだ夏を満喫しよう。
つづく。
アーカイブはこちら
Tag
Writer
-
Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。