6年ぶりのタイ

真夏の風を探して #1

6年ぶりのタイ

Contributed by satsuki azuma

Trip / 2024.05.21

「みんな同じ地球にいるはずなのに、自分の知らない世界が存在する」
はじめての食べ物、はじめての当たり前、はじめての現地の人との会話。旅先での“はじめて”は、いつだって私にワクワクを届けてくれる。モデル・俳優としても活躍する東咲月さんが等身大の姿で「旅」の出来事を綴ります。


#1


純度120%の太陽から燦々と注がれる空からの光はジリジリと暑くて、飛行機から出てすぐに“あの日のバンコク”を思い出すことができた。



1回目に訪れた時は6月。雨季だったこともあって突然のスコールが降り注ぎ、その勢いは日本ではお目にかかれないくらい勢いの良いものだったな。

「コップンカー」と、ニコニコ笑顔をみせながら迎え入れてくれるタイのキャビンアテンダントさん。
パスポートのチェックを終えてSIMを入れ替える。

それにしても、お腹が空いた。
ホテルまで、1時間ちょっと時間がかかることに気がついて、空港の電車のホームの手前に店を構えている数店舗の中から、いちばん照明が優しい明るさのお店を選んで腹ごしらえすることにした(やっぱり、ここは本場のトムヤムヌードルでしょ)。

メニュー一覧には、スムージーと日本ではTHE がつくほどの定番タイ料理の名前が並んでいる。

「Can I get a tomyum and strawberry smoothie?!」
ということで、トムヤムヌードルとストロベリーシェイクを頼んだ。



日本で食べるトムヤムヌードルよりも塩味が優しくて、「あー、この味!」まさに6年前に食べた味と同じ。すごく安心する本場タイ料理の味。

ストロベリーシェイクも、今日本でこんな冷たいものを食べたら寒くて仕方ないけど(日本は真冬の2月)、タイにいるから飲めちゃうもんね。
ゆっくりしていたら眠くなってきたので、両替をして電車に乗る。

ちなみに、両替のおすすめ場所はオレンジ色のお店が目印の。両替は日本ではなくてタイに着いてから空港で済ませるのが、おすすめで、ここは手数料が安いことで有名。中心地に向かう電車の入り口に近いから、街中に出る前にまずは空港で両替を終わらせておくことをおすすめする。



知らない土地で、空港からホテルへ向かう際、電車を使用することに抵抗がある人や不安な人もいると思うんだけど
(ちなみに私はタクシー派だった)、早いうちから現地の電車に慣れておくと旅行中の移動が気軽ということに気がついたこともあって、今回はローカルな電車を選んでホテルへ向かった。
ちなみに丸いものは、パスモみたいな感じでタッチして使える交通券。



やっぱり電車を選んで、よかった。これから何日間かタイで過ごしていく中で治安というか、街の雰囲気を知っておきたかったから。タイの田舎町を通り、田んぼや川を横目に、都会に近づく電車。
日本よりもやっぱり太陽の光がよく当たるから、生きている植物も違うし、見えている景色の色の濃さも違うんだよね。

乗り換えを1つしてホテルの最寄り駅に到着する。
ここでもラッキーだったことは、駅からホテルの入り口が直通で重い荷物を運び入れしやすかったこと。
日本では、ホテルの前の入り口が道路や交通が整っているところがほとんどだけど、海外ではホテルの入り口が繁華街の中にあるなんて珍しいことじゃないから、そういう細かいところまで調べておいた方がいいかもしれない。

入口ではホテルのスタッフの方が迎えてくれて「わー」って言ってしまうくらい特にエントランスが綺麗なホテル。



今回の旅では中心地を楽しむためのホテルを2泊分、お寺やローカルな場所を楽しむために3泊分と、別のホテルを取っておいたよ。
部屋に着くと、青い空と白い雲と……って、ビール飲んで「ぷはー!」とやりたくなるような、そんな景色だった(ビール飲めないけど)。



とにかく、とってもお部屋に満足しちゃって、このままここにいたいな、なんて思ったけどウェディングフォトを撮りにタイに来たんだ、ということを考えるとこの浮腫んだ身体のままで明日をむかえることはできない……!とタイ式マッサージを受けにいくことに。

マッサージに行く時におすすめなのは、自分で事前に色々調べてから行くのもいいかもしれないけど、ホテルのフロントの人に近くでおすすめのマッサージ店はありますか? と聞いてみること。現地に長く住んでいる人がよく知っているようなところもあるからね。



ホテルの近くに、日本人にも好評なマッサージ屋さんがあるということで、わたしも早速向かった。
タイのマッサージは、事前に予約をしておくと少し安く施術を受けることができる。

・ネットでの予約
・現地で電話での予約
・当日直接行ってみて予約が空いていたら

という3パターンがあるけど、
上から順番にお得さが変わってきて、予約なしはプラス料金がかかるところもあるから気をつけてね。
でもプラス料金でお金がかかっても、大体50バーツほどのチップ代。そこまで高くも感じないはず

あとで詳しく紹介するけど、一生懸命マッサージしてくれる場所が多い印象だった。初めて行ったマッサージ店は、ホテルから徒歩4〜5分の場所にあって、とっても綺麗な館で、親切な受付の方とマッサージ師の方が受け入れてくれた。そうそう、タイはチップ文化だからチップは忘れずに。

ちなみに、日本にはチップの文化がないから、日本人はチップをくれないって考えるスタッフの方もいるようで、
先に渡しておいてもいいかもしれない。初めてのタイ式マッサージということで、<アーバンリトリート>でバキバキの身体をほぐしてもらった。

マッサージ後は、紅茶を出してくれる。
あと、タイに来てからびっくりしたんだけど、紅茶とかお茶がすべて甘い! 日本の伊藤園のお茶でさえ砂糖が入っているんだから、初めて飲んだ時はびっくりした。
インドのおやつを食べた時も甘かったし、暑い国の食べ物は甘いものが多いのかもね。
Google先生で調べてみたら、暑い国の食べ物や飲み物を口にして、体温を下げるために甘いものはすっごく甘いのだそう。

話がそれたけど、マッサージをしてもらって身体を整えてもらったらすごくお腹が空いちゃったので、ホテルに戻る道中にたくさんの人で賑わっていた飲食店があったことを思い出し、立ち寄ってみることにした。

青白い光とグリーンのテーブルが目印の<スダーレストラン>



日本の食べログにも登録があるくらい観光客の間では有名みたい。
メニュー数も豊富で、どれも安いしどれも魅力的だから迷ったけど、パッタイとカニチャーハンと揚げチキンをオーダー。食堂のような雰囲気も魅力的で、注文して少し待つとカラフルなお皿に盛られた美味しそうな食事を持ってきてくれる。



特に美味しかったのは、この揚げ鳥! 日本でも食べたことはないけどびっくりするくらいカリカリで。揚げ物だけどさっぱりしていて、それもまた食べやすかったな。
あとはカニチャーハンに付け合わせで付いてきたきゅうりもサイズが大きくて、みずみずしく、胃もたれを防いでくれているような気がしたよ。



パッタイも、カニチャーハンも優しい味わいだったんだけど、味変で唐辛子が入ったソースをかけてみるとすっごく辛いパンチのある味になって最高だった。



ホテルに帰ってきて、気がついたら眠っていて次の日の朝を迎える。

そうしたらびっくり! またも、顔が浮腫んでいる。
昨日マッサージしたのに!? ということで、写真を撮る時間まで再び街に出掛けてマッサージを受けにいくことにした。

その名も<ヘルスランド>、世界一覚えやすい名前じゃないかな。
ここはバンコクに数店舗かある、タイでは有名なマッサージ店。タイ式マッサージはもちろん、アーユルヴェーダも受けられて、本格的なマッサージを体験することができる。店内はとってもラグジュアリーな雰囲気で、お客さんも多国籍。

ここではフェイシャルマッサージを受けてきたよ。
終わった後は、オイリーな感じで仕上がるかなって想像していたけど、スベスベでびっくりした。

日本でフェイシャルを受けたことがある人はわかるかもしれないけど、最初にクレンジングをして、角質を柔らかくして汚れを落とし、そこからマッサージをしてくれるという流れ。最後はシルクパウダーのようなものを使ってマットな肌に仕上げてくれるよ。
もうゴム人間になっちゃうくらいタイではマッサージを受けたいなぁ……。

ちなみに、マッサージ中に使っていたものはすべて教えてくれて、ヘルスランドでは「Jurlique」を、愛用しているみたい。日本でも購入できるブランドなので、気になる方はぜひお試しを。

ちなみに、フェイシャルの価格は2時間で1900B(約7600円)。
ホテルからの予約でこの価格。日本で考えたら2時間でこの価格は安いし敏感肌なわたしでも、施術中は問題なく、過ごすことができたよ。

もしお肌が弱い人がいたら、フェイシャルは受けないようにするとか、自分用のタオルを持って行ってなるべくいつも使っているものが肌に触れるよう枕に巻くっていうのがおすすめ。

昨日食べたタイ料理でのむくみと、飛行機疲れしていたお顔とさよならして、ついにウェディングフォトを撮る! と思いながら帰宅している道中、とっても可愛くてロマンティックな雰囲気のケーキ屋さんを発見!! 素通りできないお店の雰囲気。





ずらりと並んだフレンチテイストのケーキたちと、ウェス・アンダーソンの作品を思わせるような店員さんの制服!
タイでこういうケーキ屋さんがあるんだなぁ、と店内の壁に飾られた写真をよーくみてみると「Laduree」のイスパハンを見つける。



おや? ここはもしかして……と考えていると、タイに来る前にバレンタインデーの二人用ケーキをLadureeが発売していたことを思い出したりなんかして。そうか! ここのパティシエはパリのLadureeで修行してバンコクにお店を出したんだ! と思うと感動しちゃった。
Paris Mikkiというタイ出身のMikkiさんのお店だった。9年間、Ladureeで修行して2014年にオープンしたそう。
勝手にMikkiさんの修行している姿を想像しながらケーキを選ぼうとしたけど、どれも美しいし、美味しそうでなかなか選べない。

「早くしないと遅刻するよ」と隣にいる夫の声に、急かされて選んだのがこちら。
ラズベリーのタルトと、ラズベリーとライチのムースのようなケーキ。



ここのケーキ屋さんは、みんなにもぜひ行ってほしいな。
店内のデザインなどにとってもワクワクして、ケーキの味も美味しかったし雰囲気も良くて、わたしも次タイヘ行くことがあったら店内でいただきたいなぁ。
ケーキの価格は250B~390Bくらい(約1000円~)。店内で食事する場合は、お茶も合わせていただけるよ。

いよいよ、写真を撮るために、準備しないと! という時間になって、ケーキを味わいつつ準備。ホテルのフロントの方に写真を撮ってもらう約束があったから、ドレスに着替えてメイクを直して……ってやっていたらあっという間に夕方になっていたよ。





ちなみにこのドレスは、選ぶのに2ヶ月くらいかかった。
ウェディングドレスを借りるっていうアイディアもあったんだけど、結局返しちゃうし大切に着たいから購入しようということでのものを選んで、ヴェールは大きすぎず小さすぎずな理想のものを見つけられなかったのと、レースって通販だとどういう状態かわからないなということで、自分で生地屋に行ってレース生地を購入して作ってみた。



写真に関してはカジュアルにスマホで撮るので十分、と思っていたので、ホテルのフロントの方にチェックインのタイミングでお願いをしてホテル内で撮ってもらったよ。

これで一番の目的だった、ウェディングフォトを撮るっていうミッションは完了!

暑い日差しに包まれたタイ・バンコクにはさまざまな国から来た人が集まっていて、とても刺激的な初日を迎えることができた。

共通することは、どこに行っても、迎えてくれる人が親切なこと。
日本でも、彼らと同じように相手に親切にできているかな、と自分も思い返しながらホテルの部屋の電気を消してベッドに寝転がった。

明日は雨の予報だけど、どうなるかな。





アーカイブはこちら

Tag

Writer