A Spell On You #9
ニースへ。
Contributed by Aya Ueno
Trip / 2024.05.28
#9
ドイツ、フランクフルトから、ニース、パリへの旅。フランクフルト最終日。つむちゃんたちとお別れして、空港へ。程なくして、まりかとなあみんが現れた。なあみんはロンドンに留学中だったから、会うのは約半年ぶり。今回はわたしとまりかのヨーロッパ旅行に合わせて、ドイツへ来てくれたのだ。これから2泊3日のニースを、この3人で過ごす。実はこの3人でのヨーロッパは2度目。2年前、まりかはパリ、わたしはロンドンに留学していて、なあみんが日本から来てくれたのだ。あのバルセロナとロンドンの旅は、わたしの人生でもトップに入るくらい楽しかった!
飛行機にのって、夜中のフランクフルトを見下ろす。キラキラと光る夜景。初めてのドイツ、楽しかった。また来たい場所。また、あと何回も来なくてはいけない。ここに3泊4日いたけど、この国の魅力を、わたしはまだ全然知らないから。1回目だったからというより、つむちゃんたちのことを考えすぎていた(笑)。
そうそう、フロちゃんに夜景の撮り方を教わったのだ。飛行機から見た夜景をカメラに収めた。そしたら……
全然映らなかった。フロちゃんが見たら、「全然だめ」と落ち着いた声で言うはずだ。
でも、なんだかこの写真が気に入った。最近刊行した、初めてのzineにも、この写真の葉書をおまけで付けた。
さて、ニースに着いたらもう夜だ。フランクフルトからニースまで、搭乗時間は2時間足らずだけど、空港まで行って帰路に着くまではなんだかんだ時間がかかるしとっても疲れた。久しぶりの再会だが、おしゃべりもそこそこにして、すぐ寝床につく。
朝が来た。なあみんに頼んで買ってきてもらったイギリスのお菓子をぽりぽり食べながら2人が起きるのを待つ。fingersという名前の、イギリスのチョコレートブランド『Cadbury』のお菓子。細長いクッキーにチョコがコーティングされただけのなんてことのないお菓子なんだけど、素朴で美味しいのだ。どこにでもありそうで意外とない。
今日は、サン・フランソワ広場(旧市街)で行われる、マルシェへ向かう。ここでは毎朝、野菜と果物が並ぶのだけど、月曜日だけ、アンティーク雑貨やアクセサリーが並ぶ蚤の市になる。今日は月曜日、2年前に訪れたとき、ここで可愛い雑貨をたくさん見つけて、しかもその内の一つで今もよくつけている大好きなブレスレットを吟味している時は、傍でモデルの森星ちゃんとも遭遇し、まさにいい思い出しかない。今回も、この予定をとても楽しみにしていた。
2人が起き出して、用意を始める。ニースのホテルは、3人のトランクを開けるともう歩く隙間もないほど狭くて、わたしたちは、窮屈に着替えやお化粧を済ませて、そそくさとホテルを出た。
旧市街まで、ほぼまっすぐ一本道。昨晩までいたフランクフルトと打って変わって、ニースはまだまだ猛暑で焼け付くような日差しが降り注ぐ。つい昨日までは寒くて凍えていたのにと、なんだか騙されたような気持ちになりながら、キャミソールワンピースを着た。
蚤の市に到着。2年前は、欲しいアクセサリーが大量にあって、何時間もぐるぐると回りながら泣く泣く選りすぐった、とっておきのものを買った。そんな思い出もあったので期待した今回の蚤の市、残念ながらあんまりいい出会いがなかった。残念だけど、この市場の魅力はそれだけじゃない。
今回は、森星ちゃんはいないけど、やっぱりこの市場にいる人々は素敵。
あったかいけど風は強いニース。店番をする人たちは、パラソルが倒れないように棒を握りながら接客をする。
ポテトフライを貪りながら、まりかの英語を聞く彼女。
つづく!
#Gloomy day All day
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Aya Ueno
兵庫県神戸出身、東京在住のWriter/Photographer。学生時代に渡ったイギリス留学を機に、人や、取り巻く空間を魅せる表現に興味を持ち、現在Containerをはじめ、カルチャー、フードメディアにて発信中。
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