
As I Like It #24
これまでもこれからも
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2024.06.17
#24
だんだんと"その日"が近づいてきた。
来ないでと思っていたけれど、時間は思っている何倍もの速さで迫ってくる。
実はあと数日で大親友だったダムラの帰国日がやって来る。つまりイギリスでの滞在を終えて、毎日のように一緒にいた私たちは離れ離れになってしまうのだ。
ダムラは夏休みの数ヶ月間だけイギリスにショートステイしていた。初めてダムラが同じクラスにやって来たときから、不思議と打ち解けた私たちは韓国人のユナも含めていつも一緒に過ごしていた。授業でも、お昼ごはんも放課後も。
それなのにもう帰っちゃうだなんて、なんて冷酷なんだろう。私の滞在期間はまだまだ残っているというのに。もうお別れだなんて早すぎる。
ダムラはとても社交的で、いつも外に出るのが大好きだった。せっかくイギリスにいるのに、家でじっとするのは退屈だったみたい。だからダムラが来てからは、毎日のように「どこか出かけない?」と連絡がきた。
それからというものの、家にいるのが好きだった私も自然と外へ出かける回数が多くなり、だんだんとアクティブになっていった。カフェに行ったり、バーでお酒を飲んだり、クラブに行ったり。たまにロンドンや近くの街へも一緒に出かけた。今でも度々ユナと、「ダムラには本当に感謝しているよね」と話すことがある。もともとは家が好きだった私たちはダムラのおかげで色んなところへ出かけられたし、たくさん新しいことを知れたからだ。彼女のおかげでここ数ヶ月のイギリスでの思い出がとっても増えたんだ。
キリがないほど話したガールズトークも印象的だ。ゴシップガールだった彼女はいつも、何か面白いことなかった? と学校中の情報に探りを入れ、新しい情報をゲットすると必ず“I have a gossip today”とニヤニヤしてこっそり教えてくれたのだ。そんなザ・女の子である彼女の一面も大好きだった。
今日はそんな大親友が帰国する前日。みんなで普段通り学校に通って、彼女の卒業を祝った。
そして一緒に食べる最後のご飯。人情深いダムラとの最後のディナーには多くの友人たちが集まった。


いつも通っているイタリアンのお店。人数が多いから、テーブルを3つくらいくっつけて食べた。

超グリーンなパスタを注文。
私が選んだのはほうれん草のパスタ! 誰かが前におすすめしてくれていたのを覚えていて頼んでみたけれど、すごく美味しい。私の中の定番メニューに追加決定だ。
長テーブルでみんなと思い出話に花を咲かせた後、いつものお決まりコース、コンビニでお酒を買ってから隣の公園へと向かう。芝生の上にそのまま座って好きな音楽を流す。
金晩の毎週恒例のこの集まりも、もうダムラと来ることができないんだ。全く実感が湧かない。来週も「Hi〜」と言って、ふらっと現れそうな予感さえする。

数時間ここでゆっくりして、いい感じにほろ酔いになった私たちはPRIZMというビーチ沿いのお気に入りのクラブに向かう。

少し酔っているけど、そうじゃないと絶対楽しめない!
ダムラが来てからというもの、クラブが大好きな彼女に誘われて遊び疲れた私は、少し距離を置いていたからここへ来るのは久しぶり。最後だからみんなで思いきり踊って楽しもう!

音楽に乗って全エネルギーを使って、気づいたら朝になっていた。
ダムラは朝にブライトンを出て、ロンドンに向かうことになっていた。家に帰って寝過ごさないかな? と心配していたけれど、みんなしっかりと眠たい顔をこすりながら見送りに来ていた。

手分けして駅まで荷物を運ぶ。ついにこの時がやって来たけれど、なぜか不思議と悲しくなかった。眠たかったからなのか、未だ実感が湧かないからなのか……私にはわからない。
でもその時悲しくなかったのは、またすぐ会えるような気がしていたからなのかも知れない。


朝からずっと泣いているダムラを見ると、こっちまで泣けてきちゃう。
悲しくないよ。
ずっと仲良しでいよう、これまでもこれからも。
ありがとう。
またね!!
つづく。
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Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。










































































































































