かわい子ちゃん見つけた

As I Like It #27

かわい子ちゃん見つけた

Contributed by Utano Katayama

Trip / 2024.08.19

子供の頃から漠然と「海外に留学したい」と考えていたUtano Katayamaさん。そんな彼女が綴るイギリス、Brightonでの留学日記。憧れの海外生活をスタートした彼女の、小さいけれどずっと大切にし続けたい思い出。

#27


朝からバスにゆらゆら揺られている。そんな学校のない休日、とってもキュートな出会いがあった。

私がバスに揺られている理由は、友達のお引っ越しデーだからだ。今、私や周りの子も含めて結構みんな引っ越しをしている。だけどみんな車を持ち合わせていないから、誰かが引っ越しとなると友達同士で助け合うのがこちらの恒例行事となっていた。
「終わったら美味しいものをご馳走するね」と言ってくれた友達についていきながら、早速バス停から新居に向かう。



引っ越し初日に相応しい最高の天気!


バス停から新しいお家までは少し距離がある。坂道や容赦なく照りつける強い日差しが、荷物を運ぶ私たちをじわじわ攻撃してくる。必死に前へ前へと進んでいるうちに少し汗ばんできた。友達の新しいシェアメイトはいい人かな? 癖が強かったらどうする? と想像を膨らませる。

Googleマップで新居を探しながら、そして新たなシェアメイトと連絡を取りながら、やっと目的地のお家に到着した。想像していた何倍もきれいで整っていたから驚いた。
とても広いお庭に、光が燦々と降り注ぐリビング。キッチンもおしゃれな調理器具で整頓されていて、少し勿体無いと感じるほどのいいお家だった。友達のお家ながらうっとりと浸っていると、後ろからキャンっ!という鳴き声がした。




振り返ると、すごい勢いでしっぽを振って駆け寄ってくるポメちゃんが!


思わずみんなから「かわいい〜」と歓声が止まらない。顔も口角も既にゆるゆるの私たち。
こんなに愛くるしい生き物がいるのかと思うくらいのかわい子ちゃんだった。


これまた可愛いチワワもいて、これは至福の空間だ。


しばらくワンちゃん達と戯れたあと、荷解きを少し手伝って、友達が美味しいご飯をご馳走してくれた。
しかし、お手伝いというよりこっちが逆に癒された休日に。また定期的にここへ来て、ワンちゃんの様子を見に来ないと。友達の新しいシェアメイトも、「またいつでもおいで」ととっても優しい口調で言ってくれた。気温もそうだけど、心までぽかぽかに温まった休日だ。

翌日、授業終わりに学校の近くのハンバーガー屋さんへ訪れた。私たちの学校では、学生たちの間で美味しいと太鼓判が押されている店だ。
早速、オリジナルのチーズバーガーセットを注文。やっぱりジャンキーフードにはコーラじゃなくちゃ! というありきたりな考えで、いつも考える間もなくコーラをオーダーしてしまう。


袋をパカーンと広げると、香ばしい香りが。


イギリスへ来てからハンバーガーを食べる頻度も少し増えた気がする。
こっちのポテトフライはどこも太めがメジャーなようだ。細いのも好きだけど、太めなのもホクホクでじゃがいもの味がしっかりとして美味しい!

そういえばイギリス人の友人が、イギリスはポテトしか獲れないからね! と半分冗談まじりに自虐ネタを言っていたのを思い出した。チェーン店ではなく、ハンバーガーの個人店も数多くあるからか、どこへ行ってもオリジナルのメニューのクオリティが本当に高い。とろけるチーズに分厚いパティは、もう見た目から美味しいことが保証されている。
そのジューシーさに感動してハンバーガーをずっと見つめていたけれど、ふと前を見ると仲良しのユスフと目があった。





ユスフのまあるい目を見て、どことなくこの前のかわいいポメラニアンを思い出した。
また思い出すなんて、完全にあの子の虜。





美味しいご飯にたっぷり満たされた後は、綺麗な夕焼けを見ながらブライトンの美しい街並みを眺める。
ぶらぶらとゆっくり歩きながら、空のグラデーションの綺麗さに思わず足を止めて写真を撮った。この綺麗な景色と平和な毎日がずっと続けばいいな。そんなことを願って帰路に着いた。


つづく。



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