As I Like It #28
Beachでゆったり。
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2024.08.26
#28
夏が近づいてきたブライトンでの日々。
曇り空と思われがちのイギリスも、夏が近づくにつれて晴れの日が続いてきた。
もちろん冬はほぼ毎日のように曇りか雨なんだけど。だからこそ、こっちの人は夏が大好き。みんな天気のいい日はビーチで焼いたり、スケボーしたり、ピクニックしたり。これでもかと言わんばかりに太陽を存分に浴びて過ごしている。
しかも暑すぎなくて快適な気温だから、なおさら最高だ。
イギリスのお家には大抵お庭が付いているし、レストランやパブにもテラス席が絶対と言えるほど置かれている。どれだけ日差しが照り付けていても、寒くても、雨が降らない限りテラス席にみんな行きたがるからこれまた不思議。この日は朝からカフェに向かっていた。
「ここ、本当は誰にも教えたくないくらいお気に入りの場所なんだ。だからシークレットだよ」そう言って、サウジアラビア出身の男の子の友達が、こっそり教えたくれたカフェ。
カフェに着いて早々、その友達がおすすめのアサイーボウルを注文。
モダンテイストなこじんまりとした店内も、少し中心地から外れているせいか、席にも余裕があって周りを気にせずくつろげる空間だった。
ピンクカラーのアサイーの上で、綺麗に盛りつけされたフルーツたちに心が躍る。
いかにもヘルシーな見た目。今日は健康なモーニングだねと友達と言い合ったけど、ゴロゴロ入ったチョコチップの誘惑に負けて、顔のサイズくらいある大きなクッキーもオーダーしたから結局変わらないや。
たわいない話を数時間して、友達と解散して歩いていると、どこからかじっと見つめられているような気がした。周りを見渡して少し視線を上げると、大きなブルドッグが窓の日差しにあごを乗せていた。
眠たそうな顔でこちらを見下ろしている。
思わず何秒か見つめ合ってしまった。
少しイカつめの顔がこのブルドッグの存在感を一回りにも、二回りにもしている。
数分立ち止まって、お互いがお互いをじっと観察していた。軽く手を振ってから名残惜しくこの窓から離れて、私は家に向かう。
ブライトンの良いところはお店や電車、バスでもペットと一緒に行けるところ。こっちへ来た最初は日本との違いに少しびっくりしたけれど、今はすっかり慣れた。
カフェやパブにも普通にワンちゃんがいるから、散歩途中にパブに寄って夕方からビールを飲んでいる人もよく見かける。交通機関にも散歩の延長のように乗れちゃうから、ワンちゃんも色んなところに行けて楽しいだろうな〜といつも想像している。
いい天気が続いているこの頃。
この日は友達とベトナム料理を食べに行くことにした。少しスパイシーなフォーを注文。
米粉の麺は平べったくモチモチとしていて、美味しいー!
そこにプラスしてパクチーやミント、シソなどのハーブ類を自分好みにトッピングするローカル仕様。スープもあっさりしているから夏でもツルッと胃に入る。
これを機にアジア料理の話に花を咲かせると、話がどんどん派生していって盛り上がる私たち。まだまだ話し足りないから、すぐ近くのビーチに向かった。
思いがけず、綺麗なサンセットが待っていた。
ちょうど夕日のピークタイムに遭遇した。夏の夜は9時半くらいまで普通に明るいから、夕暮れの時間もそれに伴って遅くなる。
外が明るいだけで1日がずっとずっと長く感じられるから本当に不思議だ。ただ、夜が短いときは少しでも油断するとすぐ夜更かししてしまうから気をつけて。
夕日を見ているだけでパワーが体の底から湧いてくる。波の音も相まって、リラックスするには最高の場所。
こういったところで友達とのんびり過ごすのも、私にとって本当に好きな時間。たわいない話でも、周りの海や夕日が彩って特別なものにしてくれる。
みんなと写真を撮った。
留学が終わってもお互いの国で集合しようね、と約束をしてこの日は解散した。
自然のパワーは偉大だった。また夕日を見に行こう。
つづく。
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Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。