Winter Guard

Beginning of my new Life #33

Winter Guard

Contributed by Asuka Naka

Trip / 2024.08.28

『とにかく旅をするのが好き!』高校生の時に初めて訪れたインドがトラベラーへのきっかけだった。多くの国を旅する好奇心旺盛な彼女だからこそ感じる面白さと発見。出会いと出来事を振り返りながら綴るAsuka Nakaさんの旅日記。

番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け中。



年が明けて学校が始まり、私は新しいクラブ活動を始めた。

ウィンターガードというものでカラーガードの一種であり、旗や銃の模型を曲に合わせて投げたりしながら踊るものである。元々はオーケストラのバンドのコンサートでできた友達のアンバーに誘われて入部を決めたが、結局のところアンバーは入部せず、残された私はウィンターガードがなんなのかもあまりよく分からずに始めた。

ウィンターガードは始まると週2−3回ほど、外部講師を呼んでの練習が放課後にあったが、全くの初心者である私は周りについていくのに必死であった。英語の理解に苦しむ上にウィンターガードの経験のない私は、毎日家のお庭で練習をした。
何回投げてもなかなか上手く回らず旗をキャッチできなかったが、ずっとやっていると一回、そしてまた一回と少しずつ出来るようになってきた。そしてそれが嬉しくて仕方がなかった。



あまりウィンターガードのチームには馴染めずにいた私だが、今思えば当時自分の実力不足に気が引けていたため、コミュニケーションにも自信がなくなっていたのかもしれない。そして練習期間を十分に取る暇もなく、ウィンターガードの大会が次々と予定に入ってくる。その時に向けて、私は必死に練習した。

最初の試合では振り付けが間に合わず、チームとして良い結果ではなかったが、回数を重ねていくごとに少しずつ自信もつき、ある時には全校生徒の前で披露することもあった。知っている人が私たちのパフォーマンスを見ていると思うと、大会とは違った緊張感があったが、終わった後は周りの人が沢山褒めてくれ、頑張った甲斐があったと達成感もあった。

近所に住むタイリークにも良かったよと言ってもらえ、話したことのなかったミュージカルのメンバーの子にも、君たちかっこ良かったよと声をかけてもらえた。何かをすること、努力することで人の輪が広がることの喜びを覚えた。
そしてそれは今でも生きる上で大事にしていることである。何かを行動に移したことによって出会えた人たちというのが一番何かにトライする意味なのだと思う。



現にこの人に出会わなければ良かったという人は一人もいない。今まで出会った一人一人の人たちのおかげで今の私が形成されているのだから。

このウィンターガードは年明けから約4ヶ月ほど行われた。シーズンごとにクラブ活動が変わるアメリカでは、このようにそれぞれのスポーツにシーズンがあり、複数のスポーツを経験している子が多い。一つのことに集中することに重きを置かれる日本とは異なり、色々なことに挑戦できるこの環境が、子どもにとっての選択肢が増え、自分の好き嫌いを見つけやすく、何にでもなれるような社会になっている。

小さい頃から好奇心旺盛で一つのことに集中することが苦手な私にはこのシーズン制のクラブ活動、授業選択がとても嬉しく、自分に合っている気がした。



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