ずらすこと、特別感

To Me, Somewhere in the World #141

ずらすこと、特別感

Contributed by Yoko

Trip / 2024.08.07

『“今”の心地よさを一番大切に』
未知なモノすべて知らないことを知りたい、自分に忠実に生きるフリーランスのWebライター・編集者Yokoさん。旅の話をリアルタイムで、時に振り返りながらつづる旅連載。


#141


同じものを見ていても、視点を変えると違うように見える。同じ旅でも、一人旅か二人旅か大勢での旅かで違う楽しみ方ができる。日常の街でも、いつもは寝ているはずの早朝や深夜に外を散歩したり、中華を食べたりすると、ちょっと特別な気持ちになれる気がする。


良い天気。


誰もいない時間の朝は特別。ちょっとだけコロナ禍真っ只中の恐ろしいほど静かな街の空気も思い出すけれど、人があまり歩いていない外を貴重と感じるからこそ、特別に感じるのかもしれない。ともかく朝の善光寺は、人がまばら。参拝するほど奥まで進まないけれど、少し離れたところから見るだけで少し特別な気分になる。夏の天気の良さは、朝なら気持ち良い。




夜パフェ 金花猫。


行ったことのないお店に、変な時間に入ってみたり。胃の消化に悪そうな深夜に、いつもの中華屋に入ってみたり。中華は深夜に食べるもの……というイメージがあるのは飲食業に携わったことのある人の特徴なのだろうか。仕事終わりのラーメンや餃子、時折食べるたびに思い出す顔ぶれは確かにまだある。もはや距離も時間も遠いはずなのに。味の記憶か、空間の記憶か。


セントラルスクエア。


朝起きて夜寝る、今の生活リズムの外にある早朝や深夜の時間帯に活動することは、ちょっと旅に似ている。距離を離れなくとも、お金をかけなくとも、ちょっとのずれで「旅みたい」と思うことが増えたかもしれない。地下鉄で一駅乗れば全く違う街が広がる、東京のような都会に居なくとも。これは、年齢を重ねたということなのだろうか。


珈香。


ともかく暑い夏。起きると蒸し暑く、冷房をつけると身体が冷え、体温調節の難しい季節がやってきた。健康なままで駆け抜けたい、そればかりだ。始まりがあれば、終わりがある、そのことを噛み締めて。




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Writer

  • Yoko

    長野在住、北海道出身。世界一周予定が新型コロナウイルスの影響で中止に。東京から葉山、長野へと拠点を移しつつ、国内外を自由に旅している。レバンガ北海道(#11)とアイスが好き。フリーランスのWebライター・編集者。