imaginary wedding

London, Can you wait? #9

imaginary wedding

Contributed by Chika Hasebe

Trip / 2024.08.23

ロンドンに来てみた。実際に住んでみたら、自分は何を感じてその先に何を求めるか見てみたかった。ロンドンに拠点を移した会社員・Chika Hasebeさんによる、社会との体当たり日記。現在と過去を交互に綴ります。

#9


今回は日英どちらの結婚式にも出たことがないわたしが、結婚式について思ったこと。

こんなこと書き出すなんて、ついにロンドンで結婚するのか...?? そんな予定はありません。最近身の回りが結婚式ラッシュなので、結婚式についてあれこれ考えてみようかな。


July Bride?!

日本でも「June Bride」という言葉は広く浸透しているが、元々はヨーロッパから来た言葉らしい。6月である理由は諸説あるものの、現代人として一番納得できるのは、やはり天気。一年の中で一番雨が少ないとされるヨーロッパは、結婚式を行うには最適なのである。ちなみに、イギリス国王の誕生日パレードも、一年で一番雨が降る確率が低いという理由で6月に開催される。本当は11月が誕生日のチャールズ国王。天気がいい日に祝ってもらいたいよね、そりゃもちろん。



だがわたしが結婚式の多さに気づいたのは7月に入ってから。6月はそこまでみんなの週末の予定が結婚式で埋まっていなかった感じがする。ところがフラットメイトの一人が7月末に結婚式に出席、また別のフラットメイトも今週出席するという。そんな自分も職場で結婚する人がいたので、先日会社でディナーパーティをしたばかり。みんなこぞってどうしたんだ!

なんとなくの予想としては、イギリスの場合は6月でもちょっとまだ寒いので、7月8月まで待つ人が多いのかもしれないと踏んでいる。といっても在英歴まだ一年ちょっと。2週間しか夏がなかった去年と、なんだか天気が怪しげな雰囲気の今年しかまだ過ごしていないので、気候について総合的に考えるのは難しい。それに、もしかしたら気づいていなかっただけで、6月から結婚式ラッシュは始まっていたのかも。10年後ぐらいに振り返ってみようかな。


6月はこれくらい全身装備です。寒い



欲しいものは自分で言うカップル

イギリスのお祝儀文化は、正直図々しいと個人的に思う。以前同僚から聞いた話によると、お祝儀は現金ではなくてプレゼントを送る。ただ、そのプレゼントを選ぶのはお祝いする側ではなくカップル。カップルが作成した「欲しいものリスト」なるものに従って、お祝いする人たちはそこから何を買うか選ぶ。「これもらっても困るな...」という行き場のないプレゼントを生み出さなくて済む、とても合理的なシステムだ。

最近では、カップルが結婚式を執り行うにあたりウェブサイトを作成し、そこにリストも掲載するらしい。どのプレゼントが購入済みで、どれがまだ買えるかどうか逐一アップデートされるので、お祝いする側は用意する際に確認できる。もらうプレゼントに被りが生まれない仕組みだ。リストのアイテムは色々な値段の幅があり、予算は祝う側に一任されている。わたしたちも、近々結婚する会社の人が欲しいものリストを作っていたので、そこから選んでプレゼントをいくつか購入した。この欲しいものリスト、実際にアイテムがずらっと並んだリストもあれば、「ハネムーンの軍資金ファンディング」という投げ銭タイプも人気があるらしい。


いろんなところで愛


日本では本来”お気持ち”として渡されているお祝儀。現金で渡しているので、実際はプレゼントよりも味気ないのかもしれないが、わたしはどうしても「欲しいものリスト」制度がしっくりこない。お祝いしてくれるだけでありがたいはずなのに、どうして欲しいものを買ってくるところまで要求できようか...。間違いなく合理的で無駄がないが、純粋に祝いたい気持ちがその制度に乗っかることで、若干薄れるような気持ちもしなくはない。

もちろんこのご祝儀プレゼント制度、自分でアレンジしてもいい。ある友人は、彼の親友同士の結婚式にて、現金でもなくリストにあったプレゼントでもなく、ちょっといいディナーのコースが楽しめる商品券をあげたらしい。とても素敵なプレゼントだと思った。


元同僚が自分で作ったらしいリング、繋げるとFuck Loveになるらしい。最高



はっちゃけたい婚前、Hen party

日本ではあまり見かけないが、欧米では”婚前最後にはっちゃけようぜ”という意味で、男だけもしくは女だけのパーティをやるらしい。アメリカではBachelor/Bachelorette party、イギリスではStag/Hen partyと呼ばれている。

イギリスに来てから、三人ほど身近にHen partyに参加した女子を見かけた。先日もわたしの彼のフラットメイトが、Hen partyでポルトガル旅行に行っていた。

やることはもちろんグループによって様々だが、イギリスの場合は、とにかく飲んで、夜クラブのパーティに出かけることが多いらしい。さすがイギリス。また、”婚前”だからという理由で、ストリップショーを見に行ったりする慣習もあるとのこと。


わたしは素敵なディナーをする口実が作りたい


先日、NYのサブウェイ内で、色々な人が持論を持ってきて話す動画アカウント『Subway Takes』で、たまたまお笑い芸人/女優の人が「Bachelorette (Hen) partyが行き過ぎている!」と話していた。そこで初めて、パーティが一週間にも及び、日替わりのテーマに合わせてみんなが洋服を毎日合わせるなど、かなり”やる気”の入った内容になっていることがわかった。当然出費も大きいし、会社に勤めている場合は休みだってたくさん使うだろう。確かにポルトガルに行った彼女も、しばらく帰ってこなかったらしい。無事はっちゃけたようだ。

さすがに旅行はかなりカロリーが高いのでわたしも少し躊躇ってしまうが、Hen party自体はかなり興味がある。日頃同性だけで集まって遊ぶことがあまりないので、女子会の機会を作る口実としてもいい。普段の生活じゃ味わえないちょっとファンシーなパーティなら、気分も上がりそう。


結婚式にせっかく呼ばれたならば、素敵なドレス着たいよね。シャネルまではいかなくとも。


最近、日本にいる同い年や年下の知り合いによる結婚報告の投稿がSNSに相次ぐ。周りの友人の間でも、結婚式を理由に自国へ帰国する人をちらほら見かける。この間はわたしの彼の親友が、彼氏にプロポーズされたというニュースが飛び込んできた。もしかしたらわたしもそろそろ結婚式に出席か? 初ウェディングパーティは日本かイギリスか? ちょっとワクワクしつつ、ドレスを何も持っていないので、ビクビクもしている。



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