ペールトーンのビルを横切って -ソウル編- #1
お次はどこへ
Contributed by satsuki azuma
Trip / 2024.09.03
はじめての食べ物、はじめての当たり前、はじめての現地の人との会話。旅先での“はじめて”は、いつだって私にワクワクを届けてくれる。モデル・俳優としても活躍する東咲月さんが等身大の姿で「旅」の出来事を綴る連載。自分の背中をグッと押してくれるような、そんな旅を求め、刺激溢れる韓国へ。ソウル編では全12回にわたり、咲月さんの旅の様子をお届けします。
#1
これは正しいのか? このままでいいのか。
目的に対して今までそういった疑問を自分自身に持つことはなかった。
今までは根拠がない自信があったのに、次第に理由や根拠がつくようになっていくと、次はそれらがないと「腰が重い」と感じる瞬間が訪れた。
そんなタイミングなのかもしれない。
しかし、そんなタイミングが訪れたことは“たまたま”であってほしい。
そんなタイミングが訪れることに対して「大人になったんだよ」なんて言いたくないから。
「今すぐ時間をとめたい!」
そう思った私は、次の旅先を考えていた。
腰が重い私が今行きたいところは、“このままだと置いてかれる”と教えてくれるところ。
音楽の力もだけど映画の力、ファッションの力とか……エンターテイメントは私にとっては必要不可欠な存在。そんな存在を今すぐ目の前で感じられるところに行こうと考えた。
パソコンを開き、航空券と自分のスケジュールを照らし合わせる、とある日の19:35。
前回の『真夏の風を探して -タイ編-』で登場した、韓国出身の友人からメッセージがくる。どうやらロンドンから韓国に帰ってきたみたいだ。
窓を開けると、真夏の風が私の顔を覆う。
網戸越し、目の前には、白いヤモリがいる。
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真夏の風を探して -タイ編-