As I Like It #30
KILO SALE☆
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2024.09.30
#30
8月も終わり、また肌寒い季節がやってくる。その前に冬物の調達をしなきゃ! そう思って、この週末はロンドン行きの電車に乗り込んだ。今日は、前々から気になっていたキロセールに行くことにしてみた。1キロ◯ポンドと決められていて、重さによって値段が変わるというもの。
キロセールはブライトンでも開かれているけれど、ロンドンのものはやっぱり規模が違うらしい。しかも一概にロンドンと言っても、週末となるとロンドンのあちこちで開かれているのだ。
今回は古着で有名なエリアをチョイスして行ってみることに。
ロンドンは世界的に見てファッションやアートの街だし、古着屋も歩けばあちこちにある。ヴィンテージものを上手に着こなす人たちもよく見かける。マップを見ながら細い路地を進んでいく、この秘密基地感と、知る人ぞ知る、という感じが余計に胸を高鳴らせた。
路地を抜けた先に急に空が開けたかと思うと、雑貨やストリートフードなどの小さなマーケットが広がっている。そのさらに奥へと進むと思っていた何倍もの大きさの倉庫の中にカラフルな洋服たちがチラリと見えた。
入り口でチケット(安かった気がする)を購入して、大きな透明のビニール袋をもらう。
よし、探検だ!
ビニール袋にはどれだけ入れても良くて、最終的に何キログラムあるかを計って精算するみたい。周りをキョロキョロすると、みんなもう袋がパンパンではち切れそう。
服はカテゴリーごとに整列されていて、ちゃんとハンガーにかかっているから案外見やすかった。大量にある服の中から掘り出して、自分のお気に入りを見つける。なんか、宝探ししている気分だ。
鏡もちょこっとだけ置いてあって、みんなその場で着替えるから、まるで放し飼い状態。でもこのラフさもロンドンらしくて何か楽しい。
吟味中
ブランドじゃなくて重さで値段が決まるから、軽い夏服はたとえいい品質のものでもすごくお手頃に買えるのだ。
キロセールを極めたら、とっても上手に服が買えるんだろうな、としみじみ思う。でもまだまだ初心者の私は、大量の服を見るのだけでもう精一杯だ。
本日の成果はというと、冬物のジャケットとセーター、あとは諸々少しずつ手に入れた。
何よりキロセールを味わえたことが1番の収穫で、またロンドンに来たら参加して腕を磨かないと、とさえ思い始めている。
朝からキロセールに行ったはいいものの、この後大きな袋を持ちながらロンドンを歩かないといけないのをすっかり忘れていた。地味にどしっとくる重さと、明らかに目立つ袋を抱えて、とりあえず地下鉄に乗って腹ごしらえをすることに。
マップを辿って向かった先は超人気のベーグル屋さん。店内と外にも大行列が。
ロンドンで1番有名なパン屋と言ってもおかしくないほど有名で、1番驚きなのは24時間開いているということ。ロンドンに住む人たちにとってのソウルフードに間違いない。
回転が早すぎて、自分の番があっという間にやってきた
メニューが多すぎて目が眩むけど、ここはひとまず看板メニューを頼んでみる
Salt Beef beigel
定員さんがこれでもかというほど大きく、肉をざくざく切り分けていく。看板メニューの肉を挟んだベーグルは、せっかく切り分けてもすぐになくなる。でも、奥からどんどん肉のブロックが出てくるからすごい。このスピード感がこの回転率を上げているのか、と納得できた。
肝心の肉はあまりの豪快さに顎が開くか心配になる。食べてみると、まさに肉! という感じで噛む度に旨みが口いっぱいに広がった。
これが夜中も食べられるなんて最高かもしれない。他にもありすぎるくらいメニューがあるから、それぞれのお気に入りがきっと見つかるはず。
そのあとは少しロンドンをぷらぷらして、ブライトン行きに乗り込んだ。
大きな袋を持ち歩いたせいか、いつもより疲労が溜まっていて、電車の中でぐっすり眠れた。
服と人、美味しいソウルフードに満たされた休日。これでまたひとつロンドナーに近づけたかな?
つづく
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Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。