As I Like It #35
パリ旅行記 1. Bonjour
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2024.12.09
#35
いよいよ今回からパリ編。
ロンドンのセント・パンクラス駅からパリ行きのユーロスターに乗ることに。
電車で国境を越えるからパスポートやスーツケースのチェックインを済ませる。電車の駅で出国手続きをするのが不思議で、どこか落ち着かない........(初めての街へ行くということに、ただ気持ちが高ぶっていただけなのかもしれない)。
いざ自分の座席につくとまるで新幹線にいるような気持ちだ。
いつも他の国の駅に行くと、慣れていないからか、新しい空気や雰囲気にいつも少しドキドキする。
背もたれも高くて、やっと落ち着ける居場所に辿り着けた気がした。パリまであと2時間とちょっと。遠足の行きのバスに乗っている子どもみたいにウキウキそわそわしていた私。パッと横を見ると、私とは裏腹にママは首を90度に曲げながらスヤスヤと眠っている。首が痛くならないか心配になるほど。
窓からフランスの田園風景を眺めていると、あっという間に短い電車旅は終わってしまった。車窓からの景色も電車旅の醍醐味のひとつだよね!
駅に着いてから、早速予期せぬハプニングに出くわした。携帯の電波がなかなか繋がらなくて、マップでホテルの場所を確認することすら出来ない........。
多少の焦りもあって、随分と手こずってしまった私たち。けれど何とか解決して外へ出ると、時間が経ってしまったのもあって外は暗くなり始めていた。旅にはプチハプニングなんて付きものだよね! と気を取り直したところで、いよいよ旅が始まる。
乗り込んだバスから初めて見るパリの街並みを見ると、大変だったことなんてすっかり忘れてしまった! キラキラと暖かい光を放つ建物たちを横目に、バスはホテルへと向かう。
ホテル近くのスーパーでワインと軽食を少し買ってつまんだ後、この日はぐっすりと眠った。
翌朝。
メトロへ向かう途中で美味しそうなベーカリーを見つけた。記念すべきフランスでの1回目のクロワッサン。やっぱり美味しい....!バターの染み込んだ生地はサクサクふわふわ。もう、これは空気だ。
ベンチの下に落ちたパンくずをハトが食べるのを見届ける。パリに住むハトは贅沢だな〜なんて思う早朝。
最初の目的地はパリから少し電車で離れたヴェルサイユ宮殿。事前にチケットを取って向かうと、門の前に大勢の人集りが。
なんでだろう? と思いつつ、どこか嫌な予感を感じながら近くにいた人に聞いてみると、今日は中の職員がストライキを起こして入れないとのこと。王宮の世界から一気に現実に引き戻されて、2人してしょぼんとなる。
どうしようもないのに、黄金に輝く門の前で数十分立ちすくんで、とぼとぼとパリ行きの駅に歩き出した。いきなり出鼻をくじかれたけれど、この自由さが海外か! と気を取り直すママ。明日リベンジだねってお互い元気づけてから、代わりの目的地を探すことに。
やって来たのはPalais Garnier。
外からも中からも建物の存在感がすごくて、豪華すぎる内装やシャンデリアは、現実か夢かわからなくなるほど。本当にオペラ座に来ちゃったんだって何度も思った。
オペラ座の座席。赤いシートと豪華な装飾のコントラストが素敵
パリの中心地、そして豪華なオペラ座でオペラのコンサートやバレエを見られるなんて、一生思い出に残るに違いない。昔も今もみんな綺麗にドレスアップするんだろうなぁ、なんて想像してみる。
1800年代から今までずっと公演が続いていて、昔の人もこのシートに座って観ていたんだって思うと何だか感慨深い。時が流れても良いものはずっと後世に受け継がれていくんだなぁと思う。
「いつかここで公演を観る」と、わたしのバケットリストにこっそりと加えておいた。
オペラ座から15分ほど歩いて向かった先は、ずっと訪れたかった場所。Astier de Villatteのパリ本店!
どこを見渡しても真っ白い食器たちが並んでいる。しかも、どれも驚くほど可愛くて参っちゃう
洗練された空間と、シンプルだけどどこか形がユニークな食器、そしてカラフルな絵が施されたプレートやカップ。どれも一つ一つ職人さんの手作りみたい。ママもすごく気に入っていて、マグカップを2つ一緒に選んでいた。私にも猫の絵が入った小さなカップをひとつお土産に買ってくれた。
それは私の宝物になり、今も部屋に大切に飾っている。見るたびこのパリの旅を思い出させてくれる大切なもの。
雨がちらつくパリにお洒落なマダムたち
この後は、少し早めのディナーに。行きたかったローカルなお店は人気なのか外まで並んでいる。
わたしたちは予約をしていたので、早速お店に入ると、日本語を話せるとっても可愛らしいウエイターさんが迎えてくれた。フランス出身の彼女は日本に数ヶ月留学していたみたいで、慣れない日本語を頑張って話してくれる様子を見て、ママと2人でかわいい〜と言い合って微笑んだ。
続々とテーブルに届く料理はどれも盛り付けが美しい。さすがフランス料理、見た目から楽しませてくれる
赤みのお肉はとっても柔らかくて歯がいらないくらい。2人でいくつかシェアしたけれど、どれも最高に美味しかった。落ち着く雰囲気もパリの素敵な夜にぴったり。
対応してくれたウエイターさんに会いたいという理由含め、また絶対に行きたいお店だ。
地下鉄のゴミ箱。こちらこそ、そこに居てくれてMerci
この日もそろそろ終盤。地下鉄に乗っていると可愛いワンちゃんと目が合った。散歩するくらいの感覚で、ワンちゃんと一緒に電車で遠出できるのっていいよね!
せっかくだからと夜のエッフェル塔に
間近で見るエッフェル塔はやっぱり写真で見る何十倍もロマンチックで、これぞパリのシンボル、といった様子。オレンジの暖かい光も、セーヌ川にキラキラと反射しているのも素敵だ。
今日1日無事に終えられて良かった。朝からどうなるかと思ったけれど、大満足で幸せな日。
パリ、また明日ね。
つづく。
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Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。