What I’m made by #2
当たり前の一瞬が特別な一瞬になる私の旅
Contributed by Yuzu Aoki
Trip / 2025.01.10
LAXに着いた。
6年ぶりのLAの空気は、どことなく少しの緊張を与えてきた。
ここから1ヶ月何が起こるんだろう。帰る頃には何か得られているのかな。そんな少しの緊張感と高揚から、私の旅が始まった。
現実はそんな余韻に浸る暇もなく、飛行機を出ると騒がしい車の音が鳴り響いていた。
でもそんな感覚がどことなく懐かしい……
帰ってきたのかー!
私は旅、特に長い旅に出るとき、特別な予定は立てずにいつもの日常の流れに任せて過ごすのが好きだ。
まるでそこで暮らしているかのように旅をするのが、私なりの旅のスタイルである。
観光スポットを回ることももちろん旅に出る楽しさの一つかもしれないが、私はいつもの自分の生活から環境を変えただけで、不思議と“一瞬一瞬が特別なものに感じられる”そんな感覚が好きなのだ。
外を歩いているだけで、もっといえばホテルで過ごしている時間でさえも、全部可愛くて特別なものに思える。
そんな瞬間を残したくて旅先では景色や建物はもちろん、そこにいる人を一緒に写真に残す。後から見返したときにより動的に、その時の空気や香りを思い出すことができる気がするからだ。
今回の旅でも、たくさんの特別な瞬間をキャッチできた気がする。
Venice Beachで友達にスケボーを教える少女
この子と同世代くらいの少年や、まだ小学生くらいの男の子など、年齢や性別を問わずここで出会った人たちが純粋にスケボーを通してコミュニケーションをとっている空気がすごく自然であたたかかった。
ただ、この子は本当に寒そうだった。
Newport Beachで犬と散歩するおじいちゃん
Thanksgivingにビーチ沿いで犬の散歩をしているおじいちゃん。きっとThanksgivingだから犬もリボンを巻いてたのかな。パンツがあまりにも短くて最初はびっくりしたけど可愛かった。ちょっと白い襟を出したり、ネイビーと白でまとめているのが可愛いコーディネート。
黄色がマッチした瞬間
アサイーボウルを食べようとビーチの近くを歩いていたらたまたま現れた自転車。本当に通り過ぎるのは一瞬だったけど、壁の色、ポール、Tシャツの色味が合いすぎていて大慌てでカメラを取り出して撮影。街にも色が溢れているから、こうゆう瞬間がたまに目に入ってきてワクワクする。
IN-N-OUT
LAと言えば! のファストフード店の「IN-N-OUT」。ファストフードって手軽で美味しいものなはずなのに、なぜか特別なご褒美感があるのは何でだろう。派手な赤い椅子に色んな年代の人が座って楽しそうにしているだけでこのシートの色が派手なことが何倍も増して可愛く思える。こうゆうダイナーみたいなお店、好きだなあ。
Santa MonicaのTRADER JOE’Sの前
お土産を買いに旅の終盤に寄った「TRADER JOE’S」。絶対見逃すなよ、と言わんばかりの主張をシンプルなデザインでしてくる看板になぜか惹かれる。昔LAで働いていた時は後ろのおじさんみたいにリュックを背負って自転車を乗り回していたから親近感があった。そういえば大きいスイカもリュックに詰め込んで必死に持って帰ったな。初任給で買ったのに一瞬で盗まれた私の自転車どこ行ったんだろう。
NewYorkの古本屋さんでCDとレコードを漁る少女
NYCのSOHOにある、奥がカフェ、手前が古本・CD・レコード、2階が古着屋さんになっている盛りだくさんのお店「HOUSING WORKS BOOKSTORE」。なんか海外旅行に行くと本屋さんに行くのが楽しくて、ちょこっと寄ってみたお店。CD・レコードコーナーで座りこんでひたすら何かを見ていた少女。なんで床にあぐらをかいていてもちょっと可愛く見えちゃうんだろう。夢中になれるっていいよね。
USCの広場
お昼くらいの時間に「TRADER JOE’S」に行きたくて、ホテルから一番近いUSCの敷地内にある店舗へ。お天気が良かったから、真ん中の広場で少しゆっくりしていたら色んな学生が前を通って久々に学生気分が味わえた。ホテルの周りも大学の周りもあまり治安がよくなかったけど、学校の敷地内の空気は信じられないほど平和な空気だった。当時は何も思わなかったけど、大学生はたくさん悩むけど一番平和で自由な生き物なのかもと思ったり。ちがうか。
Abbot Kinney Blvd.
LAに住んでいた時によく行っていた「Abbot Kinney」。雑貨屋さんとか大好きなアイス屋さん(Salt&Straw)があって、何となくおしゃれな気分になる通り。ちょっと道を入ったところに「EREWHON(オーガニックスーパー)」もできていて、やっぱりおしゃれ通りだ、と思った。LAにいると無意識にラフな格好になってしまうことが多いけど、ここにくるときはちょっとおしゃれしないといけない気持ちになっていた気がする。そして気持ち、かっこつけちゃっていた自分がいた気がする(笑)。
Newport Beachでサーフィンを終えた人
あまり波がなかったからなのか、やり切った感のないおじちゃんが海から上がってきた。このおじちゃんはしっかりウェットもブーツも履いていたのに、隣では水着で入っている人もいて、水温どうなってるの? と思った。確実に乗り潰しているボードが似合っていて、私もこの先何十年もサーフィン続けられたら、こんな貫禄のある可愛いさ出せるのかなと勝手に想像して楽しくなった。おじちゃん、老後の楽しみをありがとう。
New York SOHOの朝
New Yorkに着いた次の日、「LEON'S BAGELES」に向かう途中に見かけた通り。ちょうど紅葉の時期だったから、通りにある木がみんないろんな色に色付いていて、どこを切り取っても絵になる。もちろんまだ落ちていない葉も綺麗だけど落ち葉の感じも可愛い。このおじさんの帽子とサングラスで映画『LEON』を思い出した。マチルダが横にいたら完璧だったな。
正直日本にいたら、ただの空気のように見逃していた瞬間も、環境が違うだけでこんなにも素敵な瞬間に思える。やっぱり旅は楽しい。
そしてLAにきて数日、大きな変化もあった。友達の紹介で日本でも続けられそうな仕事をもらえるかもしれないという……こんなことが起きるなんて自分でもめちゃくちゃ驚きだ。ちゃんとものにしたい。
やりたいことのために、日本に帰ってからまたどこかで正社員として働くものだと半分思い込んでいたし、数年前の自分ならこの環境に飛び込む勇気はなかったと思う。今だからできる選択をしてみても良いのかな、そんな心をこの旅がさらに後押ししてくれたのかも。
日本を出たときは、旅行中に仕事が決まるかもしれないなんて正直思っていなかったし……。旅は日常の一部でもあるし、出会いのチャンスでもある!
楽しい!
今回の写真はダイジェスト版だから、旅の記録はまだまだこれから。
see you soon!
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Yuzu Aoki
1996年東京生まれ、湘南在住。大学3年生の時に大学を休学し、1年間ロサンゼルスでインターンシップの経験あり。休日はサーフィンやキャンプなど自然を感じながらゆったりと過ごすのがすき。興味や好奇心に素直に行動する、自由でアクティブな旅先でのライフスタイルなどをお届け。