多国籍な日々

As I Like It #40

多国籍な日々

Contributed by Utano Katayama

Trip / 2025.02.10

子供の頃から漠然と「海外に留学したい」と考えていたUtano Katayamaさん。そんな彼女が綴るイギリス、Brightonでの留学日記。憧れの海外生活をスタートした彼女の、小さいけれどずっと大切にし続けたい思い出。

#40



最近ハマっているもの


ギリシャヨーグルトにチョコ入りのグラノーラを乗せ、蜂蜜を回しかける。
これを食べるだけで十分に満たされた朝となり、とっておきの1日が始まるのだ。


とうとう11月に突入。秋から季節は移ろい本格的な冬モードに変わりつつあるイギリス。日に日に寒さが身にしみる頃になったものの、街にはまだ少し紅葉が残っているみたい。



黄色に染まった葉がちらちらと舞っている様子を見ていると、秋とのお別れがさらに寂しくなる。2段バスの2階からの景色は、1階から見るよりもずっとずっと広く景色を見渡せてお気に入り。季節の移ろいを感じたり、散歩や運動する人、これから仕事に向かう人など、学校までのルートで、様々な生活をのぞき見できる。日本にも2階建てのバスがあれば嬉しいなぁなんて考えながら、この日もバスに揺られる。

最近は前よりも学校が楽しく感じる。何より、放課後が充実しているからだと思う。
最近、私はイギリスに居ながらいろんな国を堪能している。

近頃はスイスやフランスなど、ヨーロッパ出身のクラスメイトも増えた。みんなといろんな国の食事を楽しんだり、お互いの国のカルチャーを交換し合うのが、私にとって新鮮で楽しくって、もっぱら最近の楽しみなのだ。
もちろん交流の中で新たな発見も沢山あるから、ぜんぶ見逃さないでいたい。

ここで、最近の多国籍な日々を書き連ねたいと思う。
まずはみんなと寿司レストランへ行ったときの様子。やっぱり母国、日本からスタートしなくちゃ。


クラスメイトと学校終わりに


みんなは生の魚に少し抵抗があるみたいだけど、お箸を上手に使って食べていた。
お箸を持っているという友達も何人かいて、そのことを誇らしそうにしているのが何とも可愛らしい。

イギリスへ来て驚いたことは、思っていたよりもずっと多くの人が日本に興味を持っていて、日本のカルチャーや日本食を好いてくれているということ。

日本人だと言うと大抵の人が「日本大好きだし、いつか行ってみたいんだ!」というように好意的なコメントをくれる。数えきれないほどそんな場面に遭遇した。
日本から出ると「日本の良さに気が付く」とよく言うけれど、本当にそうだった。
違う国籍の人から改めて日本の素晴らしさを教えてもらうことも、新たな発見のひとつだ。

ある日はクラスメイトたちとトルコ料理のレストランへ。
ここはトルコ人の方がオーナーで、本格的な料理が食べられると定評がある。


実はトルコ料理は世界三大料理のひとつ


みんな世界三大料理を食べてみたかったのか、目の前のプレートに興味津々のよう。


私は「アダナ・ケバブ」を注文してみた


超ボリューミーで、なんせプレートが大きい。
2人でシェアしてもいいくらいのボリューム感だった。

肝心のお肉はスパイスが沢山効いていて美味しい! 羊肉のひき肉を使っているみたいだけど、全く臭みもなくて、意外とあっさりと食べられた。

なんと驚くことに、ケバブには100種類以上もの種類があるんだって。ケバブの種類によってラム肉、牛肉、鶏肉が使い分けられる。トルコにはイスラム教徒が多いこともあって、豚肉は使われないのだそう。

以前トルコ旅行に行って驚いたのは、それぞれの地域特有のケバブがあって、見た目や味付け、食べ方も全く異なるということだった。

例えば串焼きになっているスパイシーなものがあったり、釜で調理されている薄味のものがあったり、日本の屋台でよく見る、大きな肉のブロックを削ぎ落としていただくものもあるし、このアダナ・ケバブのようにつくね風になっているものもある。ケバブと言っても本当に様々で、ひとつ共通しているものと言えば「肉料理」ということだけなんじゃないかな。

みんなお腹がはち切れそうになりながら、目の前のプレートを平らげた。
他のみんなもトルコ料理が大好きになったみたいで嬉しい。

また別の日にはタイ料理のレストランへ。





ここはいつも通っているところだから、全部の味付けが美味しいのは分かっている。普段同じものを食べる癖がある私でも、毎回違うものをオーダーする余裕まであるほど(笑)。とにかくこのお店のおかげでタイ料理が大好きになった!

もちもちの平たい麺も好きだし、野菜が沢山使われているのもいい。とりわけタイ独特の甘辛い味付けが美味しくてたまらない。日本に帰ったらタイの調味料を集めたいな。


またある日はフランスの家庭料理を味わうことに。
フランス出身のカミーが手料理を振る舞いたいと、前々から張り切ってくれていたのだ。


彼女は普段から料理をしているみたいで、ササっと手早く何品も作ってくれた


パテにバゲット、マッシュルームが入ったオムレツ、炒めたポテトなど、どれもシンプルだけどワインにすごく合う味付けだった。
カミーは生粋のパリジェンヌで、私よりも2つほど歳上の、すごく尊敬している人。自分の芯が通っていて、良いことも悪いことも何でもはっきりと意見を言う。良いと思ったことは迷わずストレートに褒めてくれるし、サバサバしていて、それでいてキュートな一面もあるから、すごく魅力的で惹き込まれる。



暖かいお家で、フランス流の素敵なおもてなしを受けて、心までポカポカになる。

帰路につきながら、身近に尊敬できる人がいるってとても良いことだなぁ……と身に沁みて感じる。次カミーと再会するときにはどんな自分になっているかな? もっと自分の芯を貫けているだろうか。色々と考えて、この日の夜はぐっすりと眠った。

多国籍な料理を通して、他の国のことを知れるって面白い。まだまだ開拓したいことはたくさんある!
少しずつ吸収しながら、もっともっと未知の知識を広げていきたいな。
つづく。



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