展示記録

mind of novice on a moment to moment #1

展示記録

Photo&Text : Mikito Hyakuno

Trip / 2025.02.06

湘南出身のアーティスト、金田大巧と百野幹人によるパブリッシング・プラットフォーム『Bong Sadhu』が訪れた、彼らにとって2度目のロサンゼルス。この地で捉えたかけがえのない瞬間は作品へと昇華され、また同じ場所へ舞い戻ってくる。そんな作品循環の一部始終と旅のこばなしを、写真家・百野幹人が綴る。

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昨年の夏明けに、私達は再びカリフォルニアの地に戻れる事となった。そのきっかけをくれたのは2023年の8月に行われたPRINTED MATTER主催のLA Art Book Fairに参加した時に知り合ったPhillips。ロサンゼルス郡から少しイーストサイドにあるAlhambraの地で『Homebody@homebody626)』というショップをやっている最高な彼とBong Sadhuの相方でもあるタイコウがコンタクトを取ってくれて、去年の5月にOFO by inherit galleryで展示をした自分らの共同プロジェクトであるDub non Dubシリーズの2作目となった作品の展示とポップアップイベントを行うことになり、再びカリフォルニアの地へ訪れたのだ。

ちなみに、Phillipsは東京でもポップアップイベントを何度か行っていたこともあり、前回彼が日本に訪れていた時は自分がDJをしていたRed BarにもパートナーのAnnieと遊びに来てくれていた。



彼の店は自分のオリジナルのプロダクトを作りながらもローカルのアーティストやブランド、古着のセレクトやその他にもzineや生活雑貨、日本人が作っているプロダクトなど、作品との距離が近いものが多く、彼の好きな物らだけがお店に溢れていた。

住んでいる国やルーツは違うけど、自分の中で良いと思ったものを選び、目先の利益とか“なんとなくかっこいい”とかでやらないで、仲間と楽しみながら作り上げるスタイルのショップで僕らも展示を一緒にやれるという事はとても嬉しい事であった。



お店の営業時間は14:00〜18:00と一般的には短いけど、必要な人が必要なときに来るスタンスも良かった。オープニングにはビールも用意してくれて、来てくれた人達とゆっくり話しながら作品を見てもらう時間が作れた。アルハンブラはダウンタウンのリトル東京などからは15分程度で行けるが、いわゆる海岸沿いからは遠い。



この日、主に来てくれたお客さんはローカルのアーティストや前回知り合った人達がほとんどであった。考え方はそれぞれだが、まだ自分らは世のアーティストに比べたら始めたばかりだし、お客さんがいっぱい来ることを目的としてないし、実際に在廊して、その対話から作品を手にしてもらうことで共有できる流れをとても大切にしている。そうやって伝達していった物や事の方が今の時代はしっかりと伝わって行くと思うし、その実感も強い。今は世界中がネットワークで繋がる中で、この年齢のこのタイミング、そして異国の地で製作物を見てもらう機会が毎年あること自体が素晴らしい事だと思う。



9日間の展示の間、週末は在廊しながらPhillipsの家にステイさせてもらった。アルハンブラはほとんどアジア系アメリカ人が住んでいる街だから、何にせよ飯が本当に美味い。物価にしてはかなり安かった。夜には遊びに行ったりもした。彼がよく行く『Waltz』というbarは本当に最高だった。オーナーを紹介してくれて、日本から来たという話をしたらお店のオリジナルのTシャツを僕らにプレゼントしてくれた。

『Homebody』の店の中には、Broadcasting Liveを行うOrange Radioの収録場もあって、そこでミックスを録ったりしている。コアメンバーには会えなかったけど、LAABFでスピンオフのパーティー企画もしていたりする。
初日に機材を借りてオープニングパーティをやる予定だったが、来てくれた友達と話していたらいつの間にか終わってしまいDJができなかった。最終日のクロージングでリベンジしようとPhillipsに相談したら、彼がDJ duoの友達を呼んできてくれて一緒にセッションできた。次来た時は一緒にパーティーしようと、未来の話もすることができた。



今回の企画に合わせてコラボで作ったロンTをプレゼントし、みんなで集合写真も撮った。



我々の活動については次の章で話そう。



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