Bong Sadhu

mind of novice on a moment to moment #2

Bong Sadhu

Photo&Text : Mikito Hyakuno

Trip / 2025.02.14

湘南出身のアーティスト、金田大巧と百野幹人によるパブリッシング・プラットフォーム『Bong Sadhu』が訪れた、彼らにとって2度目のロサンゼルス。この地で捉えたかけがえのない瞬間は作品へと昇華され、また同じ場所へ舞い戻ってくる。そんな作品循環の一部始終と旅のこばなしを、写真家・百野幹人が綴る。

#2


まずは、僕らの活動名義である「Bong Sadhu@bongsadhu)」のことを紹介。



Bong Sadhuは湘南出身のアーティストの金田大巧と百野幹人によるパブリッシング・プラットフォーム。「アウトサイドの視点」をテーマに広大な海や自然界に寄り添う生活、ライフスタイルや「遊び」を通して得た物をアウトプットする処である。



パブリッシャーでもあるので、シンパシーを感じるアーティストと共同制作をすることもある。本は紙から自分らで選び、印刷作業から製本作業までも一括して自ら行うプロダクトがほとんど。ブックデザインも今は外注することなく、自分らで相談して制作している。写真とペイントを掛け合わせ、本を作り上げるシリーズ「dub non dub」は現段階では私たちの共同プロジェクトとなっていて、自分らのインスピレーションやコアな部分の変容などと音楽ジャンルの“dub”、その二つの親和性を強く感じ、そう名付けた。自分の写真の上にタイコウがペインティングするスタイルで今はやっている。

今回の「dub non dub 2」の新作展示は、その前の年、2023年のLA Art Book Fairに参加した後にみんなでロードトリップをした時に記録した物をマテリアルの写真で使用している。アートブックフェアで訪れた地を旅して記録し、また作品にするという活動循環を作って行くのがライフスタイルの目標でもあったから、それをまた同じ地で展示できることも良かった。





相方のタイコウとは同い年で地元の地区が隣だったけど、ちゃんと知り合ったのはコロナが始まった頃、地元で遊んでいる時だ。ペインティングがアーティストの主な活動軸にあるタイコウと、写真をやっている自分。お互いに製作していることやこういうことやってみたいという話が膨らんでいったうちにアートブックフェアに出す活動をしようということで、立ち上がった気がする。



そんな今のBong Sadhuの形は「Hipだね」と言われたことがある。東洋的な思想や哲学感、ヒンドゥー教の聖者を指すSadhuから名前の由来とっているように僕らがヒップであり続け、聖者を目指している姿そのものが活動結果になっているのだと思う。確かに、自分がここまで写真の枠を超えて活動することはBong Sadhuがなかったらありえない話であった。1番初めにcontainer graphic galleryで個展をさせていただいた時は、暗室にずっとこもり25枚を1枚1枚焼き上げてサイズジャストに額装していて、まさかその額装をディグするところから始まった「dub non dub」の展示で巡回しているとは予想ができなかったからだ。自分は20歳のときからフォトグラファーアシスタントを始め、並行して2年半撮影スタジオ勤務もしたし、同年代でここまでオーソドックスにダブルでしている人に出会ったことがない。けれども、このヒップなムーブはとても楽しくやっている。と言うか、この2軸が本当の聖者への道のりだなと、活動を通して強く思ったことでもあった。

流れる水が腐らないのと同じで、旅が人間を腐らせないという台詞を読んだことがある。
確かに、同じ地に留まっている水は腐る。人も同じことなのだろうと、自分が話した循環こそが、そうなれると信じたい。もちろん、そこにも「写真がある」という前程で。
今は民藝思想からかなりのインスピレーションを受けていて、より作品を人と近い距離感にすることや複製可能な写真というメディアからオリジナルを作るプロセスにフォーカスして展示などのモノづくりを考えたりするようになった。



そんなこんなで、今回の展示イベント中も平日に休みを取って仲間とロードトリップに行ってきた。その記録達を小分けにして出来事毎の記事にしようと思う。



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