
London, Can you wait? #13
Where have you all disappeared, Brighton people?
Contributed by Chika Hasebe
Trip / 2025.02.07
#13
今回はロンドンを出て、ブリストルとブライトンに行ってみた話。
ロンドンに住み始めてから一年半ぐらいが経とうとしている。以前書いた通り、まだまだロンドンはおろか、イギリスについて全然知らないと思う。日々いろいろなことが起こるので、ロンドンでお腹いっぱいだが、大切な人たちのお陰で、週末足を伸ばすきっかけができた。ヒッピーな街と言われるブリストルとブライトンで吹く風は?後編はブライトン。
天気がいつも通り好ましくない
ブライトンでどんなものを見られるのだろうとワクワクしていたが、天気予報が旅の前からわたしを落胆させていた。
「今週末は大雨、ストームが来ます!!」
いつも曇りでどんよりのイギリス。天気に対して基本的に何も期待していないけれど、こうしてあらかじめ予定していた旅行に雨が重なると、さすがに凹む。しかもストームってなんだ。雨は降るが、土砂降りはそこまでないマイルドな気候のイギリスに、よりによってこの週末は嵐がやってくるらしい。
文句をブーたら言ったところで晴れやしないので、とりあえず予定は変更せず行ってみることにした。会社の休みも、宿や電車のチケットも取ったので、今更全部予約し直すのも面倒だしな。

海を見せてくれ!
元々ブライトンに来た目的は、海を見るため。海が恋しすぎて枯れそうになっていたわたしを、彼氏が救ってくれた。どこか行こうよと時々話にあがっては、お互い予定を立てるのが億劫なので、話が頓挫して終わる。でも話が進まずそのままの状態で放置されているのは目障りに感じる二人なので、今回はついに彼が「行く日を決めよう」と、めんどくさいの沼から一歩足を踏み出してくれた。
ブライトンには行く前から、自分の生まれ育った場所と同じ雰囲気を感じていた。夏は観光客がビーチに泳ぎに来て、海辺の街で遊んで帰る。トロピカルな街でもないので、冬は閑散としていて、寂れてすらいる。それでも、ポツポツとやってくるサーファーと凪を見ながら、浜辺に座ってぼんやりするのがいい。
わたしは夏の海も大好きだけれど、冬の乾いた空気の海も物憂げで好きだ。晴れた日には夕焼けが地平線に沈んでいくのを見守る。わたしの中でロンドンで一番足りていないのは、この地平線に沈む夕陽なのだろう。Anders Edströmの写真集「Loops」で夕陽が表紙にあり、その光景が自分の実家の近くのレストランの席の中から見える景色に似ていたことから、勝手に懐かしさを感じたぐらいだ。多分もうわたしは枯れ始めている。

日本から持ってきたお気に入りの本の一冊。よくよくみたら、奥に広がっているのは水平線じゃなくて地平線のような気がするんだよなあ
まず街についてから感動したのが、駅から海が見えること。暖かかった電車から降りて寒さが沁みたけれど、海を見ただけで気温が一、二度上がった気がした。
そのまま浜辺まで歩いて座って海を眺めた。実家近くの海とは違って、岩石海岸だったけれど、2年前の自分も砂浜で同じように海を眺めていたことを思い出した。

あんた可愛いわね!
極寒ストーム予報だったこともあり、二日間を通して街であまり人を見かけなかった。2週間前、ブリストルの街ゆく人のファッションが、ロンドンみたいなトレンド感がなく、マイウェイなスタイルが多かったのが印象的だった。ブライトンでもどんなファッションが見られるのか楽しみにしていたのに。
代わりに見たのは看板! ブライトンのお店の外観や看板の色遣いが特に可愛かったのと、店名も面白いところが多かったので、写真に撮ってみた。



なぜかブランド偽物ぽいバッグも売っているネイルサロン

近寄ってみると、流行りのGrillzなのか、5ポンドでダイヤが付けられるらしい。ダイヤをフォトショしてて面白い


色が可愛いフィッシュ&チップスの店もブライトンの特徴のよう


店内はおしゃれな普通のパブ。ちょっと手相占いを期待していた
みんな叫びたい?
金曜の夜とは思えないくらい街は静かですれ違う人の数もまばらだった。それでも絶え間なくどこからか叫び声が聞こえる。若者が騒いで叫んでいるようなものもあれば、気が狂ったような叫び、大声で歌っている声も。彼氏が「街の住人みんなが叫んでいるみたい」と呟くぐらい色々聞こえた。

海辺の広い通り。夜の街を散歩した
ライムバイクで夜の空っぽの道路を颯爽と走る若い男の人の後ろで、誰かがずっと彼に向かって叫んでいる。チャリに乗ったまま彼もその罵声に、「Who?」「Who?」と叫びながら応答。何回かラリーした末に、チャリの男の人が、「I don’t know You!!」と最後に吐き捨てて去っていった。知らない人同士が叫び合って会話になっている。ちょっと面白かった。
22 Nov - 23 Nov ブライトン
ブライトンでの二日目は、予報通り嵐だった。一日中雨と共に風が身体に纏わりつき、あまりいい気分にはならなかったので早めに帰ることにした。翌週の月曜日、「どうだった?」と同僚たちに聞かれて、「ここも行った?ここは?」と今更おすすめスポット攻めに。みんなそんないいところ知ってるなら早く言ってくれよ(笑)! また夏になったら、違う顔をした海を見に来ようかな。

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Chika Hasebe
1998年生まれ。2023年5月よりロンドンに拠点を移し、報道記者の仕事に従事する一方、フリーライターとしてカルチャーについて発信もしている。









































































































































