
Beginning of my new Life #52
終わりに近づく日常
Contributed by Asuka Naka
Trip / 2025.03.17
番外編として高校生の頃に訪れたアメリカでの交換留学の様子をお届け中。
アメリカ留学も残り一ヶ月に近づいてきた。少しずつ最後の○○が増えてきた。最後のオーケストラバンドコンサート。一年間一限で受け続けたこのオーケストラバンドのクラスの時間は私にとって幸せな時間であった。朝からみんなで楽器を演奏できること以上の贅沢はないだろう。そして毎月のように違う楽曲を弾いてコンサートをしていた。遠足のようなものもあり、このクラスでの経験はとても貴重なものであった。最後のコンサートの時には、このメンバーで音を奏でることがもうできないのかと思うととても寂しい気持ちになった。音楽にはそう思わせてくれる感動がある。

そして登校日も限られてきているある日の朝、近所に住む友人タイリークが赤いガウンとハットを身に纏っていた。卒業式だ。タイリークは学年が一つ上だったので、この日で高校卒業。一体今頃彼はどんな大人になっているのだろうと不思議に思う。またノースカロライナを訪れる時には顔を合わせられたらいいなと思う。この卒業式の日は卒業生皆がドレスやスーツなどフォーマルな服に赤いガウンとハットを被っていた。ハヨンのホストシスター、その周りの仲良くしてくれた子達も卒業だった。同じクラスをとっていた子達の中にも卒業する子がいた。アメリカの高校では基本的に学年を混ぜてクラスを選択できるので、年下もいれば年上もいた。何だか感動的であると共に寂しかった。彼らは人生の次のステップに行こうとしている。そして私は日本に帰国という次のステップなのかステップを戻るのかよくわからない状況に不安を感じた。

そして数日後には最後の登校日。普通のクラスメイトにとっては夏休みが来るというだけの話であった。みんな喜びに満ち溢れ、夏休みの予定を聞き合う。なんせ2−3ヶ月もの休みがあるのだから、予定は様々。しかし私は、この学校の生徒としてこの学校に登校するのが最後であった。そしてそこにいるほとんどの人と二度と会うことがない。そう思うととても悲しかった。しかしこのアメリカでのハイスクールライフをやり遂げたことに違いはなかった。最終日とはいえスクールバスは定刻通りに出発するので逃すわけにはいかなかったけど、帰る前にバンドクラスの先生に挨拶に行った。一年間ありがとうございましたと伝えたかった。そして折紙を渡した。この先生が私の一年間の成長を見守っていてくれた気がする。何もできない私に助け舟をいつも出してくれていたのだ。できる限りに感謝を伝え、私は急いでスクールバスに乗った。そこにはいつも通りにマリアの姿があった。こちらを向いていつもニコッとしてくれるので、帰りのスクールバスは安心感があった。これも最後かと思うととても寂しい。交換留学生の出国日も人それぞれで、1人ずつ母国に帰る。マリアとは、それまでにたくさん遊ぼうねと約束して家に帰った。

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Asuka Naka
湘南出身、イギリス在住。アメリカ高校留学を経験し、イギリスの大学に進学。高校生から旅人デビュー。現在はヨーロッパを拠点に旅する真面目大学生。海外生活、旅をトピックにシェア。










































































































































