
As I Like It #43
Londonのランデブー
Contributed by Utano Katayama
Trip / 2025.03.24
#43
ランデブーという言葉には「待ち合わせ」という意味がある。
そう、今回はロンドンで大学の大切な友人と再会したときのお話。
大学で同じ学部の仲良し組、セリナとミレイがロンドンに来てくれることになった。来てくれると言っても、ミレイはロンドンから少し離れたところの大学に、セリナもフィンランドの大学にそれぞれ交換留学していて、私たちは偶然にも近くにいたのだ。
3人のうち2人がイギリスにいるということで、集合場所はロンドンに。セリナも来たことがないから行ってみたい! と言って、わざわざフィンランドから駆けつけてくれた。
1泊2日だからトランクではなく、大きなカバンに荷物をぱんぱんに詰め込んできた今回のプチ旅行。何かを取りたくても、そう簡単に取り出せないのがもどかしくていちいち手こずるけど、そんなことはどうでもいい。とにかく久しぶりに2人に会えることで胸がいっぱいなのだ。


少し早くロンドンに着いて、周辺をぷらぷら歩いているとクリスマスツリーを販売しているお店を見つけた。小さい背のモミの木から大きな背のものまで、たっくさん並べてある中から自分のお気に入りの木を探してお家に持ち帰れるシステムみたい。
子供のころ読んだクリスマスツリーの絵本をふと思い出して、幸せな気持ちになった。本の名前は忘れてしまったけど、クリスマス前にお父さんとモミの木を選びに行くシーンがあったはず。違う国にはこんな世界があるんだと知って、とてもお気に入りだった本。その時想像していた光景が目の前に広がっていて、なんだか嬉しい。

集合場所のHarrodsへ向かうと、角に見慣れた2人の姿が見えた。ロンドンに2人がいる! 人混みの中で、急に何だかふっと気が抜けて嬉しかった。場所はいつも会っていた大学の景色とかけ離れているのに、何だかいつもここで会っていたみたいに、違和感なく溶け込めている2人。ロンドンで集合なんて、何だか大人になった気分で少しドキドキする。
セリナは夕方に着くフライトだったから、3人集まった頃にはお腹が空く時間になっていた。実は、私たちの誰ひとりとして計画性を持ち合わせておらず、みんなその場の気分で決めるのんびりタイプ。3人いたら1人くらいは計画が好きなタイプがいてもいいんだけどね(笑)。
大した当ても、リサーチ結果もないまま、とりあえずチャイナタウンに向かってみる。チャイナタウンは、ブロードウェイに並ぶミュージカルの本場、ウエストエンドの通りに面していて、その辺りを歩いているだけでも楽しめるから観光がてら丁度いい。
この日もチャイナタウンは国際豊かな人たちで大賑わい。上には赤い提灯がゆらゆらと暖かい光を放っていて、気づけば私たちの口もすっかり中華の気分になってしまった。

写真では伝わりにくいけど、とっても広くて活気がある! 至る所に赤色と漢字が使われていて、ここだけまるで別世界にやって来た感じ
中華料理のお店が所狭しとずらずら並んでいる中から、私たちの直感でひとつ選んだ。こういうときは案外すぐ決まる。入り口にあったメニューの写真が美味しそうという、1番簡単な理由だ。

小籠包。これが食べたかった!

海鮮ビーフン。日本の焼きそばに少し似ていて美味しい
コーラで乾杯してから、ゆっくり話す隙もなく次々と料理が運ばれてきた。3人とも久しぶりの再会で嬉しかったのか、お腹がとても空いていたのか、女子3人とは思えないほど沢山のメニューを頼んでしまった。一つ一つのおかずの量がとても多かったのは想定外。
美味しい中華を囲みながら、溜まっていたお互いの話にゆっくりと耳を傾けられるいい時間だった。
セリナのフィンランドの北欧暮らしは何回聞いても心地いいし、ミレイの大学での日常も刺激的で面白い。会話が尽きないのが不思議なくらい、私たちには話すことが有り余っていたみたい。パッと選んだこのお店も大当たりで、何を食べてもぜんぶぜんぶ美味しかった。行き当たりばったりも新しい発見があって楽しいよね。
お会計を済ませ、私たちは重いお腹を抱えてとことこ歩き出した。どこかパブに寄ってもよかったんだけど、飲み物もいらないくらいとにかくお腹がいっぱいだった。もうそこそこ良い時間になっていたから、明日に備えて今日は早くホテルに帰ることに。
さっき気がついたけど、話に夢中で明日の予定を全く決めていないけど、何とかなるかな。

セリナのスーツケースを交代で持ちながらロンドンの街を歩く。
ロンドンは光が降ってきそうなくらい、どこを見渡してもキラキラしたイルミネーションに覆われていて、冬でも不思議と暖かい気持ちになる。


こっちで見かけるクリスマスツリーは、びっしりオーナメントとライトで埋め尽くされていて、豪華で可愛いものばかり
次の日。この日は活動的な日にするため、早起きしてモーニングへ向かった。場所はロンドン(コヴェント ガーデン)でとても人気のベーカリー、Chestnuts Bakery。
レジで注文するまでに長い列をくぐり抜けないとオーダー出来なかったんだけど、今回は逆にそれがラッキーだった。ちょこちょこと少しずつ前に進みながら、魅力的すぎるパンを前に、ゆっくりと考えられる時間があった。


結局甘いものを選んじゃうんだけど、本当にここのクロワッサンは格別。とっても美味しかった!
バターたっぷりの生地×サクサクの食感に、みんな虜になるんじゃないかな。
ここでパンを頬張りながら今日のプランを練る。私たちの1日はまだまだ長い!
たっぷりのバターでエネルギーを貯めて、活動的な日にしないとね!
続きはまた次回!
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Utano Katayama
2000年生まれ、京都在住の大学生。自分探しも兼ねてイギリスのBrightonという海沿いの街に留学中。イギリスのカルチャー、世界観にますます惹き込まれている日々を綴った"As I Like It"をContainerにて連載中。自慢できることは何でも食べられること。食、アクション映画が好き。










































































































































