「フランスが教えてくれた5つのこと」

Vive les vacances ! ~Time to spare Heart to spare~ #41

「フランスが教えてくれた5つのこと」

Contributed by Mizuki

Trip / 2025.03.31

Vive les vacation!=“バカンス万歳!”
バカンスを生きがいにし、「暮らし」や「人生」に豊かさを求めるフランス人の生活を表す言葉。そんなフランスに留学中の大学生Mizukiさんが、現地から仕事やお金に執着せず、日々の生活をどう楽しむか、豊かな暮らしを送るヒントをシェア。


#41


私は16歳で初めて渡仏し、その5年後またフランスを留学先として選んだ。

「どうしてフランスを留学先に選んだの?」「どうしてフランスにこだわるの?」 帰国後そんな質問を何度もされた。

その答えはと言うと、不思議なことに自分でもハッキリとした回答が思い浮かばない。

でも、世界中どこを旅しようと、日本に帰って来ようと「やっぱりフランスが好き」「フランスに戻りたい」そう心の中で囁く自分がいる。





最後の留学から約2年経過し、ついに社会人になるまでのカウントダウンが始まった。「このままで良いのかな」「このまま後悔しないかな」など、この先どうなるか分からない人生に対して不安になったり焦りを感じる自分がいた。

だからこそこのタイミングでフランスに行こうと決めた。

フランスに行けば本来の自分が戻ってくると知っていたから。
 
約1週間の小旅行ではあるが、「生活するように」が今回の旅のテーマ。あえて予定は組まず「日常」を味わうことにした。
 

 
3月前半のパリはまだ肌寒いのが一般的だが、今回は春のような暖かさに恵まれた。人々は太陽を求めて公園やセーヌ川沿いに一斉に集まる。そして読書を楽しんだり昼寝をしたりして、それぞれの時間を過ごす。その姿はまさにフランス人の「時間に縛られない」生き方が体現されているようだった。
 




私も皆と同じように、緑色の椅子に腰かけた。そして幸せな空気を吸いながら、今までのフランス生活についてただただ振り返った。



振り返ってみると、留学を終えた私の人生はより豊かになった。それは仕事やお金に執着する「豊かさ」ではなく、人生をいかに楽しく生きるかのマインドセットを備えた「豊かな」自分である。


1.「自分は自分!」
自分軸を持って周りの意見に流されないこと。フランス人は人と比べるのが大嫌い。だから自分にとって何がベストか、何が幸せかは自分で決めるし、自分にしか分からない。

2. 「ロマンを持って生きる」
「ロマン」とは、夢や目標を持って生きること。フランスでは現実的になりすぎるのはナンセンス! 夢はみて良いもの。また日常をときめくように「ロマンティック」に生きることにも言える。例えば、なんでもない日にマルシェで花を買って帰ること。

3.「ナチュラルが一番美しい」
フランスから帰ると、日本のビューティースタンダード(美の基準)の高さに驚く。フランスでは「自然」こそが美しいとされる。また「エフォートレス」なのもポイント。だから仕事や学校には最低限のメイクアップで済ませるし、ネイルもしない。高級レストランの料理と同じように、素材をどう生かすか、どう美しく見せるかをフランス人は知っている。

4. 「頑張りすぎないで!休んでいいよ。」
何度も紹介しているが「バカンス大国」のフランスは休暇が多い。真面目な日本人からすると怠けているように聞こえるかもしれないが、フランスでは「休むこと」=(生産性の向上)という考え方が浸透している。休むことで心身を解放し、次の活動をよりエネルギッシュに行えるように備える。だから休むことはむしろ良いことなのである。実際フランスの労働生産性の高さは日本よりも高いとも言われている。

5.「期待しすぎない。心を広くして。」
フランスで生活すると、スムーズに物事が進まない。それは全く自分のせいではなく、ただフランスのペースに合わせるとそうなる。電車が遅れる、住居や銀行の手続きがいつまで経っても終わらないなど、日本では不自由しなかった壁に直面することが多い。でもそれをたくさん経験したおかげで「期待しない」「広い心」を持つことを学んだ。なぜならそれにイライラしたり反発しても何も変わらないからである。その代わり「日本って素晴らしい!」そう捉えるようになった。



上記の5つは少しの例にすぎないが、今後の人生で困難に直面したときもこれらのマインドセットさえあれば乗り越えられる気がする。



次にフランスに戻る日は未定。だけど心の片隅でまだフランスを諦められない自分がいる。


Mizuki



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