World big, up close  -世界はこんなにも広く、近くにあった-

my milli mile #8

World big, up close -世界はこんなにも広く、近くにあった-

Contributed by Yuka Ishiyama

Trip / 2025.04.01

2022年のフィンランド留学中に生まれた、私だけのストーリー。そのストーリーを綴れば、私はあなたをほんの少し、近くに感じるだろう。そして、この広く大きな世界にほんの少し、近づけるだろう。
大学生のYuka Ishiyamaさんがフィンランド留学中のあらゆる瞬間を独自の視点で切り取り、出会いのストーリーとして全8回でお届け。


#8




私はいつの間に、ヨーロッパが大好きになっていた。

世界はこうして、土地による文化や言語、人の違いが交差し続け成り立っていたんだ、と思う瞬間に沢山出逢うことができた。私が今まで知らなかった世界のカタチを体現することができたのは、“ヨーロッパだから”だったのだろう。


ヨーロッパで一年を過ごし、旅をする中で私は「世界はなんて広いのだろう」と何度も思った。見たことのない景色に出会うたびに、自分の知る世界が広がっていった。

そしてその景色の先で「世界はなんて近くに存在しているだろう」と何度も、強く感じた。自分の目で見た世界の広さと同時に、近い距離に心温まる瞬間も沢山あった。


知らない街にいても、案外近くに変わらない何かや親しみのある何かがあって、いつの間にかそんな何かを発見した時のワクワクと特別感が大切になり、その小さなサプライズの虜になっていた。

それはきっと、そこで出逢った一人一人の持つ物語が感じさせるものなんだろう。

昨日までは地球の真反対にいた見ず知らずの彼らも、その人のストーリーを聞けば、私たちと同じように色々な感情と共に日々を生き抜いている1人だった。世界中の何処で出会っても、会う人それぞれにそれぞれの物語があり、そんな物語を通して私達は繋がりを持つことができた。

そしてその物語が彼らにとって、ささいな日常だとしても、それは私たちを繋ぐ大切で特別なストーリーであることに気がついた。




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ポーランドのワルシャワにある広場を歩いていると、聞き覚えのある電話の着信音がなりだした。私はふと、日本にいるおばあちゃんを思い出す。知らない土地で響き出した着信音が、うちのおばあちゃんが使う着信音と同じだっただけで、私はとてつもなく広い世界の存在を、家族のように近くに感じることができた。


チェコの都市、プラハの観光地、1人で入ったお店。

店主がやってきて、街のことを話してくれた。観光や歴史を優先するが故に、住人の為の土地の整備が進まないと不満を抱えていた彼女に、私は親しみを覚えた。旅する街のキラキラした部分だけでなく、そこに住む人々の話を聞くことで、私は自分がそこで見る景色を色々な視点から見る事ができた。


「世界は大きくて広いけれど、それと同時に近くて親密だ」というメッセージが、このコラムを綴る中で、誰かに届いていたらいいな、と思い続けていた。

そしてここで最後に残したい言葉も、ずっと変わらない。

あなたにしかない物語は、日常から非日常の至るところに存在する。私はこれからも、そんな物語を大切に愛を持って抱えていきたいし、その特別をこうして誰かに共有する時間を大切していきたい。

私はそこに、幸せのヒントすらあるんじゃないかと思っている。世界一幸せな国、フィンランドで暮らして感じたことも、色々な処を巡り、ここへ落ち着いた。

旅はこれまでも、そしてこれからも、私に広くて近い世界の姿、私達の姿を見せ続けてくれる。


“My Mille mile”
私のマイル単位でもミリ単位でも繋がる世界のお話。あなたもこの旅の何処かで、「世界の誰もが独りでなく、近くで繋がっている」そう感じる瞬間に出逢えていたら嬉しいです。


LOVE,











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