「SNOW MOUNTAIN」<br> 雪山の魅力。</br>

「SNOW MOUNTAIN」
雪山の魅力。

Photo: Tetsuo Kashiwada

By / 2019.03.01

小学生の頃、スキーに熱中していた。冬になるとスクールバスに乗り込みゲレンデへと向かう。バスの中で心躍らせながら、「今日はどのコースをすべろうか?」 なんていつも考えていた。直滑降で一気に滑り降りたり、パラレルターンに挑戦してみたり、時には樹氷の間をくぐり抜けてみたり、スキーを心の底から楽しんでいたのを覚えている。お昼ご飯は、いつもカレー。なんてことのないカレーライスのはずなのに、やけに美味しく感じられた。あんなに雪山が大好きだったはずなのに、10年以上もウィンタースポーツとは無縁の生活をしていたことに気がついた。
そんな矢先、THE NORTH FACEプレスチームから素敵なイベントに誘っていただいた。その名も「SNOW MOUNTAIN」。ご存知の通り、直訳すると「雪山」。THE NORTH FACEとBEAMSがタッグを組み、プロダクトだけでなくアウトドアの本質やカルチャーを実際にフィールドに出て体験してもらいたいという思いから始まったイベントである。今回の内容は、人気のウィンターアクティビティを体感できるというもの。今回、3月の一般開催に先駆け、メディアプレビューが行われ、Container編集部も参加させていただいたのだ。(一般開催もすでに終了しています)



東京にいれば雪が積もることは年に1度あるかないかだし、雪を日常的に見る機会は皆無だ。でもなぜだろう、寒さは苦手だけれど、雪山と聞くと不思議とワクワクする。初めてのウィンターアクティビティ体験に期待と不安が入り混じりながら、開催地となる長野県・野沢温泉村に向かった。最寄り駅に降り立つと、あたりは一面銀世界。東京からわずか2時間でこんな景色に出会えるのは新たな発見だった。しんしんと降り積もる雪を見ていたら、やっぱりワクワクしてきた。バスに乗り換え、開催地へと向かう。

今回用意されていたアクティビティは2種。今話題のウィンタースポーツ “クロスカントリースキー”とパウダースノーの雪原を歩く“スノーシューハイク”だ。1泊2日の工程の中で、濃密なアクティビティプログラムを思う存分体感することができた。


“クロスカントリースキー”


“スノーシューハイク”

1日目は、クロスカントリースキーを体験。もともとは移動手段として北ヨーロッパで発達したスポーツで、オリンピック競技にもなっているノルディックスキーの一種だ。過酷な競技ではなく、子どもからお年寄りまで楽しめるアクティビティとして幅広い層に人気なのだとか。滑り下りるのが基本の普通のスキーとは違い、平地や登りも体験できる“歩くスキー”として、それぞれのペースで冬の自然を満喫できる。スキー経験がなくても気軽に始められる、初心者にぴったりのウィンタースポーツだ。



専用のシューズに履き替え、フィールドへ。





インストラクターの江口和也さん、池田勝忠さんのお二人からレクチャーを受けながらスキー板を装着し、まずはウォーミングアップ。







その場でジャンプしたり、足を伸ばしたり、簡単なステップを踏んだり、一回転したり、様々な動きでスキー板を徐々に体に慣れさせていく。寒さで冷え切った体も、動くとだんだんあたたまってきた! ウォーミングアップは完了。早速アクティビティスタート。



まずは歩いてコースを1周。慣れないスキー歩行に、最初はおぼつかない様子。



2、3周もすると、全員がスイスイとコースを滑られるようになっていた。感覚さえつかめば誰でも簡単に滑ることができた。

いよいよメインとなる森林コースへ。森の中に入ると雰囲気が一変。雪をまとった木々たちは、「ここ日本?」と錯覚してしまうほど幻想的な空気を漂わせていた。一般的なスキーでは、滑ることに夢中になってしまうが、クロスカントリーはゆっくりと自然を感じられるのがポイントだ。コースは、傾斜がついた下りや緩やかなカーブもあり、飽きずに楽しめるバラエティ豊かな内容になっていた。特に傾斜のついた下りのポイントは、スピードもでて、エキサイティングだった。



もちろん、慣れない下り坂に転倒者も続出し、笑いの絶えないアクティビティとなった。その後は、コーヒーでひと休み。冷え切った体に温かいコーヒーが沁みました。



1日目のアクティビティを終え、宿泊先の野沢温泉村へと移動。



温泉街は、昔からある建物が建ち並び、どこか懐かしい雰囲気が漂っていた。このエリア一帯には、13カ所の共同浴場があり、外湯めぐりを楽しむ事ができる。スキー場と温泉の組み合わせというのは、世界的に見ても日本だけ。たくさん動いた後の温泉はやっぱり格別だ。体の芯まで沁み渡り、骨の髄まで癒された。「日本に生まれて良かった!」と心の底から思った。



夕食は参加者全員で食卓を囲み、今日の感想をあれこれ話し合いながら、楽しい夜は更けていった。



2日目は、スノーシューハイクを体験した。ふかふかの雪の上を自由に歩き回るスノーシューハイクは、西洋式の「かんじき」を履いて、雪の上をハイキングするアクティビティ。難しい技術は必要ないので、冬山初心者でも無理なく楽しむことができる。会場のなべくら高原は、ブナの原生林が広がる美しいエリア。森の中で動物の足跡を探したり、見渡す限りの大雪原をのんびりハイキングできるフィールドだ。前日の雪が嘘だったかのような晴天、まさにスノーシュー日和!



最高のコンディションだった。天気が良いと無条件にテンションも上がってくる。







ガイドの浅野慧さんからレクチャーを受け、初めてのスノーシューを装着してみると、なんだか不思議な感覚。小さなスキーと例えるには短すぎるし、「本当に雪の上を歩くことができるのだろうか?」 と少々疑問が湧いてきた。半信半疑でハイキングコースへと向かう。



コースとはいったものの、整備された道というわけではなく、足跡ひとつついていない林の中。だから、道はあってないようなもの。こんもりと積もった雪はなんと高さ3メートル!「 スノーシューがなければ一気に下半身まで雪に埋もれてしまいますよ」とガイドの浅野さんの話を聞いて、このアイテムの凄さを理解した。



まっさらな雪の上を歩くとふかふかしていて気持ちいい。この感覚はクセになりそうだ。スノーシューでサクサクと森の中へと足を踏み入れていく。



澄み切った空気、凜とした雰囲気、木々から漏れる光が一体となり、森に包み込まれているような感覚。物音一つしない静寂の中で、耳をすまし、神秘的な光景を味わった。

森を抜け、平地のエリアへ。ここではスノーシューを履きながらで走ったり、雪にダイブしたり、思い思いの遊び方で雪上を楽しんだ。







雪の上に仰向けになりながら、真っ青な空をしばらく眺めていると、自然と心が安らいだ。都会では絶対に体験できない感覚だ。



最後に全員で記念撮影。最高の笑顔でパシャり。夢のような2日間のプログラムはこれにて終了。

アクティビティをこんなにも楽しめたのは、素晴らしいロケーションはもちろんだが、運営のTHE NORTH FACEチームの存在がとても大きかったと思う。常に僕たち参加者のことを考えながら、先回りして準備を進めるチームワークは、本当に素晴らしかった。そこには彼らのイベントに対する熱い思いが表れていた。

このイベントが開催された大きな目的は、参加者にアウトドアフィールドの魅力を伝えること。それと同時に、THE NORTH FACEのウェアの機能性をフィールドで体感して欲しいという思いからだ。昨年夏にMOUNTAIN FESTIVALというアクティビティ体験イベントを開催しており、こちらも思いは同じ。ファッションのイメージも強い本ブランドだが、実際のスペックはフィールド仕様。街でも山でもオールマイティに着用できるアイテムばかりなのだ。アクティビティを楽しむ上で、ウェアはなくてはならない存在。雪山の気候に対応できるレイヤリングとシェルの防風・防水性が必要不可欠だ。昨年末に発売されたTHE NORTH FACE × BEAMSのコラボコレクションは雪山仕様のアイテム。今回はそのコラボアイテムを着用させていただき、アクティビティに参加した。抜群の防水性やベンチレーション、止水ジップなど確かな機能性とこだわりの仕様を肌で感じることができた。

一般的にウィンタースポーツといえばスキーやスノーボードをイメージするが、雪山の遊び方はこんなにもたくさんあることが分かった。情報だけでは絶対わからない、新たな体験が雪山の魅力を再確認させてくれた。自然の素晴らしさ、アクティビティの面白さ。非日常的な感覚をみなさんにもぜひ味わってほしい。

今回のフォトギャラリーが特設サイトにて公開中。こちらもぜひチェックしていただきたい。
https://snowmountain.info

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