LUKE magazine SECOND ISSUE

LUKE magazine SECOND ISSUE

Hello, Work! 「僕たちの仕事論。」発行!

Contributed by LUKE magazine

By / 2021.07.16

“anna magazine”の姉弟誌LUKE MAGAZINE第二号の発売が2021年7月29日(木)に決定しました! 今回は熱い気持ちで夢を追うサーティーエイジャーズたちに、自身の仕事について話を聞いた「Hello, Work! 僕たちの仕事論。」特集号です。

さまざまな業種で奮闘するサーティーエイジャーズたちに、何を考えて仕事と向き合っているのか? 何を目的に仕事をしているのか? 将来の夢などについてインタビューをしました。今回も前号に引き続き21人のサーティーエイジャーズが登場します。あらゆる職業に就く21人の仕事論を知り、サーティーエイジャーズの仕事に対する想いに触れることができる一冊になっています。


【不確実な時代の「仕事」について。】

ハンケチ、ハナガミ、カネタバコ。

会社に出かける前に、父親が毎日玄関で唱えていた言葉。僕はその響きが大好きだった。今日も父親が僕の知らないどこかの仕事場に向かい、汗をかいて仕事をして、僕らの生活を守ってくれている。毎朝必ず聞こえてくるその不思議な呪文が、いつでも僕を安心させてくれていたのだ。

大人になれば、誰もが社会のために働く。子供の頃は、そんな未来の自分を信じて疑わなかった。でもすっかり大人になった僕といったら、仕事をする意味そのものにさえ迷い続ける日々だ。ある朝突然モチベーションがむくむくと湧き上がり、僕を力強くゾーンへと連れて行ったかと思えば、「あれっ」という感じで一瞬のうちに月曜が大嫌いになったりもする。はっきりわかっていることは、仕事というものが、自分にとって心地いいテクスチャーばかりじゃないということくらいだ。

仕事とは「誰かにとって価値があるサービスを生み出して対価をいただく」行為だ。だから世の中が成熟すればするほど、価値を生み出すことは難しくなる。なぜなら現代は「生活」する上での最低限の欲求というものがほとんど満たされているから。思いつきやアイデアを単に形にしただけでは、新しい価値は生み出せないのである。だとしたら物質的には信じられないほど豊かになったこの時代において、仕事をする上で一番必要なスキルは「主体性」なのだと思う。だって自らが何も思考することなく、誰かに言われるがままに目の前のことだけに向き合っていたら、どんな仕事も苦しくなる一方だし、今の自分が正しい場所にいるかどうかさえわからなくなってしまう。
今回取材した21人のサーティーエイジャーズたちは、その全員が仕事について自分の言葉で話し、自分の頭でイメージし、自らの責任でトライし続けている。なによりも、「自分にとって」ではなく「誰か」にとって価値のあることをする、それが彼らが仕事をする意味なのだ。お金のためではなく、自分という人格が今の時代を生きる意味を証明するために。
世界がどれだけ大きく変わっても、自分らしく働けているかどうかは、結局のところ現在地において自分自身が「主体的」であるかどうかに尽きるのだ。この不確実な時代に「仕事」について改めて考えたこの号は、日本中のサーティーエイジャーズのために綴る、仕事と仕事の正しい関係性を紐解くためのライナーノーツである。

ハンケチ、ハナガミ、カネタバコ。
僕はいま、自分らしく働けているだろうか。あの日の父親のように。

LUKE MAGAZINE編集長 須藤亮

〈掲載者一覧〉
美術館研究員・大学講師・ライター 浅野菜緒子 / フリーター 荒田研成 / 主婦 安藤遥 / 月仲山 称名寺 副住職・煩悩クリエイター 稲田ズイキ / スタイリストアシスタント 内山晴輝 / 「minoi」オーナー 大和田晋吾 / OKAMOTO’Sボーカリスト オカモトショウ / バレーボール選手 小野寺大使志 / フリーランスPR 勝山龍一 / AMORE n AMIGO MIYAKO ISLAND店主 佐藤壮太 / 経済学者・詩人 ジョージ・ネルソン / プロレスラー 定アキラ Alma Libre代表 Kaguya Asuka / OHYA BASE 管理人 藏所千尋 / 林業 中村純 / 介護士 袴田哲文 / 映像ディレクター Foolish / 一般社団法人フィッシャーマンジャパン 事務局代理 松本裕也 / 移動式銭湯 三宅天真 / スペイン語通訳・動画編集 山中敦史 / ラーメン屋「ramen RAIJIN」オーナー 吉田洋史 / Push & Pour Coffeeオーナー ルーカス・エルレバッハ

Tag

Writer