“Travel is ENCOUNTERS” (カリブ篇) #10
Photo, essay by T.T.Tanaka
Local / 2018.12.10
“I am a hero!”
セント フランシス, グアドループ(フランスの海外県@カリブ)
セントフランシスのマリーナギャラリーを出たら、大屋根の影の中でワンちゃんがお昼寝していた。
しばし話しかけてヨシヨシしてたら、カフェにいる皆がこっちみてスマイルしていた。
陽が傾いてきたし、そろそろ宿に戻らなければと外に出たら、歌声が近づいてきた。。
わあ、シルエット!
バイクの乗りこなしいいね。お、ノッてるじゃん。体がリズミック。i-phoneイヤフォンだし、随分声の音程ズレてるみたいで曲名かさっぱりわかんないけど。。素敵な素敵なシルエットだ。
背景が明るいとシルエットも際立って見えるんだね。
舞台でライトを浴びているみたい。” I am a hero!” “ Yes, you are!”
いいなあ。。。
Terre de Haut, Guadeloupe; by T. T. Tanaka
“Colors in high contrast”
テールドオー, グアドループ(フランスの海外県@カリブ)
イエロー、レッド、グリーン、ブルー・・がキラキラ光って近づいてきた! と思ったら、一瞬おとなしくなって、そしてまたキラキラ光って過ぎていった。
そのレディーは最初見た正面も振り返って見た背中も輝いていた。その幕間もしっかり脳裏に残った。
真上から照らすサンシャイン。少し向きが変わるだけで反射したり影になったりする。
そうそう。真っ先に目に飛び込んでくるのはハイコントラストの世界なんだね。
外にあるあらゆるものがハイライトとダークで見える。でもじんわりその幕間の色も見えてきて表情豊かで素敵なんだ。
一気に変わる色の表情を身にまといながら女性がまた素敵に通り過ぎていく。
Moule, Guadeloupe; by T.T.Tanaka
Moule, Guadeloupe; by T.T.Tanaka
“Pop-up colors”
ムール, グアドループ(フランスの海外県@カリブ)
旧港、ムールを歩いていると、壁のカラーが目に飛び込んでくる。
無難なカラーを選びがちな大都会とはだいぶ違う。 もうこういう目立つカラーに出会うだけでウキウキしちゃうんだもんね。
でもこのカラー、よく見ると多くは影の中なんだ。この影は色のない暗~い感じじゃない。時間とともに明るさが厚くなったり薄くなったりする生きてるベールみたい。だからカラーの表情が変化して楽しい。
それにこのグラフィックのデザイン。素敵だね。Pop-up colors!
壁をじっとみていたらシャーベット欲しくなっちゃたよ~。ライムソルベ、ライムソルベ~!
あ、いかん! Sweetsを思い浮かべてたらさっきまでいたネコちゃん撮りそびれちゃったよ~。
Terre de Haut, Guadeloupe; by T. T. Tanaka
“Cool Cat”
テールドオー, グアドループ(フランスの海外県@カリブ)
そうなの。猫はクールなところを良く知っている。
グアドループは太陽が傾いているのは朝と夕方だけであとは頭上たか~くたか~く上がっている。昼間はだから影が真下に小さいんだ。
アウトドア派のネコちゃんたちは大変。しっかり影の位置を意識して、すこしずつすこしずつ場所をチェイスして移動している。
ほら、ちょうどいいところでキモチよさそうでしょ?
僕がすぐ近くまできてもこわがらないでスヤスヤ。。きっと、ここの皆やさしいんだね。目が覚めたら、お散歩して運動してきてね。影に沿ってあるいていいからね。
うん。あかーいお鼻がかわいい。
Terre de Haut, Guadeloupe; by T. T. Tanaka
Terre de Haut, Guadeloupe; by T. T. Tanaka
“Silhouette in blue”
テールドオー, グアドループ(フランスの海外県@カリブ)
陽が傾いてきた。空の色がどんどん赤く染まり今日も陽が落ちていった。そしてブルーに染まり、街の明かりが、ほんのりともってきた。
空は一気に濃紺になって、山のシルエットがくっきりダークに浮かんできた。あの山頂のナポレオン要塞まで歩いていったんだ。
もう大きな船は来ない。あんなに賑やかだった鳥さんたちもお家に帰ったんだね。ちょっとさびしい。打ち寄せるチャプチャプという波の音。
おなかがすいていたことに気づいた。今夜はあのお姉さんの海辺レストランに行って、地魚Queen snapper(注; 鯛に似ている)のリゾットを食べよう!
Quiet nights of quiet startsのメロディーがpianoにのって流れてきた。今夜も星たちに会えるかな? 日本のあの人が見たのと同じ北斗七星を見ながら眠りにつきたい。。
“Shadow, silhouette, and smiles”
Shadow—影。カリブにいると昼間は太陽がてっぺんからそそぐ。Shadowは真下にくっついている。明るいときは小さくコンパクトに。ほら、木の真下に出来てるでしょ?
だから大きな木はとーっても大切。貴重な影のお蔭で人々も生きものたちも一息つくことができる。鳥さんもネコちゃんもワンちゃんも。。カップルもね。
昼間は自分のshadowは小さいからあまり意識しないけど、sunrise, sunset時には自分のshadowが長ーくなって自分自身の存在に気づく。一日の始まりや終わり、自然の生命リズムを太陽を意識しながら自分に戻ることが出来る。
Silhouette--シルエット。これもカリブでハッとしたんだ。背景が明るいからシルエットがくっきり。シルエットの裏側はピカピカに明るく反射して色を放っている。シルエットは色がない。東京では外であるいていてもあまりシルエットを意識することはない。そうそう。ステージのバックライトのシルエットはあるよね。カリブでは普通に歩いていてもシルエットに沢山出会う。シルエットは色じゃなくてカタチ。お家のカタチ、パームツリーのカタチ、ヨットのカタチ。。そして人々のカタチだ。男性の素敵なシルエットも女性のハッとするシルエットもたくさん。生活のあちこちにハレのステージの登場シーンが毎日生まれている。素敵なカタチに今日も出会える。うん? 僕のシルエット。。。うーーーん。
光と影とか、明があったら暗はあるんだとか普段から自分も言ってしまう。でも影やシルエットはもともとイキイキして美しいし、それ自身しっかりメロディーを奏でている。現代のピアノの黒鍵と白鍵のように。
とっても元気になった。Smiles. ありがとう。カリブ。
フォト、エッセイ by T.T.Tanaka
イラスト、ロゴデザイン by 瀧口希望
カリブに関することはこちらのカリブノートをチェック。
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T.T.Tanaka
のっぽの体形からつけられたニックネーム、トーキョータワータナカ。出身は兵庫県。フォトグラファー/エッセイスト。今までに30ヶ国以上を旅してきている。アメリカではフロリダ州などに在住経験あり。マーケティングの世界に身を置きながら同時にフォトグラファーとして国内外で活動してきている。国内外各地の風景、街、人、いきものたちのお茶目なサプライズを自由に切り取って写真制作および展示、スライドショーを展開してきている。写真集ENCOUNTERSシリーズ(Ⅰ,II,Ⅲ,Ⅳ,V,VI,VII;日本カメラ社)は幅広いファンから愛されている。最新刊ENCOUNTERS in Pakistan (みつばち文庫)は子供たちのピュアな笑いがいっぱい。