”Travel is ENCOUNTERS” (カリブ篇) #8
Photos, essay by T.T.Tanaka
Local / 2018.10.05
“なあに~?” What’s up?
テールドオー, グアドループ(フランスの海外県@カリブ)
ひょっこりビーチ近くの木陰から顔を出すヤギちゃん。かわいいこと。目が合っちゃった。
キラキラするカリブ海に目を細めながら喉を潤していると後ろに気配が。。 ほら、この通り。
もともとヤギは、昔、ヨーロッパから連れてこられたらしいんだけどすっかりカリブのヤギちゃんになっている。一部は野生化していて、なかには結構いたずら好きで、庭に入ってしまって住民に怒られちゃったりするヤギもいるんだけど、きみたちのキモチもわかるような気がする。冒険したいものね。
お、その眼付き。彼女へのアピールポイントかも。。
Terre de Haut, Guadeloupe; by T. T. Tanaka
Terre de Haut, Guadeloupe; by T. T. Tanaka
“お昼休みとワンちゃん”
テールドオー, グアドループ(フランスの海外県@カリブ)
ワンちゃんにもよく会うよ。
正午くらいから3時くらいまで多くはお昼休みなんだ。ワンちゃんはご主人と近所のお散歩に喜んで出てくる。だからこの時間帯は暑いんだけど歩いているとあちこちでこんちはできて楽しい。ほら。すぐ寄ってきたでしょ。
なかには、ひとりでトコトコお散歩に出ていくワンちゃんもいる。坂を降りてしまったワンちゃんはほら、この通り。行きはよいよい、帰りはツライ。。だから言ったじゃん。。
頑張れよ~。じゃ、おいらはベンチにすわってひえひえスパークリングウォーター飲むんだもんねーー。へへへ。
あ! グシュー~~~。。。!! あわわわ。こ、こぼれた。。。ウェーん。。。
Terre de Haut, Guadeloupe; by T. T. Tanaka
; by T. T. Tanaka
“カリブのトカゲちゃん”
グアドループ(フランスの海外県@カリブ)Guadeloupe
一枚目;テールドオーTerre de Haut
二枚目; グランドテールGrande Terre
カリブ海を思いっきり体中で感じたくて素足で浜を歩いていた。ゴールド色の砂の上に転がっているまあるい石をよけながら、じゅわーとひいていく波を踏んでいくのがキモチいい。停泊しているヨットの向こうからきらきら光とともに吹いてくるブリーズも顔にキモチいい。
水際にはしゃれたお家もときどきあってヨットまでのアクセス用の小さなボートが裏返しにして置いてあったりする。この船底がまた真っ赤なのだ。おっと、視線を感じて振り返ったらトカゲちゃんが。。そのレッドが好きなのね。
グランドテールGrande Terre; by T. T. Tanaka
“Hello, good-bye! ”
グアドループ(フランスの海外県@カリブ)Guadeloupe
グアドループの多くの鳥たちもとってもフレンドリーだった。
鳥ちゃんのことは詳しくないんだけど、今まで怖い人に代々会ってきていないからなのかなあと思ってしまう。
グアドループの西半分にはカリブでは珍しい火山があってしかも高さ1300m。斜面は大熱帯雨林になっていて滝もあり澄んだ水の川も流れている。レンタカーでスマホのドライブマップ頼りに国立公園の山の中腹まで細い道を上がってゆく。停めたとたんに車のミラーにこの通り。じっと僕のこと見ています。興味津々で後をついてくる。でも、ごめん。君の将来を思うから餌はあげないで行くからね。。
赤い胸のキュートな体形が脳裏に残った。
あ、ここは、大昔は、日本人の多くとDNA共通の原住民たちが住んでいたらしい。
鳥の声、滝の音、水の流れ、ゆったり吹いてくる風。
命を沢山感じたら自分も自然の一部になった気がした。
東京から14,000km離れていた。。
グランドテールGrande Terre; by T. T. Tanaka
“Dear good friends!”
グアドループ(フランスの海外県@カリブ)Guadeloupe
グランドアンスビーチGrande-Anse Beach,
グッドカップル! キャリンとブレット(※)。
フランスのリヨンから観光にきていた彼らには本当に感謝の気持しかない。。。
とっても恥ずかしいんだけど、僕はGuadeloupeに着いた翌日、日曜の朝、このビーチでスマホを落としてしまった。腹ばいになってヤシの若木を撮ったり、波打ち際の面白い石を撮ったりして、車に戻って初めて気づいた。ビーチはあちこちで歓声が上がる中、人がひっきりなしに行き来していたからもうみつからない。。と茫然としてしまった。レンタカーでホテルに戻るのもナビがないと大変なことになるし、飛行機やレンタカーの連絡も。。そのあと、フロリダにも行くのに。。。
でも、心に踏ん切りをつけるためにもさっき歩いたところをたどってみた。やっぱりもう砂の上には落ちていなかった。何気に横を見るとビーチでシートをひいてのんびり過ごしている人たちがパームツリーの近くに何組かいた。フランス語は出来ないけど意を決して、英語と身振り手振りでスマートフォン見なかった?って聞いてみた。None, none,と返事。そして3組目のお兄さんに聞いたら、ポケットから「これ?」ってにっこり僕のスマホを見せてくれたのだ。彼女が拾ってくれて、これからニースに帰るので警察に寄って渡していくところだったとのこと。
ああ。。。 ここでもいい人に出会えた。なんというEncounterなんだろう。
お礼はいらないって言われたんだけど、「Container読者に紹介してもいい?」「いいよ~。こんな感じかい?」
素敵な島には素敵な人たちもやってくる。ありがとう。
(※)仮名にさせていただきました。
Thank you, from Carib カリブからありがとう
カリブの訪問でどんな実感を味わえるのか全く予想ができなかった。
とっても日本から遠いし、歴史は複雑にヨーロッパとからむけど殆ど不勉強だった。
そんなときに、アメリカに長く在住の日本人の方がカリブを数回以上訪問されていてたまたまお話を聴く機会があった。
「Tanakaさんだったら、Guadeloupeが面白いかもね~。カリブでも数少ないフランス県だし、火山もあって珍しい昔からの自然にも出会えるし、何にEncounterできるかわからないけど、きっとあなただったら。。。」
この一言だけで、行こうと決めていた。
五感が全てhappyだった。
真上から照り付ける太陽も、風も、ときおりふるシャワーも、海の反射も波の音も。
海に上がる月もキラキラの星たちも。
お魚も、鳥も、トカゲも、イグアナも、ヤギも、ハチも、蝶々も、マングースも。
プルメリアの花も、ヤシの木も、熱帯雨林も。滝も川も。
そしてお会いした人たちが素敵だった。
お墓番の女性はにっこり笑って鍵を開けてくれた。
青い色のお墓、白と黒の千鳥模様のお墓など美しくてびっくりしてしまった。
帰るときに、あなたの写真を撮りたいと言ったら、「え、私? 写真だって、わー嬉しい~~! でも、やだ~恥ずかしい、恥ずかしいの~っ」(て言ってたと思う)て真っ赤に笑ってささっと奥に隠れてしまった。。
わざわざ聖なる場所であるお墓を見知らぬ外国人の僕に見せてくれたお礼の気持ちで少し大きめの声で「メルシー(ありがとー)」って言って家を出た。
振り返ったら、窓からにっこり笑って手を出して一生懸命振ってくれた。。
僕も手を振った。
その坂で会ったワンちゃんは僕にすりよってきた。。。
パームツリーの向こうの空は夕焼けでとっても澄んできれいなきれいな赤だった。
フォト、エッセイ by T.T.Tanaka
イラスト、ロゴデザイン by 瀧口希望
カリブに関することはこちらのカリブノートをチェック。
旅はENCOUNTERSアーカイブ↓
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T.T.Tanaka
のっぽの体形からつけられたニックネーム、トーキョータワータナカ。出身は兵庫県。フォトグラファー/エッセイスト。今までに30ヶ国以上を旅してきている。アメリカではフロリダ州などに在住経験あり。マーケティングの世界に身を置きながら同時にフォトグラファーとして国内外で活動してきている。国内外各地の風景、街、人、いきものたちのお茶目なサプライズを自由に切り取って写真制作および展示、スライドショーを展開してきている。写真集ENCOUNTERSシリーズ(Ⅰ,II,Ⅲ,Ⅳ,V,VI,VII;日本カメラ社)は幅広いファンから愛されている。最新刊ENCOUNTERS in Pakistan (みつばち文庫)は子供たちのピュアな笑いがいっぱい。